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今回の記事は『インセプション』(2010年、監督:クリストファー・ノーラン)です。
あの『ダークナイト』のクリストファー・ノーラン監督が自ら書き下ろしたオリジナル脚本を、レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙をはじめとする豪華キャストで映画化したSFクライム超大作。
想像を超える夢世界の映像は迫力満点です!
日本人として最も嬉しかったのは、渡辺謙がほぼ出ずっぱり(しかもサブキャストの中では最も良い役)というびっくり起用!
2010年夏映画では一番の壮大さを誇る映画だったと思う。
■内容紹介 ※goo映画より
人がもっとも無防備になる夢を見ている間に、潜在意識の奥深くに入り込み、貴重な情報を盗む“エクストラクト”。
この危険な技術で世界最高の腕を持つ産業スパイのコブは、反対にアイデアの芽を潜在意識に植え付ける“インセプション”の依頼を受ける。
このほぼ不可能とされる任務を成功させるため、コブは世界中からメンバーを厳選し、最強のプロフェッショナル集団を結成する。
だが彼らがいくら周到に計画を立てようが、どれだけ優れていようが、計画を根底から揺さぶる“敵”の存在を、コブはひそかに感じ取っていた…。
犯罪現場は、
お前の頭の中。
■感想
えーレビューが遅れております。
この映画、夏に観たけど、レビュー書くのがもう秋だよ。どんだけ遅いんだ…。
ということは置いといて感想へ。
この映画はなかなか難解な部類の映画に入ると思います。
話の展開が分かり難い為、ついて行くのがけっこう大変です。
その起因となっているのがやっぱり世界観が非常に緻密に練りこまれており難解だから。
おそらく1回観ただけでは映画の世界観を完全に理解することは不可能です。
けれどまったく理解不能という類のものではないので安心してください。
たとえ初見でも、なんとなく、それとなく映画が描く世界、物語というものを感じ取れるはずです。
(こんなえらそうなことを書いてる僕も1回しか観ていないので映画の理解度は低いだろうということは断っておきます)。
ただし、難解さ故に映画の壮大さは格別級のものに仕上がっています。
これは2010年夏映画の中では屈指だったんじゃないかと思います。
その壮大な世界を表す映像表現はイマジネーションに溢れていてとにかく凄い。
視覚、重力、時間といった概念が消し飛んでしまう。
この想像を超える夢世界は一度は体験してみる価値はあるでしょう。
主役のコブを演じたレオナルド・ディカプリオ。
役柄的には『シャッターアイランド』のテディにものすごい似ている。
境遇も性格も。
こういうハードで複雑な役を見事に演じきるディカプリオはやっぱり凄いなぁと思います。
『インセプション』でも少しひねた、自信家のコブを上手く演じています。
最近のディカプリオは心の闇を抱えた役柄を好んで演じている気がする。
コブもやはりあることがきっかけで心の中に暗い想いを閉じ込めた人物です。
苦悩や戸惑い、危うさ、暗さ、そして優しさと曲げない意志。
それらをしみじみ観客に感じさせるコブは魅力的です。
(僕自身がディカプリオのファンだからという意見もちらほら…)
とは言え、映画で一番驚かされ、また嬉しかったのは渡辺謙さんでしょう。
何しろ渡辺謙さん演じるサイトーはちょっとだけ出てくるサプライズ的な役ではなく、最初から最後までほぼ出ずっぱりという大役だから。
しかもとっても良い役です。
サブキャストの中では最も印象に残る役だったはず。
何てったって終盤の締めに関わってきますからね。
謙さん目当てでこの映画を観た人は、予想より一段二段上をいく嬉しい驚きを体験できると思います。
不思議な迫力と、基本悪い人っぽい役なのに良い人を感じさせる好感があって、ある意味、ディカプリオ以上に魅力を感じるかもしれません。
さすがはディカプリオが“日本の宝”と言ったほどの俳優です。
その演技力とオーラは並々ならないものがある。すごい。
下記結末部分について思ったことをつらつら書いてます。
ネタバレを含むので反転させています。
(ディカプリオ演じるコブが亡き妻と夢の世界で生きる道ではなく、辛い現実を受け入れ現実へと戻る道を選んだのは良かったです。
妻に決別を言い渡すシーンは切なくて胸に響きました。
(ガレリアンズ:アッシュを少し思い出した。このゲームにもヒロインの幻影の首を絞め現実へ戻ってくるシーンがあります。)
夢の安息を取るか、辛い現実を受け入れるか。
あそこまでリアルな夢ならば夢の中に取り込まれてもいいんじゃないか。
そこには自分の望むものがあるのだから。
そういう迷いは生じるだろうし、とても誘惑的だと思う。
けれどどんなにリアルで当人にとっては現実に思えたとしても、夢は夢でしかない。
自分以外にとっては夢でしかない。
そこは自分ひとりの世界でしかない。
だから悲しい現実を抱えながらも、現実で生きなければならないのだ。
最後、コマ?が倒れるかどうか(コブが帰った世界が現実か夢か否か)について観客に判断を委ねているけど、おそらく倒れたんだと思います。
だからコブは現実へと戻ってこれたのだと思います。
(監督も倒れる寸前、倒れる予兆まで描写しているのでこれで正解だと思う)。)
映画データ | |
---|---|
題名 | インセプション |
製作年/製作国 | 2010年/アメリカ |
ジャンル | SF/サスペンス/アクション |
監督 | クリストファー・ノーラン |
出演者 | レオナルド・ディカプリオ 渡辺謙 ジョセフ・ゴードン=レヴィット マリオン・コティヤール エレン・ペイジ トム・ハーディ ディリープ・ラオ キリアン・マーフィ トム・ベレンジャー マイケル・ケイン ピート・ポスルスウェイト ルーカス・ハース タルラ・ライリー ティム・ケルハー マイケル・ガストン、他 |
メモ・特記 | 特になし |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒インセプション - goo 映画
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ただ、夢の中が何層にもなって、時間もそれによって、ズレるのが、ちょっと難しいかもしれませんね。
渡辺謙さんの今後の活躍にも、期待大ですね。
この映画は物語の世界観が壮大だったため難解って感じたのかな。
少なくとも観終わった後に「?」とはならなかったので難解とはちょっと違うのでしょうか。
難解というより、…複雑?
渡辺謙さんは最近、ダースベイダーとの絡みのCMがけっこう好きです。
ダースベイダーがそうとう不器用に見える…。