ベルト・バックル修理 革漉き・裁断 伊東金属製作所

革ベルトやバックルの修理、革漉き、革の型抜きその他、幅広く紹介して行きます。

革包丁いろいろ買ってみた 信義・岩田・美貴久

2017-10-17 10:52:41 | 刃物

ふと革包丁が欲しくなりました。
革を裁断するなら、直線裁断機やスリッター、クリッカーもあるし、革漉きならバンドナイフにコバ漉き機と、なんでも揃ってるので、革包丁はあまり使うことは無いのですが、なんせ和包丁が大好きで、何本も料理包丁を持っている割には、そういえば革包丁ってあまり気にしたことないのです。

ネットで見てみると、いろいろあるんですねぇ
まずは、身近な岩田屋さんに出向いて、革包丁を2本ゲット。
信義と岩田屋さん製です。
小さいくせに結構お値段するのですね。
でも信義は青紙スーパーだっていうし、岩田屋さん製も青紙1号ですって。
どっちも硬くて良く切れて、刃持ちの良い鋼材ですよね。
でもその分、砥ぎにくい。

私の持っている料理包丁は白紙ばっかりで、青紙なんて高くて買えません。
尺の柳刃で青紙で本焼きなんて欲しいけど、とても手が出ないし、なにしろ砥ぐのも硬いから、柳刃だったら砥ぐの大変ですよね。
その点、白紙は砥ぎやすいから愛用してます。
相出刃2本、柳刃一本は京都有次の特製、蛸引きは正本総本店の霞白玉鋼を愛用してます。

さて、岩田屋さんで革包丁2本調達してその足で、協進エルさんへ。
ここで美貴久の斜刃の革包丁があったので、買いました。
1950円って、お買い得。
協進エルさんのカタログにはいろいろ革包丁が出ているのですが、店頭には実物は美貴久しか置いてありませんでした。
他のものはヤマダ電機のレジまでカードお持ちください。みたいなシステムのようです。
写真だけ飾ってあって、言えば出してくれるのですかね。


まずは青紙1号の岩田屋さん製です。
ちょっと刃が波打ってます?
でも次第に砥がれていくので問題ないですね。
買ったままの状態で良く切れます。
あまり革包丁を買った経験は無いのですが、お値段相応?なのでしょうかね。
青紙1号ですし。


次に青紙スーパーの信義です。
岩田屋さん製と同じサイズ買っても、使い道が被るのでワンサイズ細身にしました。
青紙1号であれなら、こっちはさぞ切れるかと・・

あれ?
大して切れません。

刃先触ってみると、丸いです。
切れるは切れますが、これは砥いで使うようです。
このままでは使えなくはないけど・・程度でしょうか。
期待した感じではないです。


次に美貴久です。


刃が完全に2段刃です。
出刃庖丁なんかはこうやって砥ぎますよね。
硬いもの切っても刃こぼれしにくくなります。
作りは鋼と軟鉄の貼り合わせのラインが波打ってますよね。
これは鍛接といって、叩いて鍛えて貼り付けるのでこういう模様がでるのです。
安い和包丁だと利器材といって、あらかじめ貼り合わせてある鋼材から作られます。
叩いて鍛接していないから、ラインがまっすぐ出るんです。
こういう波打っている包丁は、ちゃんと叩いて鍛錬されていることになります。
まあ、なかにはわざと波打って見せる砥ぎ方してる模造品のようなものもあるので、砥いで使い込んでみないとわかりません。お値段も安いので、疑いはあります。
で、早速革を切ってみます。
なんせ1950円ですから、期待はしません・・・

が、めちゃ切れる。
まさに、お値段以上の切れ味です。

鋼材もわからないから多分SK鋼?、刃持ちは良くはないのだろうなぁと想像しますが、さすが本職用と謳っているだけあって、買ってすぐに切れるし、刃もこぼれにくい。刃持ちが悪くたって、都度砥げばいい訳ですから、仕事で使うには一番勝手が良いのかもしれません。

信義のような、手に入れて、砥いで、切って満足感を感じるような、趣味性の高いものではないですが、日々の仕事で使うならこういった道具が重宝します。

イメージ的に良いものを作る職人は良い道具を持つようなイメージを植え付けられてますが、実際は皆さんカッターとかで切ってますしね。
だって、切れなかったら折ればよいわけですから、一番作業効率もコストもいいですよね。

ネットで良く見る、職人さんが作務衣着て作業している風景とか、あんなの絶対ないですから。
実際には圧倒的にジャージが多いです。


さて、切れない信義を砥いでみましょう。
青紙スーパーなんて砥ぐの初めてですし、さぞ、砥ぎにくいのかと思いきや、刃渡りが無いので全然問題ないです。
料理包丁とはわけが違います。
折角の青紙スーパーなので、調子に乗って、自宅からシャプトンの刃の黒幕#12000を持って来ました。



キラーン★
なんとも美しい。


さすがに良く切れます。
信義が、というよりは、これは砥ぎの問題ですけどね。
普段はここまでやりません。
忙しい時なんて、正直、グラインダーでガァァァってってやっちゃいます。


弊社ではバンドナイフによる持込の革漉きや、ご自身で裁断される方のためにクリッカーの時間貸ししております。
もしいらっしゃる事があったら、お声掛けいただければ、実際にこれらの包丁お使いいただいて構わないですよ。
自分で買う前に革を切ってみたいでしょ?

革包丁の硬度測定も是非ご覧ください


有限会社伊東金属製作所
東京都足立区足立2-34-2
03-3886-6271

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