イリエカズヲBLOG Irie Kazuo's Blog

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日記『Brandon Ross / Stomu Takeishi Liv e in Tokyo on Dec 14, 2011 (Special Guest: Sotoyama Akira)

2011-12-16 | 日記
戦前ブルーズ、ロフトジャズ、ドビュッシーを繋ぐアヴァンギャルド王子、来日。

ブランドン・ロス(Brandon Ross, guitar, voice)が相棒のツトム・タケイシ(acoustic bass guitar)を伴って来日。
きのう、スペシャルゲストに天才パーカッショニスト外山明氏を迎えた「青山 月見ル君想フ」公演を観に行ってきました。

ブランドンはナイロン弦を張ったソプラノギターとスティール弦を張ったアコースティックギターを6対4の割合で演奏。
ツトムさんはクラインの5弦エレアコベースですが、これが60年代のゲイリーピーコッックを彷彿とさせる生々しい音色!(もちろん弾き手がすごい)
この楽器、テイラーから同タイプのものが発売されていたと記憶してます(ベーシストの方は要注目ですね)。

そしてステージの背景には、この店のトレードマークである大きな大きな満月が。

奏でられたのは、音を使った美術作品と申しましょうか、詩と申しましょうか。

ほとんどがテンポ・ルバートですが、そんなことは問題じゃなくて、もっとこう、より大きなまるいものに包まれているような。

僕はまるで自分が木の葉か雪片になったかのような錯覚をおぼえたのでした。

ときおりブランドンは歌うのですが、歌詞に耳を傾けてみると、その内容はとてもとても激しい詩。
しかし、声はあくまで清らかで、天使のようです。

自らの音楽に関するブランドン・ロス自身の言葉を紹介します。

「コードやスケールに基づかない、つまり音程やハーモニーを使って即興するという、とても自然な表現で、民俗音楽に由来するものだ。スキップ・スペンスがやってるようなこと、つまり“身振り(Gesture)”を使ったものなんだ。モダンな楽器を使っているんだけど、古いサウンド、空間を感じさせる響き…つまり、深さ、サイレンス、演奏についてのコンセプト、音楽と響きや音色の関係といったことを念頭に作曲した」(リーダー作『コスチューム』ライナーノーツより)

終演後、ちょいと楽屋にごあいさつ。

「そとやまさーん」
「おー、エリイくんじゃないか!入って入って。」
(「イ」と「エ」が逆転する長岡弁の話を憶えておいでの外山氏、ありがたいことにブランドンに紹介していただきました。)

「ブランドン。紹介するよ。エリイだよ。」
「やあエリイ。はじめまして。」

そとやまさんのおかげで僕の名前はエリイに決定・・・まぁいいか。

この日の感想をブランドンに伝え、アルバムの話、ツトムさんの音の話、その他楽器談義、音楽談義などなど。
ほんの短いあいだでしたが、ブランドンと直接語り合うことができてとても楽しかった。

そして伝えたかった「あなたは世界の音楽を変えた」ということばを本人に直接届けることができ、たいへん嬉しく思いました。
(Cassandra Wilsonの有名な2枚のアルバム"Blue Light 'til Dawn"と"New Moon Daughter"でブランドンがみせた革命的なアレンジが世界中の音楽に与えた影響の巨大さについて、音楽家は思いを馳せると思います。)

あ、そうそう、次回来日時は、あの大きなクラインアコースティックをぜひ持参したいとゆーてました。

おまけ。
所有するブランドン・ロス関連アルバム13枚。

▼Brandon Ross名義:

"Costume"

▼Harriet Tubman名義:

"I Am a Man"
"Treasure Hunt for the Prototype"

▼Cassandra Wilson名義:

"Blue Light 'til Dawn"
"New Moon Daughter"
"Glamoured"

▼Henry Threadgill名義:

"Spirit of Nuff...Nuff"
"Too Much Sugar for a Dime"
"Carry the Day"
"Makin' a Move"
"Where's Your Cup?"
"Everybodys Mouth's a Book"
"Up Popped The Two Lips"

▼Kip Hanrahan名義:

"A Thousand Nights and a Night (Shadow Night - 1)"

つまり僕は大ファンなのです。

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