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今回の記事は『エアベンダー』(2010年、監督:M・ナイト・シャマラン)です。
ハリウッドを代表するストーリーテラーのM・ナイト・シャマラン監督が初めてオリジナル脚本ではなく原作のある物語に挑戦したファンタジック・アクション・アドベンチャー。
氣・水・土・火の4つのエレメントを操るベンダーたちを描いた映像はファンタジックで迫力がありました。
■内容紹介 ※goo映画より
かつて世界は、4つの王国-氣、水、土、火-によって均衡を保っていた。
各国には、それぞれ4つのエレメントを操る能力を持つ“ベンダー”が存在し、彼ら“ベンダー” の中で、すべてをマスターした者が“アバター”と呼ばれていた。
その“アバター” によって世界の秩序は保たれ、人々は平和に暮らしていた。
火の王国が反乱を起こすまでは……。
世界に調和をもたらすことができる存在“アバター” になるべくこの世に生を受けた選ばれし者、それは、「氣の王国」最後の生き残り、“エアベンダー” のアンだった。
そして今、世界の命運をかけた壮大なトリロジーが始まる……。
4つの王国。
1つの運命。
世界最後の希望は
この選ばれし者に託された──。
■感想
M・ナイト・シャマラン監督が初めて手掛ける本格ファンタジー・アドベンチャー。
この作品はシャマラン監督のオリジナルではなく、アメリカの人気TVアニメ「アバター 伝説の少年アン」が基となっています。
で、そのアニメが放送されている本場アメリカでは、シャマラン監督のこの映画はそうとうに酷評されたようです。
物語の重要なシーンをカットし、魅力的な登場人物も削っているとか何とかで、ファンの怒りを激しく買ったようです。
なもんだから、正直この映画は観に行こうかどうか迷った。
けど、シャマラン監督は好きな監督の一人なのでやっぱり観に行った。
観終えた率直な感想としては、そんなに酷評されるほど酷い作品だったとは思いません。
むしろけっこう面白かったと思う。
確かに今までのシャマラン監督の映画にあったような凝ったシナリオはない。
けれど物語自体は面白く、エレメントを操る映像も見応えがあった。
原作アニメを知らない人なら十分楽しめる映画だったんじゃないかと思います。
頭に矢印な一休さん的な主役のアンを演じたノア・リンガーはこの作品が初主演。
テコンドーで黒帯を持っているという本人の特技がイメージに合うと大抜擢されたそうです。
確かにカンフー(太極拳?)を思わせるややスローな流れるような舞踏は惹きつけられるものを感じました。
またアン自体が持つ不思議な魅力もよく出せていたんじゃないかと思う。
真面目、弱気、使命感というものを併せ持ってるアンは好きになれました。
(ちなみに映画のアンは原作とはけっこう違う人物像らしいです)
最後、みんながひれ伏すシーン。アン自身はきっと望んではいなかったんだろうな。
ただ、アン以外の人物がいかんせん弱い。
おそらく主要登場人物であろうサカとかまるっきり魅力を感じられない。
ズーコ王子もはっきりとせず、今作ではいまいち。
アンと同程度かそれ以上の苦悩を抱えているのだろうけれど、アンほど魅力を感じられなかった。
カタラに関しては可愛かったので良しとします。(おい)
この辺りが、原作ファンから酷評されている一因なんだろうなー。
シャマラン監督一番の不運はジェームス・キャメロン監督の『アバター』が大ヒットしてしまったことかもしれない。
タイトルになってる“エアベンダー”は氣のエレメント使いという意味であって、本来の選ばれし者の意味である言葉は“アバター”である。
けれどアバターはタイトルに使っていない。
これはキャメロン監督の『アバター』を意識してのことだろうし誤算だったと思う。
映画の終わり方を見るかぎりだと明らかに物語は途中で終わっている。
アメリカでは大不評だったこの映画、果たして続編は作られるのか?
シャマラン監督自身は続編に意欲的とのことなので、ぜひ完結まで作ってくれることを信じたい。
映画データ | |
---|---|
題名 | エアベンダー |
製作年/製作国 | 2010年/アメリカ |
ジャンル | アドベンチャー/ファンタジー/アクション |
監督 | M・ナイト・シャマラン |
出演者 | ノア・リンガー デヴ・パテル ニコラ・ペルツ ジャクソン・ラスボーン ショーン・トーブ アーシフ・マンドヴィ クリフ・カーティス セイチェル・ガブリエル フランシス・ギナン デイモン・ガプトン サマー・ビシル ランダル・ダク・キム ジョン・ノーブル、他 |
メモ・特記 | 原作『アバター 伝説の少年アン』※アニメシリーズ |
おすすめ度 | ★★★★ |
■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒エアベンダー - goo 映画
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映画が酷評されていたことも、知りませんでした。
日本でも、アニメの実写化は、アニメ原作ファンに認めてもらうのは、なかなか厳しいので、米も同じなんでしょうね。
映画しか知らない私も、ichi-kaさん同様に、楽しめましたけど。
原作アニメも見てみたい気がします。
削られたキャラとかも、気になりますね。
「映画は原作を超えられない」とはよく言われますからね。
それでもマーベルの実写化にはそれほど大批判ってなかった気がします。
それだけこの作品はファンが根強いのかもしれません。
それともシャマラン監督がものすごいはしょり方をしたのか。
僕も原作は観たことないので詳しくはわかりません。
映画自体は楽しかったと思うけど。