【将棋】山田定跡をひたすら称賛するブログ

居飛車急戦党が、日々の対局記録を綴ります。
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あと、本の感想が少々。

先手三間飛車に対する急戦策

2024-06-02 10:10:53 | 将棋

私は以前のブログ(5/26)にて、子供たちが中学受験・高校受験に励む理由の一つに、「いじめに遭わない環境に身を置くため」というのを取り上げました。

他にも有力な理由としては、「大学受験やその先の就職活動を有利に導くため」というのも挙げられます。履歴書上の経歴が重要なのは国際標準なので、こちらも尤もな理由だと思います。ただし、良い高校(もしくは大学・会社)に入ったからといって緩んではいけませんが。

しかし、せっかく国語や数学などを勉強しているのだから、それらを上述した目的に対する手段と考えるだけでなく、勉強自体も目的と考える方が身を入れ易いのではないか、ということを提案したいです。

そもそも、なぜ義務教育が課せられている(憲法26条第2項)のでしょうか?それは、「世界を認識するためのモデルを国語や数学などが提供するから」と私は考えますが、それだと議論が哲学的になり過ぎるので、実用主義的な(ただし副次的な)見解を次回のブログで申し上げたいと思います。

 

 

さて、今回は先手三間飛車に対する急戦策を取り上げます。昨日、先手三間飛車に珍しく出会い、後手の私はうろ覚えの三歩突き捨て急戦[1]を仕掛けたのですが、どうも定跡を間違っていたようです。今回はその復習です。

まずは、下図の局面では△6四歩が定跡です。いつでも△6五歩早仕掛けができるように。ちなみに本譜は残念ながら、△9四歩、▲9六歩の交換の後、直ぐに仕掛けて(▲8六歩~▲9五歩~▲7五歩)してまいました。

その後の定跡は△9四歩、▲9六歩、△5三銀、▲4七金なのですが、▲4七金に替えて▲3六歩とするのは損[1]である理由を検討します。

▲3六歩に対して△7三桂としたのが下図です。対して振飛車は▲8八飛と受ければ、居飛車は松浦式の仕掛け[2](△5五歩~△6五歩)を狙うこととなり、一局の将棋です。

もし▲4七金と居直ってしまうと、△6五歩、▲同歩、△7七角成、▲同銀、△6五桂で居飛車の仕掛けが成功します。直ぐに桂馬が跳べるのは5三の地点に銀がいるおかげです。一方で、通常の三間飛車早仕掛けだと、こういう桂跳ねは成立しないことに注意が必要です。途中で▲6四角を打たれてしまいますから。

以上を纏めると、▲3六歩は三間飛車側は先手番であるにもかかわらず、後手番の時と同じ仕掛けを居飛車に許してしまうので、その仕掛けを封じる▲4七金(下図)の方が得と私は考えます。

 

 

【参考文献】

[1] Wikipedia、「三歩突き捨て急戦」、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%AD%A9%E7%AA%81%E3%81%8D%E6%8D%A8%E3%81%A6%E6%80%A5%E6%88%A6、閲覧日2024年6月2日

[2] 山田道美将棋著作集、大修館書店、第二巻、pp.212、1980年