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吉田! ザックのミッションと心中する必要はない‼ 過度の攻撃意識はミスを連発させる? 8/16

2013-08-17 03:36:38 | サッカー

吉田は日本のディフェンダーの中ではもっとも能力の高い選手と評価している。ただ、昔から時に集中力を欠いたプレイ(チョンボ)をする癖があった。なので、批判することはあっても褒めることはしてこなかった。しかし、吉田は懲りずに同じミスを繰り返すほど頭の悪いプレイヤーでは決してない。

同様に、栗原も吉田に次ぐ能力の高いディフェンダー(中澤・闘莉王を除いて)だ。その彼が、同じように東アジア選手権でミスを連発した。

「ウルグアイとの差は、そういうミスの差かなと思います。コンフェデレーションズカップの後なんで、今日は特に守備の部分でしっかり失点しないようにとみんなで考えてやっていたので、そこで4失点したのは、自分たちのミスが多すぎるなと感じます」・・・長谷部キャプテンの発言。

キャプテンであるなら現象だけをコメントするのでなく、その原因まで掘り下げて発言してほしい。でないと同じ過ちを繰り返すことになる。

ミス連発の原因は、「過度の攻撃意識」にある。吉田はザックが求める攻撃サッカーを忠実に具現化しようとして無理を重ねている。無理をして前へ前へ出てラインを押し上げ、ボールを高い位置でフィードしようと無理をしている。コンフェデの敗戦の責任を感じているのだろう。明らかにバランスを崩している。本来の相手フォワードとの絶妙の「間」の取り方や駆け引きのうまさが発揮されていない。

「全員攻撃→全員守備」、攻撃先にありきで10人が前がかりになる。ここでパスミスが出ると全員が前がかりになっているためカウンターを食らう。キーパーと最終ラインとの間にデカイスペースができているのでここを突かれるとひとたまりもない。

WBCで世界の頂点に立った野球の日本チームは「全員守備→全員攻撃」「守備意識」が強かった。「守備意識」が強いと1球1球のボールを大切にするようになる。集中力と注意力が増す。自ずと「球際」にも強くなりミスが少なくなる。結果、相手のミスを突いてワンチャンスをものにして接戦を制す。「個」で勝る相手を終わってみれば凌駕している。

「全員攻撃→全員守備」では、攻撃に意識が向かうあまり、どうしてもワンプレイワンプレイが雑になり、どこかでミスが生じ、前がかりになっている分そのミスが致命傷につながる。

「全員攻撃」に反対しているのではない。「全員攻撃→全員守備」ではなく、「全員守備→全員攻撃」をすすめているだけ。「守備意識」を意識すること。

「全員守備→全員攻撃」なら、無理なくバランスをとりながらラインを押し上げることができる。「守備意識」がプレイに集中力と落ち着きをもたらしミスを最小限に抑えることができる。例えミスが出たとしても、懐が深いためミスの修正が容易となる。また、柿谷や豊田のような「個」の能力の高いポイントゲッターへのロングパスカウンター攻撃につなげる「時間的空間的スペース」を作ることもできる。

私がずっと「中澤・闘莉王」の招集を言い続けているのは、彼らは指揮官の指示をそこそこに、自分たちの判断でディフェンスをコントロールできるからだ。ボランチが上がり過ぎていると「下がれ」というように臨機応変に指示ができ、自分たちの判断で「攻守」のバランスをとれるからだ。指揮官の言うとおりに操縦できないのでザックは彼らを呼ばない。己のミッションにはそぐわないから。

「攻守の切り替えを早く」と選手たちがよく言っているが、「個」の能力に勝る相手には、攻撃から守備への切り替えでは、後追いになって振り切られてしまう。ディフェンダーが相手フォワードを追っかけるぶざまな醜態をさらすことになる。

あくまでも格上相手には「守攻の切り替えを早く」が正解だ。

◇結果を出している「広島」のサッカー

「広島」のサッカーはお手本になる。ザックは「キーパーを除く10人が攻撃陣だ」というような発言をしていたが、広島は11人が攻撃選手。キーパーの西川ですら「攻撃的フィード」ができる。「全員守備→全員攻撃」「守攻の切り替え」がしっかりできているチーム。

このままザックのミッションに付き合っていると、吉田・栗原に続きディフェンダー陣に犠牲者が多発する。次は内田か今野か?

指揮官のミッションには優勝はない 8/15

2013-08-15 14:39:07 | サッカー

ワールドカップ(W杯)で優勝してほしいというリクエストは、今のところ私は受けていない。私が就任したときのノルマは、これまでどおり日本代表をW杯に出場させること、そして私が就任したときよりもチームの質を高めて、日本代表を世界の強豪との差を詰めていくこと。だから「トップに立て」というリクエストは、今のところ聞いていない。・・・ザック発言

これまでのザックの闘いの過程の中で見えてこないものがあった。釈然としないものがあった。それが、ワールドカップで具体的にどのあたりをターゲットにしているか?だった。

岡田監督からはそれが見て取れた。協会との契約の中で、「ワールドカップベスト8」を実現する。という条項が存在していたように感じていた。しかし、どうやらそれは、協会と岡田との契約内容によるものでなく、あくまでも岡田自身が自身にそして選手たちに課した個人的ノルマに過ぎなかったのかもしれない。(口にしたのはベスト4)

「私が就任したときよりもチームの質を高めて、日本代表を世界の強豪との差を詰めていくこと。」ザック発言

ビジネスの世界で、このような数字が明確ではないアナログ契約はあり得ない。デジタルの時代だ。ビジネスの世界と書いたように、それは「世界」では当然かもしれないが、日本では未だにファジーでアナログな契約がまかり通っているのかもしれない。

日本サッカー協会とはこれほどのものでしかないのか、これでは「ワールドカップで世界の頂点に立つ」ことは不可能だ。ザック交代論を唱えるより、日本サッカー協会のトップを交代させることが急務だ。組織の変革が急務だ。逆に言うと、「ワールドカップで世界の頂点に立つ」は、協会の経営陣が代わらない限り実現しない夢物語だ。

たぶんジーコの時も同じような内容で契約にこぎつけたのだろう。ワールドカップ出場を決めてからのジーコの指揮ぶりを見ていて今と同じようなもどかしさを感じていた。

「ジーコのときと同じ轍を踏む」と警告を発している人たちがいるが、私は「ザックはそうではない」とそれを否定してきたが、どうやら契約がミッションが同様であるとすれば、結果も同じになる可能性は大いにある。

しかし、金銭的経営に関してはこの協会のやり方は正解かもしれない。WBC日本代表のように、ミスのないディフェンス力で最少失点に抑えて足やバントを絡めた地味な野球で泥臭く1点差で勝つ。そんなサッカーではスタジアムを満員にすることはできない。ワールドカップで惨憺たる結果が露わとなってバレルまで、国民に期待を持たせ代表の試合でスタジアムを満員にする。ユニフォームその他のグッズも売れに売れる。

ワールドカップで現実を目の当たりにして落胆したサポーターたちの気持ちも、責任を監督に背負わせて解任し、新たにフレッシュで国民受けする新代表監督を登場させて、協会の責任論を払しょくしてしまう。外人監督でうまくいかなかったので、今度は日本人監督で と。

捨石にできる外人監督に、守備には目をつむってまず「攻撃のスタイル」を確立させて、バイバイ。次に日本人監督を登場させて、その確立されたに日本独自の攻撃スタイルに、「堅守」という仕上げを施して、ワールドカップベスト8を実現する。

おそらくその程度のシナリオを描いているのだろう。

「本田」「長友」「遠藤」「岡崎」君たちはマジで「ワールドカップ優勝」を求めていたのではないか?であるなら、真剣に怒れ!そんなザルディフェンスでワールドカップは戦えないと、コンディションのせいにしている指揮官。ワールドカップの開催の時期を考えてもベストコンディションで闘えるなどあり得ない。コンディションが悪いことは織り込み済みで勝利の方程式を作るものだ。

◇ 堅守の保証のない攻撃サッカーはあり得ない

「アンカー」を置くことも、必ずしも消極的サッカーとは言えない。アンカーを置くウルグアイは消極的サッカーなのか?堅守が保証されてこそ攻撃サッカーは成り立つ。ポゼッションサッカーは攻撃的サッカーなのか?堅守をどがえしした攻撃サッカーは子供だましに過ぎない。

ザックの暗示に乗ってはいけない。「2点取られたら3点取りに行く」・・・そうではない。ワールドカップで頂点に立ちたいのだろう?本田・長友・遠藤・岡崎 君たちにとってはラストチャンスだ。セルジオ越後氏が言うように、選手間でミーティングをするしかもう道はないかもしれない。

真剣に怒る口うるさい「闘莉王」を代表に入れることは、ザックのミッションには妨げとなる。「闘莉王」を招集しない理由もこのミッションのせいではないか?

「守備についてだが、修正することはできなかった。」ザック発言 8/14

2013-08-14 11:23:22 | サッカー

ウルグアイ戦直前インタビューでザックは「守備について、修正することができなかった。」と語った。ワールドカップで守備に不安のあるチームがベスト4まで行ったことがかつてあったのだろうか?私の記憶にはないのだが。

「柿谷・豊田・工藤・山口・青山・森重」若手新戦力の台頭と起用は、高揚感と新鮮味を醸し出してくれる。これを演出効果というが、演出効果というものは勝負の行方を左右する力を発揮することもある。岡田監督について高い評価を下し常に肯定的な見方をしているが、この演出効果で失敗したのが岡田監督だった。それは、WCフランス大会の「カズ外し」だ。

戦力を機械的に分析した結果「カズ外し」の結論が出たのであろう。これは、数学的にはあるいは論理的には正解だったかもしれない。一つのチームに二人のリーダー(親分)がいるとチームがまとまらない。戦術的にもカズスタイルではなく「ヒデー城」のチームに一本化を図ったのだろう。しかし、これは世の中に流れるムードを一気に鎮静化させてしまった。そればかりか、チーム内にも重苦しいムードが漂った。チームを一つにする狙いが裏目に出て「一丸」というムードに水を差してしまった。

テレビで岡田の「外れるのはカズ、三浦知良と北沢」を聞いた途端「まずい!」と叫んだのを覚えている。野球に詳しい方ならご存知だと思うが、WBCにおける選手構成に置いてベテラン・ムードメーカーをうまく配置して、数字には決して表れないが大きな貢献、効果を演出している。

欠点に目をつぶって長所を伸ばす。子育てにおいてもスポーツにおいても経営においても重要なことで、決してザックの戦略は間違ってはいない。守備にはタレントがおらずポテンシャルに欠けているが、攻撃にはタレントと潜在的能力がある。と就任早々日本の長所を見つけ出し、その可能性を最大限引き出すための攻撃的戦略を打ち出し、それを少しずつ少しずつ育て開花させていった。もし、柿谷がハマれば「変幻自在」日本スタイル攻撃サッカーが世界に衝撃を与えることになるだろう。それは認めている。

しかし、それとワールドカップで結果を残すこととは話が違う。長所にフォーカスしてそれを最大限強化することには大いに賛成だが、許される範囲と時間で「守備の修正」にも力を注いでほしい。穴だらけの守備ではベスト4ベスト8には食い込めない。

「守備について、修正することができなかった。」という発言は裏を返せば、ザックに守備修正の意志があるということも伺える。

東アジア選手権を通じて若手新戦力の台頭、フォワード陣には「大迫」「齋藤」「山田」などウルグアイ戦という「二次試験」に呼ばれてもおかしくないほどタレントがいるが、ディフェンス陣となるとようやく「森重」ひとりが呼ばれたにすぎない。

若手の中にいないのであれば、もう1年しかないわけだから、ベテランに食指を伸ばしても良いのではないか、確かに「吉田」と「闘莉王」とを比較したとき、パフォーマンスの落ちている闘莉王の現状と比較すると能力的には「吉田」の方が上だ。しかし、WBCでベテランをうまく噛み合わせたように、数学的に分析して力が劣るかもしれないが、ムード作り、テンションを高めるリーダーシップとか、そういった心理面を考えると、ベテランの貢献度を見過ごすわけにはいかない。

これまでのザックジャパンの失点シーンを見ていて感じるのは、まず守備の約束事「役割分担、連携、クリアー」が徹底されているのかという疑問。まさかそれは練習で確認されているはずなので、それができていることを前提に考えると、「落ち着き」「リーダーシップ」に失点の原因があるのではないかと思われる。守備におけるゴール前での「落ち着き」と「リーダーシップ」というタスクにのみ着眼してみると「闘莉王」・「中澤」といったベテランの方が上ではないか。

またザックは次のように語っている。「私自身が攻撃的サッカーを信じている。現在のチームを見ても、前線の4枚にはアタッカーを配置しているし、ダブルボランチは攻守ともに優れた選手を置いている。両サイドバックも攻撃的だし、センターバックでさえも元MFの選手で、守備専門の選手はGKしかいない。」

ならば、日本で一番の攻撃的なディフェンダー「闘莉王」をなぜ使わないのか?「中澤」も過去何度も窮地を救うゴールを決めているではないか。

試合の流れ、対戦相手によって、「吉田・今野」「中澤・闘莉王」「闘莉王・今野」を使い分けてはどうだろうか。今後早い時期の親善試合に「闘莉王」「中澤」両者を招集して試してほしい。そこで、「フィットしない」という結論が出たなら致し方ない。

ザックジャパン骨子=骨組+支柱+サブ

2013-08-13 11:42:08 | サッカー

ウルグアイ戦人選から今後のザックの選考についての考え方を探ってみよう。骨組11名支柱7名、総勢18名、これで必要十分な戦いはできる。「骨組―支柱」の関係は「レギュラーーサブ」の関係では決してない。骨組11名はザックサッカーの基本。遠藤・本田を中心としたポゼッションサッカー。それを最大限生かしつつかつそれにバラエティとオプションを加味するのが支柱の5名(キーパーは除く)。

支柱となるキーパー以外の5名。その特徴は青山を除いて複数のポジションができる「ユーティリティ性」にある。ワールドカップの登録メンバーはたった23名。試合中の交代もたった3名。したがって、ひとりで複数のポジションができることは大きな強みとなる。


「柿谷」

ワントップ、サイド、トップ下までひとりで何役もこなせる。支柱組とは言え決して彼をサブ要員とは考えていない。先発起用も当然。柿谷はやれと言われれば攻撃的ボランチすらこなせる器用さを備えている。骨組に挙げたフォワード陣に柿谷が加われば攻撃はこれで事足りる。柿谷はひとり4役も5役もこなせる。

「高橋」

高橋もユーティリティープレーヤー。全体のバランスをとるのがうまい。遠藤以上とはいかないがそのようなプレイができる。長谷部と遜色のないプレイもできる。骨組の二人を超えることはできないまでもセンターバックもそこそここなせる。

「駒野」(徳永)

駒野は高さがないことが残念だが、両サイドバックができる。しかも攻撃でも守備でも平均点以上の安定したパフォーマンスを示せる。日本代表に高さの弱点があることから、同じように安定感のある徳永も駒野に代われる支柱になり得る候補。

「森重」

高さにも強く、足元にも強いディフェンスができる。つまり、吉田と今野両者の代わりができる選手。ボランチもこなすこともできる。

「青山」

ポジションとしてはボランチしかできないが、フィジカルが強く高さにも強い。バックに吸収されても守備ができる。遠藤の代わりに入っても、視野の広さから彼独特のロングフィードやスルーパスが出せ、これまでのザックサッカーにはない攻撃のオプションを加味することができる。

同様に、長谷部に代わって遠藤と組んでも遠藤にはない攻撃の形を作る起点となり得る。遠藤の遅攻と青山の速攻とのコラボは攻撃にアクセントを与え、この二人がフィットすれば実に面白い攻撃ができる。ポジションのユーティリティー性より戦術のユーティリティー性を評価したい。


◇骨組・支柱・サブの三層構造

現段階でザックJ必要十分な骨子は、骨組・支柱合わせて18枠。残るポストは5枠と考えられる。このポストは、手薄なところに厚みを加える考え方で埋めていく。例えば、運動量が極めて多くこの18名のメンツでは補えないようなプレイスタイルをする岡崎にはサブが必要となる。そこで「工藤」。あるいは弱点とされる高さ対策には「闘莉王」を入れて厚みを加える。運動量の激しいサイドバックにもう一人「酒井高徳」を加えるなど、様々な考え方ができる。

「ザックJの骨子」タイトルにリストアップした選手は現段階のものにしか過ぎない。ウルグアイ戦で前田・中村・栗原・ハーフナー・乾・細貝・酒井などが外れたように、今後「若手」「ベテラン」を問わずポスト争いが活発化するだろう。予定されている国際親善試合の機会に何人かの選手が呼ばれ試されることになるだろう。同時に骨組の中からも何人かの選手が外れることになるかもしれない。

入れ替えを繰り返しながら今年中には、ザックジャパンの陣容がほぼ固まるのではないだろうか。11名の骨組とユーティリティー性第一の支柱組とさらにサブ組の三層で構成されるだろう。

【ウルグアイ戦】二次試験/課題『現A代表とのコラボ』『世界標準』 8/9

2013-08-10 14:49:15 | サッカー
ウルグアイ戦の招集メンバーが発表された。ほぼ  【ウルグアイ戦】二次試験! 前半柿谷/後半豊田・大迫 工藤・山口・森重の投入を 8/6 で望んだ通りの内容となった。大迫の追試が実現されなかったのは残念だが東アジア選手権を終えてA代表招集選手は? 7/30 で高く評価した「青山」が選ばれたことは実に喜ばしい。

その中で「青山」については次のように

山口(青山)

細貝が調子を落としているポジション。守備的ボランチ、ここにも守備の強化の必要性を感じる。Wボランチ両ボランチとも90分通しての落ちない運動量が要求されるが、特に守備的ボランチはディフェンスに問題を抱える現A代表にとって極めて重要である。動き回れること、最終ラインまで入り込ませない高い位置での積極的ディフェンス。シュートにつながる決定的なパッサーへの足元への体を張っての素早いアタック。東アジア選手権韓国戦の評価で「山口」を高く評価したが、「山口」の評価の40パーセントは実は「青山」の貢献にある。柿谷にラストパスを出した「青山」の視野の広さも捨てがたい。総合的に見てあるいはザックの求めるサッカースタイルから見て「青山」の貢献度も大きい。ここは「青山」が選ばれても不思議ではないが現A代表のディフェンス事情からひとりを選ぶとすれば「山口」。


と評価した。「山口」・「青山」どちらが選ばれてもおかしくないと見ていたが、両者一度にというのには驚かされた。ザックがこの「ボランチ」というポジションをいかに重視しているかが伺える。


ウルグアイ戦の狙いは、「現A代表とのコンビネーションの確立」と東アジア選手権一次試験合格者が世界に通用するかを見る「二次試験」。


◇現A代表とのコラボ

招集された東アジア選手権一次試験合格者全員がそのままウルグアイ戦に出場できるとは限らない。招集の大切な狙いのひとつは「現A代表とのコラボレーション」にある。その目的は試合に出さなくても事前合宿において試すことができる。

このタイミングで招集し、現A代表との連携や約束事をしっかり伝え実際に体感させておけば、呑み込みの早い頭の良い選手たちは、その約束事や必要とされるプレイをJリーグに持ち帰りそれを念頭に日頃の練習や試合に励むだろう。そして、今後いつ呼ばれてもフィットできるような準備を心掛けるだろう。

「柿谷」招集は、ザックのこれまでのある一辺倒の攻撃パターンに新たに「オプション」と「バリエーション」を加えるというザックのメッセージ。

ザックの攻撃サッカーは柿谷の進化によって完成される「パスサッカーだけで勝てる時代は終わった」8/2 

で次のように書いた。

パスを中心とした「ポゼッションサッカー」という遅攻と「堅守速攻」という速攻の融合がこれからのサッカースタイル。東アジア選手権での「柿谷」のパフォーマンスは、ザックの攻撃サッカー完成のためのワンピースを暗示してくれた。

中略

パスを中心としたポゼッションサッカーに、柿谷・香川をワントップに起用しての速攻によってザックの攻撃サッカーは完成される。特に柿谷は、パスサッカーも器用にこなせる才能も持っている。試合の流れ、対戦相手によって、さらにポジションチェンジも含めて巧みにパスサッカーを中心とした遅攻と手数をかけない速攻とをコラボすることができる。

もしこの攻撃スタイルが完成すれば、「攻撃」に関してザックサッカーは世界を驚かせることができるだろう。


ザックはウルグアイ戦の招集メンバー発表の席で、「変幻自在」「相手が予測できない攻撃」という言葉を発したようなことを漏れ聞いた。まさに、「柿谷」A代表招集の狙いが伺える言葉だ。ただし、それを可能とするワンピースが「柿谷」しかいないという意味では決してない。「豊田」もプレイスタイルは違うがそれを可能にするピースであり、「大迫」もまたプレイスタイルが違うがそれを可能にする。「齋藤」もいる。忘れてはならない香川もいる。(香川は今後決定力を大幅に増す。)。本田は言うまでもない。

また、「ポジションチェンジ」もザックのメッセージから読み解くことができる重要なファクター。対戦相手によるポジションチェンジつまり先発起用のオプション。試合の流れの中のチェンジ。試合中にめまぐるしくポジションチェンジをしての攻撃は、相手のフィジカルスタミナを大きく奪うことができると同時に、心理的疲労を加速させる効果も得られる。フィジカルとメンタル両面の疲労が重なるところから致命的ミスは生まれる。WC本番の過酷な気候はさらにそれを加速させる。

「変幻自在」「相手が予測できない攻撃」、以前私は「ニンジャ攻撃」というダサいネーミングをしたが、これがずっと求め続けてきた日本サッカーの形、少なくとも攻撃に関して「ジャパンスタイル」の一端がおぼろげに見えてくるはずだ。