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方針管理について

方針を,全部門及び全階層の参画の下で,ベクトルを合わせて重点指向で達成していく活動

JIS Q 9023:2018「マネジメントシステムのパフォーマンス改善-方針管理の指針」)

<解説>

1.方針を策定する。

ここで言う方針は,「トップマネジメントによって正式に表明された,組織の使命,理念及びビジョン,又は中長期経営計画の達成に関する,組織の全体的な意図及び方向づけ.」(JIS Q 9023:2018)であり,一般的には,a)重点課題,b)目標,c)方策が含まれる。

2.全員参加のもとで,全員のベクトルを合わせる。

製品・サービスの実現にかかわっている関係者全員が,自らの役割を認識し,経営目標・戦略の達成のために同じ方向性をもって積極的に参画し,寄与している.

3.重点指向で取組む。

目的や目標の達成に及ぼす影響を予測・評価し,優先順位の高い要因を絞り込む。言い換えれば,影響の小さい要因は取り上げず,影響の大きい少数の要因を選び抜く。

組織が方針管理を導入していることを標榜するならば,経営目標・戦略の確実な達成を目指した方針管理の実施において,少なくとも上記の1~3を充足しているか確認することが肝心。

 

■方針の策定における3つのポイント

1.重点課題

重点課題は,組織として優先順位の高いものに絞って取り組み,達成すべき事項を意味する。

総花的でない重点指向の方針を策定できるか否かは重点課題の絞り込みが大きく影響し,目安として3~5項目に絞り込むのがよいとされている。

2.目標

目標は、重点課題ごとに,日常管理で到達できない,現状打破の挑戦的な目標の設定がキーとなる。強いて例えるならば,柳に飛びつくカエルが3回飛んで1回飛びつけるくらいのストレッチ目標(従来比20%増,25%減など)といったイメージ。

3.方針策定で大切なこと

挑戦的な目標を達成するには,既存の業務プロセスだけでは実現できない。したがって,業務プロセスの改善に焦点を当てた新たな方策を立案する必要がある。そのためには,業務プロセスの結果に影響する要因を洗い出して重要要因を見定め,この要因の改善に着目したアイデア創出と,効果や副作用を含めた実効評価が眼目になる。

適切な方策を立案するには,調査・分析・解析などの力量を持った人材育成が要である。

 

■方針の展開における留意点

策定された方針は,組織の階層に従って下位の方針または実施計画に展開されなければ実行に移せない。

上位方針の方策を受けて,下位の重点課題と目標を明確にし,これを達成するための方策を立案する。さらに,この方策をより下位へ展開し,実施計画として具体化する。

この取組みが方針の展開と言われるものであり、方針の展開は,目標だけを下位に展開することではない点に留意を要す。

目標を達成するための方策を,それ以上は下位に展開しない段階で実施計画を立案する。

実施計画は,ある部門・課・個人が実施すべき各々の方策について,実施する項目を時系列に整理し,実行できるレベルまで具体化されている必要がある。

誰が,何を,いつ,どこで,どのように行うかなど,5W1Hを念頭に置いた要素が実施計画で明確化されないと確実な実行に結びつかない。

方針管理におけるPDCAのCheck段階で不可欠な管理項目も方針の実施準備段階で設定する。管理項目は,目標の達成状況を監視し,必要な処置をとるために選定した評価尺度であることが要件となる。

また,方策を実行するための経営資源の確保,実行段階での状況変化に対する柔軟な対応への手立ても求められる。

★【すり合わせを十分に行う】

方針の展開段階で,目的の分解,目的を構成する要素への分解,目的を達成する手段への展開,これらの組織(部門,課,個人など)への割り付けが必要になる。

これらを行ううえで,すり合わせ(キャッチボールとも言われる)が重要になる。

方針は,上位者からのトップダウンにより,目的-手段のつながりをもとに,より具体的な手段に展開される必要があります.同時に,下位者からのボトムアップにより,下位の課題・問題を上位の課題・問題へと集約されることが重要である。

すり合わせは,トップダウンとボトムアップの双方向の良好なコミュニケーションのもとで,方針の展開を確実に行うための極めて大切な役割を担っている。

すり合わせの過程で,上位の管理者,下位の管理者・担当者,関係する部門・パートナーなどが方針管理の実施にかかわる自らの役割を合意形成し,上位から下位に至る方針を一貫したものにしていく。

すり合わせがキチッとできれば,方針の展開において,上位方針から第一線までがほぼ同じ内容なってしまう,いわゆる「火の用心,火の用心,…」を繰り返して方策が具体的にならないトンネル方針をまぬがれることが可能になる。

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