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ねらわれた学園(映画)

2013-04-08 00:10:00 | 映画
今回の記事は『ねらわれた学園』(2012年、監督:中村亮介)です。
これまで多数映像化された眉村卓の同名ベストセラー青春ファンタジーをサンライズ制作で初のアニメ映画化した作品。
鎌倉の中学校を舞台に、謎の転校生の登場をきっかけに不可解な事件に巻き込まれていく男女の青春模様を切なく瑞々しく描く。
AKB48の渡辺麻友が初主演声優としてヒロイン役に抜擢されたことでも話題になった作品です。

■内容紹介 ※Movie Walkerより引用 Link
古都鎌倉。
中学二年生に進級した始業式の日、関ケンジ(声:本城雄太郎)は、朝の海で、密かに好意を寄せていた生徒会書記・春河カホリ(声:花澤香菜)と初めて言葉を交わす。そんな彼を幼なじみでカホリの友人でもある涼浦ナツキ(声:渡辺麻友)は、複雑な思いで見守っていた。
その後、ケンジは、高台で桜の花びら受けながらまるで風を操るように立っていた少年と遭遇。その少年に何か不思議なものを感じるケンジだったが、彼との再会は思ったより早く訪れる。
ケンジたちのクラスにやってきた転校生・京極リョウイチ(声:小野大輔)、彼こそがその少年だった。

チカラをください――

季節《とき》が過ぎて、
僕らは
キセキの意味を知る――


ねらわれた学園

ねらわれた学園

ねらわれた学園

ねらわれた学園


■感想
4月。goo映画は予告通り映画データベースサービスを終了。作品情報ページ自体がもう無くなっています。
うちのブログとしてはずっと映画レビュー記事はgoo映画のページにリンクを貼りつつ、書いてきていたので寂しい気持ちは大きい。
けれど終わってしまったものは仕方がない。

という個人的心情はさておいてメインの感想を。

『ねらわれた学園』。この作品の原作は眉村卓のベストセラーSF小説であり、1982年には大林宣彦監督・薬師丸ひろ子主演で実写映画化され大ヒットした作品らしい。
僕は原作も1982年の映画も知らないので、今回の『ねらわれた学園』のアニメ作品がどういう関連があるのかは分かっていない。
けどwikipediaなどを少し読んでみた印象としては、リメイク作品というわけではなく、新解釈で続編を描いた作品なのかもと思った。それも完全な続編というわけではなく、if的な要素を色濃く持った続編。(違ってたらごめんなさい)

このアニメ版『ねらわれた学園』の雰囲気としては、アニメ作品なので当たり前なのですが、本当にアニメ・アニメした作品でいかにもアニメ。
なので苦手な人は苦手かも。

絵はすごく綺麗。人物、背景に至るまで丁寧に書き込まれていて色彩もびっくりするぐらい綺麗。
かつ、舞台が架空の街とかではなく鎌倉なので、鎌倉(主に江ノ島ですが)に行ったことがある人なら「おお!」となるかもしれない。

登場人物はケンジ、ナツキ、カホリ、京極の4人を主人公扱いとして、彼らの揺れ動く心情を丁寧に描いています。
キャラクター立ちもしっかりしているので観ていて面白かった。
けど個人的には感情移入はしずらかった。
それでも恋愛感情、特に片思いという切ない気持ちの描き方は上手くて、観ていてドキドキしてしまう。
あまりにもどストレート過ぎて赤面してしまいそうなぐらいだった。とにかく青春まっしぐら。

全体的に世界観はつかみ難かった。
前半は完全に青春ものなのですが、中盤ぐらいからサスペンスに、終盤にはSFになるかなり凄い内容だった。
ただ置いてけぼりをくらうようなことはなく、細かくは分からなくても“分かる”作品にはなっていたので、その辺は気にはなりません。

ヒロインの声を演じたAKB48の渡辺麻友は今回初主演声優ということですが上手いです。違和感は全く無いし、ナツキのキャラに凄く合っていたようにも思います。
ただエンディングテーマだけは正直微妙で、どう考えてもオープニングのsupercellの方が良かった。supercellの銀色飛行船は本当にこの映画のために作られた曲としか思えないぐらい映画にぴったり歌詞が合っているので。

ラストはけっこう好き。
エンドロール後にも続きがあるので絶対にそこまで観なきゃ損です。じゃないと後味悪い映画になってしまいます。エピローグまで観るとハッピーエンドになるという仕掛けがあるのでぜひ最後まで観ましょう。

鑑賞後時間が経つほどに良い映画だったと思えてくる。
鑑賞直後はそれほどの好印象はなかったのですが、時間経ってから思い返すほどにじわじわと良い作品だと思えてきて、最終的に2012年のブログdeビュー大賞の特別枠に選んでしまった程です。
これは『ある日どこかで』に匹敵するぐらいと書くとちょっと言いすぎかもしれませんが、近いものがある気はする。
ただこの辺りは個人の好みの問題によるところが大きそうで、全ての人が評価急上昇とはならないかもしれない。
あくまでうちのブログの感想は個人の感想として受け取って下さい。

■登場人物ちょいメモ(カッコ内は声の出演)
関ケンジ(本城雄太郎)
…鎌倉に住む中学二年生。ナツキとは家が隣同士で幼なじみ。
裏表がない性格で単純といえば単純、立ち位置も完全に三枚目ポジション。カホリに想いを寄せている。
実は自身も知らない(というか忘れている)意外な能力を持つ。

涼浦ナツキ(渡辺麻友)
…ケンジの幼なじみの同級生。あまりにも近い存在すぎて戸惑っているが、ケンジに想いを寄せている自分の気持ちに気づいていく…。
活発ながら繊細な心の持ち主。まさかの中盤の展開は本当に幸せそうで、だからこそ終盤のシーンは尋常じゃないぐらい切ない。そこに来てこのラストという三段構えはもう完璧としか言えない。(何だか人物紹介になってない…)

春河カホリ(花澤香菜)
…ケンジ、ナツキと同じ中学に通うクラスメート。生徒会では書記を勤めている。おっとりした性格だが趣味はサーフィンという意外とアクティブな一面もある。恋愛に関してもナツキよりも積極的だったと言える。
想いを寄せる主人公ではなく、謎めいた転校生に惹かれていくというよくある理不尽な気持ちを抱く。3人の中では物語の真相にいち早く気づき最も苦しんだ人物かも。結ばれない恋。これってあまりにも悲しい。

京極リョウイチ(小野大輔)
…謎の転校生。彼が転校してきてから不思議な事件が起こり始める。
彼の正体=物語の核心に繋がるため多くは書けない。物語を恋愛青春モノからSFサスペンスに変えたのはこの人であり、超展開要因。
冷酷そうな表情の奥に、葛藤と優しさを隠し持った女子人気が高そうな2枚目キャラです。ケンジ、そりゃ勝てないって。

山際ゆりこ(戸松遥)
…携帯電話事件を起こし不登校になった女子生徒。嵐の夜に海に身を投げようとしているところを京極に見つかり、残酷な言葉をかけられ、吹っ切れる。
以降キャラチェンジを図り、学園の中心的・裏黒幕的な存在へと変わり、再デビューを果たす。
…なんて誤解しか招かない説明を書いてみる。上の紹介文、8割がた嘘です。

関耕児(内田直哉)
…ケンジの祖父。京極を知っているようであり意味深。物語の真相を全て知る人物。
実は『ねらわれた学園』オリジナル作品における主人公という隠し設定あり。当作品内ではその辺は一切語られない為、オリジナルを知ってる人か調べた人しか分からない。

■予告編


映画データ 
題名 ねらわれた学園 
製作年/製作国 2012年/日本 
ジャンル 青春/ファンタジー/ミステリー/アニメ 
監督 中村亮介 
声の出演 渡辺麻友
本城雄太郎
小野大輔
花澤香菜
戸松遥
平田広明
内田直哉
木内秀信
木村良平
石川由依、他 
メモ・特記 原作:眉村卓
OPテーマ:supercell、EDテーマ:渡辺麻友 
おすすめ度★★★★
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese)

+⇒2012年映画レビュー記事一覧

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