花弄香満衣（はなろうすればこうえにみつ）

　世の中は花粉症の季節ですが、わたしはもう長いこと年がら年中鼻炎気味。
　花粉が飛んでいようがいまいが、鼻のとおりは悪く、モノのにおいもわからない。
　どちらかというと、外よりも家に居る時の方がクシャミがよく出たりするし。
　経験から判断すると、埃とか気温の差とかに反応している様子だ。
　職場で電話を取ると、わたしが鼻声なものだから「花粉症ですか？」「風邪ですか？」と、電話の向こうで心配してくださる方もいる。
　先日も催事の問い合わせの電話に応対した後、相手から「花粉の飛散具合はどんなです？　ひどいですか？」と尋ねられてしまった。
　その方は花粉症なので、外出するかどうか決めかねているのだとか。
　申し訳ないけれど、室内よりも屋外にいる方がクシャミの回数が少ないわたしだから、お答えできませんですよ。

　臭いや香りが感じられなくなっているから、不便なこともあるけれど、逆にストレスを感じなくてすんでることもある。
　たとえば……。
　滅多に行かないけれど、百貨店の化粧品売り場でクラクラしなくてすむとか。
　レピシエが毎月送ってくる香料のきいたお茶のサンプルも平気で飲めるとか。
　つれあいの加齢臭を気にしなくてもいいとか。
　ドリアンだって、くさやだって、平気だもんね！