人間、自分の意志だけで動いているのだと思うと、何か事があった場合にどうしても動揺しやすい。
けれども、もっと大きな力によって自分は動かされているのだと考えれば、それに素直に従ってゆこうということで、ある種のあきらめというと語弊はあるが、そこに一つの安心感が生まれてくる。
自分の意志で歩んでゆくことはそれはそれで必要だけれども、同時にそれと同じように、あるいはそれ以上に、一つの諦観というか、いい意味でのあきらめをもって与えられた環境に没入してゆくということが大切だと思う。
そのような覚悟が一面必要だということである。
:松下幸之助 「その心意気やよし」
そもそも、この地球上に生を受けることから物語は始まっており、そこにはまだ自分の意志はない。