議会改革/承前

冷静に戦え

あなたは応じない

2008-11-26 | NPO&協働
不正経理問題で揺れる岩手県が主催する「協働推進研修会-協働のススメ-」に行ってきました。中身はといえば北上市の「かけっこ体育館」の事例発表以外は見るべきものはありませんでした。
特に基調講演の明治大学経営学部教授の話は睡眠導入剤のようなツマラナイ話しだったで、目覚まし時計をかけて爆睡しました。

          中央の小原建設専務の小原学氏の指定管理者と地元NPOによる協働事例の発表は聞き応えがありました。他は言わずもがな。


さて先日、ごく一部を除くと断りを入れて市議会を悪し様にこき下ろしましたが、そのごく一部の良質の議員である櫻井議員の一般質問でのやりとりを抜粋して紹介します。(このブログは1万字を超えると制限されるので)
一般質問での「一問一答方式」というのは、このように展開するのだといったお手本ですね。櫻井さんクラスの能力のある議員があと5~6人いたら花巻市議会も善い方向へ転じるのだろうなあ…と思うのでありました。

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一般質問を続行いたします。
 次の質問者、櫻井肇君。(拍手)
    (櫻井 肇君登壇)
◆25番(櫻井肇君) 25番、日本共産党の櫻井肇でございます。
 本定例会に当たりましてお許しをいただきましたので、一般質問最後でありますがお聞きをいたします。お疲れのところ恐縮でございますが、最後でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 4点について、私は順次質問をしてまいります。
 まず、まちづくり基本条例についてお伺いをいたします。
 本年、3月定例会において市長提出の「まちづくり基本条例」の審議において、3点にわたって議会の修正が加えられた上で可決成立をいたしました。このことについての市長の見解を伺いたいのであります。
 この条例は、1年半にわたって条例策定のための市民会議の皆さんに真剣な議論をしていただいた上で策定会議に持ち込まれ、議案の議会への提出となったものであります。お許しをいただきまして、個人的な見解を、この際申し上げさせていただきますが、こういう経過からして、私は当初、原案には賛成する、こういう考えでおりました。が、策定会議における議事録を改めて検証した結果、修正案提出者の意見に全面的に賛同をいたしました。条例案策定に深くかかわっていただきました県立大の高橋教授の過日のお話によれば、修正案にも実は不備があり、3月定例会においては、継続審議として6月定例会で成立させる手もあったのではないかとの御指摘をいただきました。それは全くそのとおりでありますが、施行期日との関連で条例はどうしても3月定例会で成立させなければ廃案となる、そういう最悪の事態を迎えるために万やむを得ず修正の上、可決となったものであります。市当局と議会の共同によってよりよい条例にすることができたのではないか、私はこう考えておりますが、市長におかれましてはこれをどのように受けとめておられるのでしょうか。その後、御見解を伺う機会がございませんでしたので、改めてお聞きをするものであります。
 まちづくり基本条例に関して2点目は、本条例の市民への周知徹底、推進についてどうお考えでありましょうか。
 条例第15条においては市民参画、協働を推進するため、花巻市市民参画・協働推進委員会を設置するとされておりますが、その設置の状況、進捗を踏まえながらお答えをいただきたいと存じます。
 次に、防災についてお聞きをいたします。
 3総合支所に防災担当部門を設置すべきと考えておりますがいかがでありましょうか。総合支所における防災の担当業務は地域振興担当が担っていることは承知をしておりますが、それでは災害時には手不足になるということは昨年の9・17豪雨の経験で明らかではないでしょうか。この突然の災害は、特に石鳥谷地区で顕著でありました。時あたかも9月定例会の真っただ中だったのでありますが、市の業務は被害救済を最優先とし、議会の会期延長はやむなしと、私は心で思っておりました。心ざわめく中で一たん本庁へ来てみますと、どうしたことか切迫感は全く感じられませんでした。現地で職員や消防団初め災害対策の指導的立場にある総合支所長、地域振興担当も議会出席のため災害の現地を離れ、本庁に到着をしておりました。残った支所職員は大変困ったことではなかったでしょうか。
 このことで明らかなように、合併で広くなった花巻市においては、各地の災害の発生状況について事細かに本庁においてすべてを把握し適切な判断を下すことは大変困難であります。数秒の違いが市民の生命を左右することもある、これが災害であります。
 本庁からも、また常備消防本部からも遠距離にあり、さらに消防団の出初め式、訓練、こういう住民に親しまれた事業が住民からも遠ざかり、防災における住民の啓蒙に不安を感じる今、3総合支所の地域においては、総合支所に災害時における一定の権限を担った担当部門を配置すべきと考えるものですがいかがでありましょうか。

 (中略)

 以上をお聞きいたしまして一般質問を終わります。(拍手)

○議長(佐藤忠男君) 大石市長。
    (市長登壇)

◎市長(大石満雄君) 櫻井肇議員の御質問にお答えいたします。
 1件目のまちづくり基本条例についてであります。
 まず、まちづくり基本条例について修正案が可決されたが、そのことについての見解でありますけれども、この条例は御案内のとおりに市民が主役となってまちづくりを進めるための基本的なルールを定めたものであります。条例の策定に当たりましては、1年以上の期間をかけ、多くの方の御意見をいただきながら市民の手づくりで条例案をつくり上げ、最終的に議会におきましてさらに議論を深めていただき、市民、議会、そして行政がまちづくりに対する思いを共有した形で本条例が制定されたものと受けとめております。
 次に、市民への周知徹底と推進についてでございますけれども、市民の皆様が条例にうたわれている市民参画の責務と権利をよく理解され、みずから行動されることによって初めて本条例の趣旨が生きてくるものと認識しております。このため4月には、市民向けのわかりやすいパンフレットを作成し全世帯に配布いたしましたほか、市のホームページや出前講座、コミュニティ会議を初めとした地域の集まりなど、さまざまな機会を通して周知を図っているところであり、今後とも努力をしてまいります。
 また、市民との協働を進めるための担い手となる職員の意識啓発も重要でありますことから、条例の趣旨、市政への参画の手法などにつきまして、職員への周知にも取り組んでまいります。
 さらに、条例の具体的な運用に当たり、広く市民の御意見や御提案をお聞きするため「市民参画・協働推進委員会」を設置することとし、現在、公募委員を初めとする委員の選考を進めているところであります。今後は、この委員会での御意見をお聞きしながら、各種の行政計画や施策の策定に当たり、市民にとって、よりわかりやすい説明ときめ細かい意見交換を行うなど、条例の趣旨に即した市民参画と協働の取り組みを進めてまいります。
 そのほかにつきましては、教育委員会並びに関係部長から答弁いたさせます。

 -------(中略)-------

○議長(佐藤忠男君) 櫻井肇君。
◆25番(櫻井肇君) それでは、再びお聞きをいたします。
 まず、まちづくり基本条例であります。
 御承知のように、ああいう経過がありまして、連日遅くまで我々も、また当局も会議を重ねてああいう結果になったわけでございますが、その後いろいろお聞きいたしますと、この修正案を提出した議員、あるいは賛成した議員に対して、何か市長に対するこれは不信任じゃないのかということが当局のほうから言われたとお聞きをしておりますが、こういう認識なのでありましょうか、改めてお聞きをいたします。
 なぜこれを聞くかといえば、理由は後から述べます。事実だけをお聞きいたします。
 それから、推進委員会についででありますが、公募の状況について、現在何人ぐらいあるのかについてお聞きをいたします。

  -------(中略)-------

○議長(佐藤忠男君) 大山地域振興部長。
◎地域振興部長(大山拡詞君) 最初の市の見解についてのお尋ねですけれども、先ほど市長が答弁申し上げましたように、この条例につきましてはあくまでも市民手づくりの条例案だということで、いわゆる市民、あるいは行政、議会が一体となって共有する形で、あるいは皆さんが理解する形でつくり上げたという認識でございますから、私がこの間地域の総会に出席してあいさつをした際、その中で、ちょっと私はまちづくり条例のことを触れなかったんですけれども、来賓としてお見えになりました矢沢地区の議員の方が、しっかりと自分たちの条例だったと、進めるんだという観点で話しているということがありましたので、私は本当に心強いと感じました。そういう観点ですから、いずれ共有する形で皆さんの手づくりの条例という認識の中で進めていきたいと、あるいはこれからも進めたいと感じております。
 さらに、協働委員会の公募ですけれども、これにつきましては広報とか、そういったもので募りまして14名の応募がございました。これについては、いろいろな視点から公募選考を行いまして、今現在決定間近というところですけれども、おおむね5名程度の公募委員を選考したいと考えてございます。
 以上でございます。

 -------(中略)-------

○議長(佐藤忠男君) 櫻井肇君。
◆25番(櫻井肇君) 修正案可決に対する当局の、その直後のお話、議員への対応を聞いたのはこういう理由からです。
 私はその話を聞いたときに、非常にびっくりしたわけです。これは、何といいますか、これからも議会と、それから当局との関係ということで、この条例の問題にかかわらず発生するといいますか、根本的な、この議会と行政とのあり方という点でかかわってくるというので、あえてお聞きをした次第でございます。
 これは、私は何もこれを原案のとおり賛成しなかったから市長に対して文句を言ったんだとか、批判をしたのだとか、そういうとらえ方をしてほしくないということなんです。私が思っている議会改革の大事なところの一つの柱は、やはり与党こそ、これは厳しい行政の監視役であれということであります。国会、県議会と違いまして、市町村議会において、与党、野党というこのくくりが果たして妥当かどうかという疑問はありますが、わかりやすいように、この際、野党という言葉、与党という言葉を使いますけれども。やっぱりそういう点では、市長を応援しようとしまいとやはり住民の代表として、これは議会の中では、また議員としてのきちっとした対応が示されたものではないかなと思っています。ですから、今度のことをとらえて、やはりその狭く見るべきではないということで、今のような聞き方をしたわけであります。これは、すべての行政課題において共通するものであると思いますので、この際申し上げておきます。
 それから、協働推進委員会の公募の状況でありますが、今14名からの申し込みといいますか、申し出があるとお聞きいたしました。この選考の基準といいますか、選定に当たってはどのような視点で選ぶのかをお聞きをしたいと存じます。
 聞くところによりますと、これについても市政に対して批判的であるとか、そういうことを思って公募には応じないと、「あなたは応じない」と言われたという方もおるやにお聞きいたしますが、これが事実とすれば果たしてそれでいいのかということであります10万5,000人の市民がいれば10万5,000通りの考え方があると思います。34人の議員がいれば34通りの考え方があると、これは当たり前のことであって、そこには当然健全な意見、批判的な意見がある方もあるでしょう。しかし、この推進委員会に関して、これはさまざまな角度から委員を起用して、そして求めるところは市政に対してどのように考えていようと求めるところは同じなわけでありますから、その辺はいろんな意見を持つ方を委員として採用する、そういうことが結局は市のためにいいのではないかと思うわけです。少し度量の広さというものを示していただきたいわけですが、この点について、この公募についてどのように選定していくのか、あるいは障害者が入ってもいいでしょうし、そういう観点でお聞きをいたします。
 それから、14名の応募があったことは大変ありがたい話なんでありますが、果たして、公募委員がこれだけ応じている方があるのに5人でいいのかという疑問もあります。その点についてお聞きをしたいと存じます。

○議長(佐藤忠男君) 大山地域振興部長。
◎地域振興部長(大山拡詞君) それでは、公募委員へのかかわりというんですか、選考のかかわりについての御質問にお答えしたいと思いますけれども、公募に当たりましては、いわゆる公募選考要綱、あるいは要領を定めまして、今議員お話ししたように市民から幅広くご意見をいただくという視点の中でその基準を設けましてやりましたし、さらには地域性、あるいは年齢、男女別、そういった形でまず幅広く選考基準の枠を広げまして、さらには選考に当たりましては、作文をいただきまして、その考え方を伺いする中で選考委員会を設けまして、そういった形で手順を踏んでいって選考する形をとってございます。ですから、今言ったように、障害者の方とか、あるいは地域の方、地域性とかそういったものもすべて勘案する中で、選考委員会の中で議論して選考するという形をとってございますので、このまちづくり基本条例そのものが幅広い視点での市民参画という形になってございますので、そういった視点の中で、公募委員を選考するよう努めておりますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 協働委員会の人数は15人ですけれども、その中での割合としましては、公共的団体から7人、それから学識経験者を3人、そして公募委員を5人ということで、全体の3割という形で公募委員を選定いたしましたので、よろしくお願いします。

○議長(佐藤忠男君) 櫻井肇君。
◆25番(櫻井肇君) 推進委員会の件でありますが、これは今言われましたこの割合でということなんですが、私も選考に当たっての考えはそのとおりだろうと思います。であるからこそ、これは今御答弁あった点をきちっと網羅していくためにも、私は5人では不備だと、14人も応募があるわけですから、14人全部とは申し上げませんが、せめてこれを10人にするとか、そういったような考えはないのか。私はどうしても5人では不備だと思います。これからがこのまちづくり基本条例、大事なところなんです。つまり、市民が条例はできたと、しかし市民がこれをどのように活用していくのかと、どのようにまちづくりをやっていくのかという点、いろいろ今行政課題と住民との間で、いわば行き違いといいますか、対立みたいなことになっているところもあります。学校の統廃合問題がそうです。それから、これから公共交通計画、基本計画の説明が石鳥谷を除き、石鳥谷は終わりましたから、大迫、東和と移っていくわけでございますが、特に東和においては、石鳥谷とはまた違った住民の反応が当然予想されるわけです。そういったときに住民の側では、これはこの条例に基づいて我々はどう行動すればいいのか、当局ももちろんですが、そういう活用の仕方を身につけなければ、この条例は「絵にかいたもち」になると心配をするものでありますから、私はこの際、公募委員はふやすべきだと考えるものですが、再度お聞きをいたします。

○議長(佐藤忠男君) 大山地域振興部長。
◎地域振興部長(大山拡詞君) まさしくこの参画・協働委員会のその業務というんですか、議論していただく内容の中には市政への参画方法の研究・改善、あるいは市民参画と協働の推進、あるいは市民参加の評価、あるいはまちづくり基本条例の見直しとか、いわゆる、今議員御指摘のあったような中身を議論していただくということですから、今スタートラインに立ったということです。今までは、これだけの公募委員の関係につきましてはやっていなかったということで、まず今回は5名とさせていただきましょうと。それの中で、今後、この協働委員会が話し合いの中でさらに枠を拡大しましょうとか、いろんな意見がある中で、今後そういったことも視野に入れながら検討させていただきますので、よろしくお願いします。

 -------(中略)-------


○議長(佐藤忠男君) 以上で櫻井肇君の質問を終わります。
 これで本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
 御苦労さまでした。
     午後1時59分 散会

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