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シャッター効率について

2022年09月19日 | 機材について
ちょっと意外な記事を見かけたので紹介します。

『HSS 電子先幕シャッター』 SONY α1 ILCE-1 ボディ のクチコミ掲示板

「α1で1/3200秒や1/5000秒で日中シンクロをすると、背景に縞模様が発生する、今までのカメラだとメカシャッターにすると、問題なかったのにα1は先幕メカシャッターが無いので対応できない」というものです。当然メカシャッターをまったくもたないZ9でも同じ現象は起きるはずです。

高速シャッターなので、ストロボは高速シンクロモードで長時間発光しているわけですが、そのフリッカー現象だと思います。蛍光灯などで起きるフリッカー現象と同じ現象がそれがより高速なシャッター(1/2000秒以上)で起きているわけです。

ではなぜメカシャッターでは問題ないのでしょうか?これはシャッター効率という問題だと思われます。シャッター効率というのは主にレンズ内に組み込まれたシャッターで使われたもので、高速なシャッターにすると露光量は減っても、実際にシャッターが開いている時間がより長くなることを言います。レンズ内のシャッターは閉じた状態から、絞りのように開いていきシャッター時間後に閉じていくという動作をおこないますが、この開く時間と閉じる時間にも露光はされているわけで、シャッターが全開している時間が長いときは問題ないのですが、全開している時間がごく短くなっても開いて閉じる時間は最低必要なため、実際に露光する時間は短くなりません。
現在のミラーレスでは露光開始用の先幕、露光終了用の後幕という2つの幕を持つフォーカルプレーンシャッターですが、センサからは少し離れた位置にあるため、多少そのシャッターの像はボケるため、シャッター効率100%ではありません。つまりある一定速度以上の高速シャッターでは実質的なシャッタースピードは速くなっていません。もちろん光量調整はできているので実質的には問題は起きていません。
メカシャッターでは先幕もボケ、後幕でもボケるので問題はありませんが、先幕のみ電子シャッターとする先幕電子シャッターでは先幕はボケないので、その分光量が少なくなってしまいます。このシャッターのボケ方は入射光の角度により変化するので、玉ボケの形状が変わるといった現象が出るようです。
α1はこの現象を低減させるため、シャッター幕の速度を上げています。それもあって先幕は電子シャッターのみでメカは露光終了用の後幕しか持っていません。
シャッター効率の問題は、メカシャッターの持つ欠点なので、メカシャッターを改善して対応するというのがまっとうな対応だとおもいますが、その欠点があるため軽減される現象もあるとは思いもよりませんでした。

ストロボはデジカメになってからまったく使うことが無くなったのですが、商業撮影の分野ではその活躍の場がひろがっているようです。このあたりにも進化のネタはありそうですね。

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