今回の記事は『ゴッドファーザーPART II』(1974年、監督:フランシス・フォード・コッポラ)です。
巨匠コッポラ監督のマフィア映画の傑作『ゴッドファーザー』の続編。
亡き父のあとを継ぎドンとなったマイケルの物語と、偉大なる父ヴィトーの若き日の物語を交えて描いた重厚な作品。
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの2大名俳優の演技は絶対に必見です。
第2回午前十時の映画祭上映作品。
■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
コルレオーネ・ファミリーのドン、マイケル(A・パチーノ)は、本拠地をラスヴェガス近郊に移した。
そんなマイケルの脳裏に、父ヴィトーの偉大な足跡が思い出される……。
シチリア島で育った若き日のヴィトー(R・デ・ニーロ)は、父母と兄をマフィアに殺され、命からがらアメリカへと渡った。
やがて彼は、ニューヨークのイタリア系移民の街で職を転々としながら人望を集めていく。
そして街をあげてのお祭りの日。彼は街を仕切る悪徳マフィアのボス・ファヌッチの殺害を決行する。
今語られる父の過去。そして、残された家族の未来。
■感想
この映画は凄い。
何が凄いって、まず第一には若き日のドン・ヴィトー・コルレオーネを演じたロバート・デ・ニーロの演技が凄すぎる。
これほどまでに完璧にマーロン・ブランドの独特な口調を演じられるとは。この演技力の高さには驚愕してしまう。
この凄さを実感するためにもPARTI、PARTIIはぜひとも吹き替えではなく、オリジナル音声の字幕で観てもらいたい作品だ。
脚本・演出面もすこぶる上手い!
若き日のドン・ヴィトー・コルレオーネの物語と、ゴッドファーザーを継いだマイケルの現代の物語を交錯させながら描くことで、物語に重厚さと哀愁を実に色濃く帯びさせることに成功している。
若きドン・ヴィトー・コルレオーネの物語は、ゴッドファーザーと呼ばれる男が誕生するまでの半生が描かれる。
偉大だったドンを振り返るという形式で描かれるため、昔を懐かしむという切なさがどことなく漂う。
マイケルやソニー、フレドが子供だった時代にも掛かっており、現代では悲しい現実のため変わってしまった三兄弟を知った状態で観ると懐かしくて悲しいのだ。
現代のマイケルの物語は、時代の流れとともに変わったしまったマフィアの世界でファミリーを守るため冷徹なゴッドファーザーとして振る舞うマイケルの苦悩の物語が描かれる。
若き父のエピソードと交錯させることで時代が変わったということが切なく響き、マイケルの悲劇がより強調されている。
ファミリーを守るために冷徹になるマイケルから彼の大切な家族が次第に離れていく。これはどんなに悲しいことだっただろうか。
下記、具体的にエピソードに触れているためネタバレ反転としました。構わない人だけ反転させて読んで下さい。
(マイケルがケイから堕胎の真実を聞かされたシーンはあまりに辛すぎるだろう。ケイがマイケルに言い放ったセリフはこれ以上の切れ味はない程の鋭さで彼の心に生涯残る傷を刻む。
その後の子供たちにこっそりと面会に来ていたケイが、マイケルに見つかり、無言のままケイの面前の扉を閉めるシーンのピリピリした空気感は凄まじかった。マイケルの怒りと悲しみがこれでもかというほどに映画の空気としてその場を支配していた。
兄・フレドとのエピソードも悲しかった。
兄の裏切りを知ったマイケルはフレドとの面会を拒絶する。
母の葬儀の日にもフレドと顔を合わせることを嫌がり、フレドの前に姿を表すことのなかったマイケルだが、妹のコニーに説得され、フレドと久しぶりに面会する。
このシーン、二人が熱い抱擁を交わすシーンで最高に感動できる場面になり得ただろう。しかしこの時すでにフレドを始末することを決めていたマイケルの真意を知ると、全く異なる意味を持ちこの感動的なシーンは胸に突き刺さってくる。
多くの死が続けざまにショッキングに描かれるクライマックの中で、唯一引きのアングルからでのみ描かれるフレドの死は静かな描写であり、冷徹なマイケルの表情と重なり何ともいえない悲しい気持ちでいっぱいになる。
その後は再び過去に物語が戻り、父・ヴィトの誕生会のシーンで成長した三兄弟(前作『ゴッドファーザー』の少し前ぐらいの時間軸)が再び集う。
マイケルの海軍入りを厳しく非難する兄のソニー。父がどれだけマイケルに対して期待をかけていたのかを語る側近のトム。そんな中にあってただ一人だけマイケルの決断を支持してくれるフレド。
失われたかつての日々は切なく苦い味を胸に刻みこむ。
そしてまた現代へと物語は戻り、全てを終えて一人座り込むマイケルの孤独な姿に虚無と老いを滲ませたラストカットは、強烈な悲しみを伴う余韻をいつまでも胸に残し続ける。
なんて見事な構成なのだろう。)
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロ、二人の名優が共演した本作は歴史に残る傑作です。
時間軸が異なるため、この二人の名優が同じ画面に映るシーンはないのだけれど、卓越した二人の演技は本当に素晴らしい。
まさに午前十時の映画祭のキャッチコピーの通りの「何度見てもすごい映画」の1本となっている。
『ゴッドファーザーPART2』は、物語が緻密に深く、二つの時間軸の物語を交えた構成をとっているため、複雑な部類の映画だと言えるでしょう。
なので初見だけだと分かりにくい箇所もおそらく多い。
何回か観て理解を深めたり、wikipediaあたりで補足を読むと良いかもしれない。
ちなみに初見だった僕もギアリー上院議員の件などあまり分かってなかった箇所が多数ありました。
(今回のレビューはそれっぽく書いてますが、かなりの知ったかぶり文なのでその点ご了承下さい)
⇒Wikipedia(ゴッドファーザー PART II)作品ページ
※かなり細かくストーリーが書かれています。完全ネタバレなので注意!
↓予告編・字幕なし
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)
■Link
+⇒公式HP(Japanese)※午前十時の映画祭特設ページです。
+⇒ゴッドファーザーPARTII - goo 映画
+⇒第2回午前十時の映画祭レビュー記事一覧
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巨匠コッポラ監督のマフィア映画の傑作『ゴッドファーザー』の続編。
亡き父のあとを継ぎドンとなったマイケルの物語と、偉大なる父ヴィトーの若き日の物語を交えて描いた重厚な作品。
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの2大名俳優の演技は絶対に必見です。
第2回午前十時の映画祭上映作品。
■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
コルレオーネ・ファミリーのドン、マイケル(A・パチーノ)は、本拠地をラスヴェガス近郊に移した。
そんなマイケルの脳裏に、父ヴィトーの偉大な足跡が思い出される……。
シチリア島で育った若き日のヴィトー(R・デ・ニーロ)は、父母と兄をマフィアに殺され、命からがらアメリカへと渡った。
やがて彼は、ニューヨークのイタリア系移民の街で職を転々としながら人望を集めていく。
そして街をあげてのお祭りの日。彼は街を仕切る悪徳マフィアのボス・ファヌッチの殺害を決行する。
今語られる父の過去。そして、残された家族の未来。
■感想
この映画は凄い。
何が凄いって、まず第一には若き日のドン・ヴィトー・コルレオーネを演じたロバート・デ・ニーロの演技が凄すぎる。
これほどまでに完璧にマーロン・ブランドの独特な口調を演じられるとは。この演技力の高さには驚愕してしまう。
この凄さを実感するためにもPARTI、PARTIIはぜひとも吹き替えではなく、オリジナル音声の字幕で観てもらいたい作品だ。
脚本・演出面もすこぶる上手い!
若き日のドン・ヴィトー・コルレオーネの物語と、ゴッドファーザーを継いだマイケルの現代の物語を交錯させながら描くことで、物語に重厚さと哀愁を実に色濃く帯びさせることに成功している。
若きドン・ヴィトー・コルレオーネの物語は、ゴッドファーザーと呼ばれる男が誕生するまでの半生が描かれる。
偉大だったドンを振り返るという形式で描かれるため、昔を懐かしむという切なさがどことなく漂う。
マイケルやソニー、フレドが子供だった時代にも掛かっており、現代では悲しい現実のため変わってしまった三兄弟を知った状態で観ると懐かしくて悲しいのだ。
現代のマイケルの物語は、時代の流れとともに変わったしまったマフィアの世界でファミリーを守るため冷徹なゴッドファーザーとして振る舞うマイケルの苦悩の物語が描かれる。
若き父のエピソードと交錯させることで時代が変わったということが切なく響き、マイケルの悲劇がより強調されている。
ファミリーを守るために冷徹になるマイケルから彼の大切な家族が次第に離れていく。これはどんなに悲しいことだっただろうか。
下記、具体的にエピソードに触れているためネタバレ反転としました。構わない人だけ反転させて読んで下さい。
(マイケルがケイから堕胎の真実を聞かされたシーンはあまりに辛すぎるだろう。ケイがマイケルに言い放ったセリフはこれ以上の切れ味はない程の鋭さで彼の心に生涯残る傷を刻む。
その後の子供たちにこっそりと面会に来ていたケイが、マイケルに見つかり、無言のままケイの面前の扉を閉めるシーンのピリピリした空気感は凄まじかった。マイケルの怒りと悲しみがこれでもかというほどに映画の空気としてその場を支配していた。
兄・フレドとのエピソードも悲しかった。
兄の裏切りを知ったマイケルはフレドとの面会を拒絶する。
母の葬儀の日にもフレドと顔を合わせることを嫌がり、フレドの前に姿を表すことのなかったマイケルだが、妹のコニーに説得され、フレドと久しぶりに面会する。
このシーン、二人が熱い抱擁を交わすシーンで最高に感動できる場面になり得ただろう。しかしこの時すでにフレドを始末することを決めていたマイケルの真意を知ると、全く異なる意味を持ちこの感動的なシーンは胸に突き刺さってくる。
多くの死が続けざまにショッキングに描かれるクライマックの中で、唯一引きのアングルからでのみ描かれるフレドの死は静かな描写であり、冷徹なマイケルの表情と重なり何ともいえない悲しい気持ちでいっぱいになる。
その後は再び過去に物語が戻り、父・ヴィトの誕生会のシーンで成長した三兄弟(前作『ゴッドファーザー』の少し前ぐらいの時間軸)が再び集う。
マイケルの海軍入りを厳しく非難する兄のソニー。父がどれだけマイケルに対して期待をかけていたのかを語る側近のトム。そんな中にあってただ一人だけマイケルの決断を支持してくれるフレド。
失われたかつての日々は切なく苦い味を胸に刻みこむ。
そしてまた現代へと物語は戻り、全てを終えて一人座り込むマイケルの孤独な姿に虚無と老いを滲ませたラストカットは、強烈な悲しみを伴う余韻をいつまでも胸に残し続ける。
なんて見事な構成なのだろう。)
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロ、二人の名優が共演した本作は歴史に残る傑作です。
時間軸が異なるため、この二人の名優が同じ画面に映るシーンはないのだけれど、卓越した二人の演技は本当に素晴らしい。
まさに午前十時の映画祭のキャッチコピーの通りの「何度見てもすごい映画」の1本となっている。
『ゴッドファーザーPART2』は、物語が緻密に深く、二つの時間軸の物語を交えた構成をとっているため、複雑な部類の映画だと言えるでしょう。
なので初見だけだと分かりにくい箇所もおそらく多い。
何回か観て理解を深めたり、wikipediaあたりで補足を読むと良いかもしれない。
ちなみに初見だった僕もギアリー上院議員の件などあまり分かってなかった箇所が多数ありました。
(今回のレビューはそれっぽく書いてますが、かなりの知ったかぶり文なのでその点ご了承下さい)
⇒Wikipedia(ゴッドファーザー PART II)作品ページ
※かなり細かくストーリーが書かれています。完全ネタバレなので注意!
↓予告編・字幕なし
映画データ | |
---|---|
題名 | ゴッドファーザーPART II |
製作年/製作国 | 1974年/アメリカ |
ジャンル | ドラマ/犯罪 |
監督 | フランシス・フォード・コッポラ |
出演者 | アル・パチーノ ロバート・デュヴァル ダイアン・キートン ロバート・デ・ニーロ ジョン・カザール タリア・シャイア リー・ストラスバーグ マイケル・V・ガッツォ マリアンナ・ヒル ハリー・ディーン・スタントン ダニー・アイエロ ジェームズ・カーン トロイ・ドナヒュー ジョー・スピネル G・D・スプラドリン リチャード・ブライト ガストーネ・モスキン エイブ・ヴィゴダ ジャンニ・ルッソ、他 |
メモ・特記 | 第2回午前十時の映画祭上映作品 原作:マリオ・プーゾ PG12指定 シリーズ第2作 アカデミー賞:作品賞・助演男優賞(R・デ・ニーロ)・監督賞・脚色賞、他6部門で受賞 全米批評家協会賞:監督賞・撮影賞受賞 英国アカデミー賞:主演男優賞(A・パチーノ)受賞 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
■Link
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いつもお世話になっております。
私は、bestmaniaというウェブサイトを運営しているものでして、こちらのブログ de ビューさんのブログにはよく訪れさせて頂き、ファンとしてよく利用させて頂いております。いつも、誠にありがとうございます。
我々の紹介で恐縮ですが、我々が運営しておりますbestmaniaにおきましては、約120万名ものユーザーがおすすめの映画・DVDなどをbest3という形で投稿するサイトであり、映画・DVD関連のサイトのなかでは、国内最大級の投稿規模になる、実に約60万件ものおすすめ情報やレビューを投稿しております。
(投稿例)
家族や友人の人間関係ものが大好きな人におすすめ!どこにぶつけてかいいわからない感情が湧き出て、気がついたら泣いてしまう映画Best3!
http://www.bestmania.com/best3/06073836489113089736/
この度は、ブログ de ビューさんのページを拝見させて頂きまして、我々のウェブサイトとの相互リンクをして頂けないかというお願いでご連絡を差し上げました。
bestmaniaにおきましては、「厳選!映画関連ブログ」の1つとして、ブログ de ビューさんを既に紹介させて頂いております。
参考URL: http://www.bestmania.com/link/list/?id=dvd_blog
尽きまして、もしよろしければ相互リンクという形で我々もリンク集の1つに加えていただくことは可能でしょうか?
以上、ご多用中誠に恐縮ですが、下記情報をご参考に頂きまして、リンク情報掲載のご検討をくださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
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