サッカー試合中に落雷で障害、高校などに3億円賠償命令(読売新聞) - goo ニュース
落雷による被害を受けて 体に重い障害が残ってしまったという事件。被害にあわれた方はまことにお気の毒であると思います。その一方、落雷による事故について賠償責任を科された学校側も大変なことだと思う。
学校での事故というと良く問題になるのは プールでの飛び込みで首の骨を損傷し重大な事故になるケースがある。このような事故に対して、教員の監督責任を認めるというのは、理解できる。プールの水が少なかったりもともと水深が浅かったりするので、事前に注意することができるからだ。
しかし落雷となるとまさしく天災。雷が落ちるかもしれないということをどのようにして予想して どのようにして回避したらよいのだろうか?
ひとつ考えられるのは、グラウンドに避雷針を建てるという対策だろう。しかし、グラウンドをカバーする避雷針を立てるとなるとすると相当な費用が必要だ。
そうなると 避雷針がないグラウンドでは、遠くで雷鳴が聞こえたら即運動を中止しなければならなくなる。
今回の判決により スポーツを指導する教員が過度に萎縮してしまう可能性を心配する。
サッカー試合中に落雷で障害、高校などに3億円賠償命令
2008年9月18日(木)02:31
大阪府高槻市で1996年8月、サッカー大会の試合中に落雷に遭って視力を失い、手足が不自由になるなど重度の障害を負った高知市の北村光寿さん(28)と家族が、在籍していた私立土佐高校(高知市)と、大会を主催した高槻市体育協会に約6億4600万円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審判決が17日、高松高裁であった。
<RB>矢延正平</RB> <RP>(</RP> <RP>)</RP> 裁判長は「落雷発生を予見することは可能で、サッカー部の引率教諭や市体育協会、大会の会場担当者らは注意義務を怠った過失がある」などとして、原告敗訴の1審判決を変更、将来のリハビリ費用を含む計約3億700万円の支払いを命じた。
学校の課外活動中の落雷事故で賠償が認められたのは初めて。
判決は「教諭や会場担当者らは生徒の安全にかかわる事故の危険性を予見し、防止する措置をとる注意義務を負う」と指摘。その上で、試合開始前に雷鳴が聞こえ、雲間の放電も目撃されていたことなどから、「雷鳴が大きな音でなかったとしても、教諭らは落雷の危険を具体的に予見できた」とした。
最大の争点になった落雷を回避する行動がとれたかどうかについては、「グラウンドの周囲に50本立つコンクリート製の柱の半径8メートル内で、柱から約2メートル以上離れた場所に避難すれば事故は回避できた」と、原告側の主張を認定した。
北村さんは事故当時同校1年でサッカー部員だった。北村さんらは99年3月、提訴。2003年6月の1審・高知地裁、04年10月の2審・高松高裁は「落雷は予見できなかった」と訴えを退けたが、06年3月の最高裁判決は予見可能性を認め、審理を差し戻した。
土佐高は「判決を厳粛に受け止め、内容を検討し、誠心誠意対応したい。北村さんの前途が開かれるよう、お祈り申し上げる」とコメントを出した。