分散投資か、集中投資か?

2013-03-07 13:28:00 | 社長ブログ
先日、数年ぶりに弊社のかつてのクライアントさんに偶然お会いしました。

「かつての・・・」と言いますのは、色々なご相談事案でよく弊社にお越しでしたが、収益物件の投資判断で一棟物件に投資するか、色々な物件に分けて投資するかで、意見が分かれ、ご自身の投資判断で区分所有の収益物件に投資されました。

ご検討されていた案件は、あるデベロッパー(特に投資用ワンルームマンションに特化した)が販売していた区分所有物件を数十戸でした。
その時の私共のアドバイスは、集中投資つまり一棟物件の購入をお勧めしましたが、「一か所に集中するのは怖い。分散してリスクを軽減する。」というお話でしたので、何れにせよ最終判断はご自身にお任せするのが我々の役目ですから、その場合の注意点をお伝えしレポートとしてお渡ししておきました。
「ありがとう。気をつけて投資します。」と言われて、一連のアドバイスは終了しました。

その後、当初の計画通り収益物件として区分所有物件をご購入されたそうです。
しかし、それらの区分所有物件は家賃こそ入るものの当初のプランとは見込み違いでどんどん家賃が下がり放しで(空室率も上がり)、昨年夏に購入した半分の部屋を、購入価格の半値近くで売却されたとの事でした。
節税対策を兼ねて購入時に銀行での借り入れを起こされたので、売却時には抵当権抹消のためにかなりの金額を持ち出されて処分されたそうです。

本当にお気の毒なケースですが、その方には「分散投資が良いとお考えでも、区分所有マンション(投資用ワンルーム)の新築はダメですよ!」と何度も申し上げましたが、販売会社の営業マンやその会社のファイナンシャルプランナー(FP)資格者に色々言われ、最後には『乗ってしまった』と話されてました。

「今回は『良い勉強になった』。また投資用物件を新規購入したいので今度こそは『頼むよ』」と仰せでしたが、現在所有されている区分所有物件の処理が終わらない限り、新たな銀行融資は受けにくく、すぐに動けないハンディがついてしまった残念なケースでした。

投資はギャンブルとは違います。

リスクは伴うけれど、あらゆる角度からリスクを検証しコントロールして、どのようにでも対処できるようにすることが賢明な投資と考えています。

一般的に分散投資とは、「一つのカゴに卵を全て入れないこと」を意味していますが、アメリカの著名な投資家、ウォーレン・バフェット氏は「分散投資は無知に対する防衛策だ。自分の行動を理解できている人間にはほとんど意味が無い」とも「卵を一つのカゴに全部入れておきなさい。ただし、カゴをよく見張っておくんだ」と言っているそうです。

個人個人の投資スタイルが違うので、『分散投資か、集中投資か?』どちらが良いかはケースバイケースですが、ただ一つ言い切れるのは物件を見極めることは大切ですね。