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【将棋】山田定跡をひたすら称賛するブログ

居飛車急戦党の将棋史研究。
古の棋書から、将棋の思想・捉え方の変遷を追います。
対局は道場がメイン。

爆破系FPS:ピーク(peek)について(FragPunk)

2025-07-21 21:02:37 | FPS(PCゲーム)

爆破系FPSのFragPunk[1]を数週間続け、シーズン1をプラチナ帯の真ん中辺りで終えました。KDA比は1.8、勝率48%。他のプレイヤーの情報を見るとKDA比は1.6~2.0が多いので、まぁこんなものでしょう。デフレ対策のためか、レートは敗北による減少よりも、勝利による増加の方が大きく設定されています。シーズン2でゴールド帯へ落されましたが、勝率50%を維持していればプラチナ帯に戻れるでしょう。

 

このゲームを題材に爆破系FPSの立ち回りを1つずつ検討したいと思います。当該ゲームは既に多くのストリーマーが配信しておりますが、念のため公式サイトの利用規約(Terms of Use)を確認しておきます(英語版[2])。

"4.3 Content. Users may send, upload, communicate, transmit, generate, or provide in other methods, information, data, software, sound, photographs, graphics, video, tags, nicknames/usernames, or other materials ("Content") via our Services. . . . In order to operate the Services, we must obtain from you certain license rights in your Content so that actions we take in operating the Services are not considered legal violations."

例えば、ゲーム画面のキャプチャ画像をブログに載せてもいいけど、あなたのブログの内容は運営側にも権利があるからね、ということでしょう。もちろんこれは、私なりの解釈です。各人で利用規約をしっかり読み、各人の責任で判断・行動願います。ちなみに、日本語版の利用規約は表現に違和感があったので、仲裁言語が英語であるも踏まえ、英語版のTerms of Useを参照しました。

 

それでは本題に戻って、今回はピーク(peek)について考えます。"peek"を英和辞典で調べると、「覗く」という意味が見つかります。FPSゲームでは特に、壁越しにいる敵に対して索敵・射撃する時に使われる用語です。同音異義語の"peak"との取り違えなき様。

ゲームタイトルに依らず、以下の3ステップが基本です。①プリエイムする。つまり、ピークした際に想定していた位置に照準が向かうよう、予め体を壁に向けておく。②真横に移動する。つまり、"A", D"キーのみ用い、"W"は押さない。③角から出た瞬間に横移動をやめる(ストッピング)。その時、照準が敵からズレていたら、マウスで微調整。以上のようにして、相手に姿を晒す時間を最小にします。

上記の実際の操作はゲームタイトルによって異なります。FragPunkはADSすると移動速度が60~70%に落ちるので、②の横移動はADSせずにする方が良い。問題は③をどうするか。私は最初の頃、CoD:Bo6のスライディング飛び出し撃ちの癖が出てしまい、敵の位置が分かっている有利な立場にもかかわらず、ピークしすぎて返り討ちに会うことが多かったです。

そこで、③のピークする瞬間にADSすることにしました。ADS移行時間は約0.15秒とかなり短いので、敵を視認するより先にADS状態になります。そして、ストッピングも条件反射で自然とできます。

 

①プリエイムして…

 

②"A", "D"キーで真横へ移動して…

 

③ピークする瞬間にADSへ移行

 

まぁ、これでも上手い人にはスナイパーライフルで抜かれるのですが、「ピーカーズアドバンデージ」という言葉を実感できるようになったので、しばらくはこの方法を試すつもりです。

 

【参考文献など】

[1] FragPunk公式Webページ、"https://www.fragpunk.com/jp/index.html"、閲覧日:2025年7月21日

[2] NetEase 利用規約 英語版、"https://protocol.unisdk.easebar.com/release/latest_v487.html"、閲覧日:2025年6月24日

[3](模式図の矢印:フリー素材) illustAC、"https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=360666&downloader_register=success#goog_rewarded"、ダウンロード日:2025年7月21日


爆破系FPSはムズかしい(FragPunkのキルタイムの計算)

2025-06-09 23:31:01 | FPS(PCゲーム)

First-Person Shooter(FPS)は半年前から始め、Call of Duty Black Ops 6(CoD:BO6)をずっとやってきました。ゲームモードはドミネーションとハードポイントばかりで遊んでいます。自分のデスでチームが受ける悪影響が小さいですからね。

武器はアサルトライフル(AR)のKilo+ラピッドファイア(キルタイム≒291ms)を良く使います。CR-56 AMAX+ラピッドファイア(キルタイム≒260ms)の方が強いと言われていますが、高レートのKiloの方が1on1の正面戦で打ち勝ちやすいのが私の実情です。

エイム力が未熟というだけの話ですが、それよりも最近は立ち回りで伸び悩んでいます。とりあえずスライディング+Aim Down Sights(ADS)で角から飛び出してみる⇒1キルする⇒敵チームのカバーでデスしてしまう。つまり、1:1交換が多い。もし敵チームのカバーが無ければ、スティムを使って体力回復して継戦できます。しかし、そんな立ち回りを続けて良いのでしょうか。

 

そこで、気分転換に別のFPSゲームをやってみました。VALORANTは私を受け入れてくれなかったので(K/D/A=0/10/2)、他の爆破系FPSを色々調べてみたところ、下記に行き付きました。

"FragPunk"公式サイト

一言でいうとカジュアルなVALORANTです。各キャラクターに固有のアビリティがあって、それを駆使して銃撃戦を有利に導くという点は同じです。しかし、ADSできる、クロスヘアが銃の反動に追従する、ストッピング不要、ARにヘッドショット一発で倒されることは無い、等々の敷居の低さが私にはありがたいです。

あとは、毎ラウンドの開始前にカードを選ぶフェーズがあり、それでバフやデバフが生じます。カードの種類は200~300程度あるのですが、その中で選べるもの(3種類)はラウンド毎にランダムであり、運の要素があります。マリオカートのはてなブロックと似たようなものです。負けても言い訳が出来る。

 

ある程度プレイして慣れてきたところで、どの武器が強いのかが気になってきました。あくまで指標の一つではありますが、各武器のキルタイム(TTK)を計算してみます。

キルタイムの定義式は右の通りです。

ただし、ここではキルタイムの単位はミリ秒(ms)を採用します。「キルに必要な弾数」については、ラウンド序盤でのピークを想定して距離を30mと仮定し、ヘッドショット/胴打ちの数のみを考慮することにします。計算結果は下表のとおりです。

全般的には、

・胴打ちのみのキルタイムにおいては、武器の差は小さい。強いて言えばマークスマンライフル(MR)がやや短い(指連射が必要ですもんね)。

・サブマシンガン(SMG)のヘッドショットによるキルタイム短縮が弱い。ただし、相手チームがヘッドショット無効のカードを発動させた場合は、他の武器を温存するために敢えて選ぶのもアリ。

武器カテゴリ別には、

・サブマシンガン(SMG)の弾薬数はどちらも25発とやや少ない。キルタイムはほぼ互角なので、発射レートの低い「狂犬・無音」を私は選びたい。

・アサルトライフル(AR)において、「灼浪」のヘッドショット2発は強力だが、ヘッドショット1発以下だとキルタイムは「裁き」と互角となる。私のエイム力だと、弾を外した時のキルタイムの落ち込みが小さい分、発射レートの高い「裁き」を選ぶのが無難かも。

・マークスマンライフル(MR)の指連射は苦手なので、私は発射レートの低い「悪名」を選びます(それでも5発/秒)。

このゲームは、CoD:BO6に比べると胴打ちのみのキルタイムが長い一方で(cf. CoD:BO6は300ms前後)、キャラクターの動きが前者よりも遅く、銃の反動が素直なので、ヘッドショットが比較的やりやすいです。こう書くと、ヘッドショットによるキルタイム短縮の恩恵を受けにくいSMGは立場が弱い印象を与えます。しかし、リロード時間が短いので、隙を作りにくいメリットは爆破系FPSでは小さくないと思います。リロード時やスキルの予備動作の際に倒されることが多いので。

それでも、私にとっては1on1で勝つのが大事なので、普段はARの「裁き」を選んでいます。立ち回りが上手になると良いな。


やっぱり、将棋は道場で指すことにします

2025-06-08 22:14:55 | 将棋

私は過去の投稿(2025年1月4日)にて、「将棋道場へ通うのを断念します」と申し上げました。

その後、将棋は殆ど指さずに仕事に集中しておりましたが、将棋で得た知恵が仕事の役に立つことを、ますます実感するようになった次第です。

改めて過去投稿を読み返したところ、表現が鋭すぎて日本人の性に合わない文章、欧米人の文章を機械翻訳したような書き方になっており、これは重々反省しなければならないものの、内容自体は今も同じ思いを抱いております。

しかしそもそも、将棋道場の先生への要求が過大だったと、今になって猛省しております。今のネット時代で箱物ビジネス(道場運営)は大変ですし、プロ棋士であっても、将棋と社会と学問の関係性について鋭い議論を続けるのは負担が大きい。なにより、プロの将棋界は勝ち負けが95%の世界です。将棋の普及活動をしたいと思うようなインセンティブシステムは無く、プロ棋士個々人の博愛精神に依っています。

だから、将棋から離れて冷静な頭でもって、先生が将棋道場を通じた社会貢献に関して、その取り組みを見つめ直すべきと考えました。

 

先生は数カ月前に将棋道場を移転されました。駅からの距離が短くなり、1階なのでビルの玄関からさっと入れます。建屋の築年数は古いですが、入居前に室内のクロス等を新調したためか、白基調で明るくてオープンな雰囲気でした。

最大の関心事は料金設定ですが、時勢に合わせて値上げされています。勇気ある経営判断として、諸手を挙げて賛同します。フリーパス券は指導券とセットにして割高感を出さない工夫も見事です。

広報面では、Webページは簡素ながらもサイトメニュー分かりやすく、情報が定期的に更新されています。営業カレンダーには先生がお休みの日(月2~3日程度)も記載されており、急なイベント出演などが生じると書き換える必要があるので、運営は楽では無いでしょうね。

上記のような経営努力に比べたら、先生と私の将棋観の違いなんて小さい話です。

最後に、敢えて自慢させて頂くのですが、料金表の中で一度に支払う金額として最も高い「年会員」を購入させて頂きました。先に支払っておく方が、道場の資金繰りに少しは役立つかな。でも、そんなのは余計なお世話でしょうね。

今は仕事の勉強で忙しいので、今後は月一回ぐらいで将棋道場へ通おうと思います。今日は定跡を最序盤で間違えてヤバかった(笑)。


「オープンバッジ」なるものを頂きました

2025-05-11 12:27:16 | 工学系専門書

前回の投稿(2025年1月)では、「将棋の定跡が満たすべき条件」という大袈裟な題を掲げて、その導入を述べました。

その後、仕事の忙しさにかまけて、続きを投稿できておりませんでした。大変申し訳ありません。

恐れながら、続きについてはまだ構想が纏まっていないので、今回は別の話題を取り上げさせて下さい。

 

この間、日本機械学会からメールが届きまして、私が取得した資格の「オープンバッジ」が付与されたとのことでした。

サムネイルの画像がそれです。このオープンバッジの情報は、リンクを参照下さい。

 

上記に例示した「オープンバッジ」制度は、デジタル庁も推し進めているらしいです。そのWebページ[1]によれば、

”オープンバッジは、世界共通の技術標準規格に沿って発行されるデジタル証明・認証です。"

"また、ブロックチェーン技術を活用することで、偽造や改ざんが困難な信頼性のある証明書として使用される事例もあります。"

なんですって。海外であまり仕事しないから、知らなかったです。

 

運営は今のところ、「一般財団法人オープンバッジ・ネットワーク」が取り纏めています[2]。システム作成は「株式会社LecoS」[3]。

2019年に前者が設立され、2020年に後者がインターネット上に公開し始めたので、安倍政権の時に始まったことになります。

最近では雇用の流動化に伴いスカウト型採用も出始めていますから、企業側が人材候補を調べるための情報源になるかもしれませんね。

また、この制度はジョブ型の組織運営と相性が良いと思いますが、実態としてはメンバーシップ型を採る企業の方が多いので、ちゃんと社会へ定着していくか注視したいです。

今後の成り行き次第では、合格証書を写真に撮ってSNSに上げるのと、あまり価値が変わらないということもあり得ます。

 

ちなみに、サムネイルの「計算力学技術者」について、私は熱流体1級を受けましたが、出題内容は「商用コードを用いる場合でも、知ってて当たり前」というものでした。もちろん大事な知識です。論文から先行事例を調べる際に、大いに役に立つでしょう。

他方で、自身で計算設定する際には、今でも教科書が手元に欠かせません。

だから、「上級アナリスト」という最高位が別に用意されているのかもしませんね。

今は振動工学(FEM)を勉強中でして、今年度に2級を受けようと考えています。

 

最後に教科書紹介を。

流体計算(CFD, Finite Volume Method)については、下記を参照しています。この本のおかげでSIMPLEが半分ぐらい理解できました。

J. H. Ferziger et al., "Computational Methods for Fluid Dynamics", 4th ed., Springer, (2020)

振動計算(Finite Element Method)は、下記の教科書で勉強中です。基本となる数学知識(ヒルベルト空間など)が難し過ぎ。私にはまだ早かったでしょうか。

F. Ihlenburg, "Finite Element Analysis of Acoustic Scattering", Springer, (1998)

数値計算は下手するとプレゼン資料を華やかにするだけになるので、実験計測よりも神経を使います。

 

【参考文献】

[1] デジタル庁Webページ、"https://www.digital.go.jp/policies/digital_promotion_staff_openbadge"、閲覧日:2025年5月11日

[2] 一般財団法人オープンバッジ・ネットワーク、"https://www.openbadge.or.jp/"、閲覧日:2025年5月11日

[3]株式会社LecoS、"https://www.lecos.co.jp/index.html"、閲覧日:2025年5月11日


将棋の定跡が満たすべき要件について(その1)

2025-01-13 17:37:10 | 将棋

以前から申し上げているように、将棋道場の先生と意見が異なることが明らかになったので、指導対局を続けるのを断念しました。

その理由としては、前々回の投稿では、物事の上達において「守破離」が大事と考えるからと書きました。

しかし、「守破離」という紋切型の言葉で簡単に片づけるのは良くないので(※1)、これから当ブログで何回かに分けて、私なりの「守破離」の解釈を申し上げるつもりです。

 

上記を論じるに当たっては、本来なら論説文の形式をとるべきでしょう。第一章で背景と目的を述べて主張の全体像を粗描し、第二章以降で各論を詳述するというやり方で。しかし、それだとブログとしては面白くないので、逆の順序を取ります。身近なテーマ(各論)を取り上げてコメントを加え、そのような投稿を重ねて内容を蓄え、最後に総論を述べるつもりです。

 

さて、今回は「将棋の定跡」がテーマです。これでも色々な観点があるので、その内の「将棋の上達における定跡の役割とその要件」という点に限定して論じます。

まずは出発点として「定跡」を定義すべきですが、これが非常に難しい。以前(2024年8月15日)に述べたように、「プロ棋士といえども「定跡」という言葉が意味するところは、各人によって異なることが推測され」るためです。そこで、乱暴なやり方(論点先取)ではありますが、ここでは山田先生の定義を採用します。

山田先生は「定跡は広い意味で「本筋」の集成である」とされており、本筋とは「一言にしていえば、局面の急所をつく筋のこと」と述べています。そして、急所については比喩を用いて、「老練な按摩が長い経験によって、(人間の)体のツボを知っているように、私たちも経験によって、将棋の急所を知るのである。」としています。[山田道美 1961=1980 : 3-4、()は筆者が補足]

言葉の定義を遡る途中で比喩にぶつかってしまい、曖昧な部分をもう減らせなくなったのですが、やむを得ないでしょう。本来、将棋は難解でその全容を表すのは不可能であるにもかかわらず、そこから少しでも本当のもの(本筋)を分かりやすく言葉で伝えようと試みるのですから。

将棋の指方のパターンは事実上無限大であって、かつ、その良し悪しを決める絶対的な基準はありませんから、どのように指そうとも当人の自由です。にもかかわらず、対局結果として勝ち負けが生じるのは不思議なことです。

そういえば、唐突で恐縮ですが、文章の書き方についても似たようなことが言えそうです。当人が伝えたい事をどのように書くかはその人の自由です。にもかかわらず、結果として名文/悪文という社会的認知が生じます。

そこで、アナロジー(類推)によって大胆な仮説を立ててみます。つまり、将棋の上達においては、文章の上達法から援用できるものがあるはずだ、ということです。

 

したがって、ここからは将棋と文章の難解さ各々の類似点/相違点に言及した上で、文章の上達法でその根拠とされるものが将棋にも成立することを論じるのですが、既に長々と書いてしまったので、続きは次回にします。

 

(※1)これは、鶴見俊輔氏の「文章心得帖」[2]から得た教訓です。「紋切型の言葉に乗ってスイスイ物を言わないこと。つまり、他人の声をもってしゃべるんじゃなくて、自分の肉声で普通にしゃべるように文章を書くことです。」[鶴見俊介 1980, 1985=2013 : 18] 

 

【参考文献など】

[1] 山田道美将棋著作集、第一巻、大修館書店、pp. 3-4、1980年

[2] 鶴見俊輔、「文章心得帖」、ちくま学芸文庫、pp. 18、2013年