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『もっと面白いお芝居を
　悲劇ならこの世に溢れているもの
　わざわざ舞台までこしらえて演ることじゃないわ

　この世に生きてて出会えないものに出会いたいの
　とびきり楽しく幸せな物語わたしそんなお芝居が欲しいわ』

そうねぇ
現実が何人にとっても楽しいものなら
お芝居や演劇なんてものもここまで育って来なかったんじゃないかしら
「面白きことも無き世を面白く」
諸々の創作には全て人の切ない情熱があったのじゃなかろうか



さて
上京して４年が経ち、学んだのは人生なんて思ったほどいいもんじゃないらしいってことだ
振り返り振り返り溜息をついて
遂にはそれを嘲笑う術を身につけた
最近は酒を飲んでいる時が一番楽しい
……まあそれは言い過ぎだが

しかしこだわりというものが段々消えていったのは事実だ
～らしさとかこういう風に生きたいとか、そういうものが段々消えていった
寂しく見えるが、それで良かったのだ

だって
何をやったら正しいのか判断するには
本当に何かにずっぽり足を踏み込んでしまうのと、同じくらい時間がかかると思うのだ
だからきっと
何が正しいか判断できた頃には、その代わりに全てが手遅れになっている

臆病者が石橋を叩いて壊すくらいなら
間違っても仕方ないからその場その場で適当に生きるしかないのでしょう
誰も台本など用意していないから
「長期的な視野」などと伏線を勘ぐればどこかの鬼に笑われるのがオチ


… …
４月から大学院だ
さして周囲の環境は変わらぬ
2012年はいい年になるといいね、と言っておいて
結局色んな風邪をこじらせたまま無情に四分の一が過ぎた

こんなものか、
こんなものだ。

身の程に合った日々を歩め。