西洋の基本公理では、倫理すなわち個々人の道徳は、王子にも乞食にも、富者にも貧者にも、強者にも弱者にも同じように適用されるとする。
キリスト教の伝統においては、倫理とは平等性の確認である。
神、自然、社会のいずれを創造主としようが関係はない。
適用すべき倫理は一つ、道徳は一つ、行動基準は一つである。
しかるに企業倫理はこの基本公理を否定する。
したがって企業倫理なるものは、西洋の哲学と神学にいう倫理ではない。
今日のいわゆる企業倫理論は、いかなる理由からか、倫理にかかわる一般のルールは企業に適用されないとする。
それでは企業倫理とは何か。
:「すでに起こった未来」
企業倫理も平等性の確認という基本公理を否定すべきではない。