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ディーバ(映画)

2011-04-03 19:09:25 | 映画
今回の記事は『ディーバ』(1981年、監督:ジャン=ジャック・ベネックス)です。
ジャン=ジャック・ベネックス監督の長編デビュー作であり、緊迫感溢れるサスペンス・スリラーと美しいラブ・ロマンスの両方の要素が楽しめる名作。
独特のお洒落な雰囲気に溢れている映像美は流石はフランス映画といったセンスの良さです。
第2回午前十時の映画祭上映作品。

■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
シンシア・ホウキンズ(W・フェルナンデス)は、世界最高の声の持ち主といわれている黒人のオペラ歌手。
そんな彼女の大ファン、ジュール(F・アンドレイ)は、郵便配達を勤める18歳の青年。
彼女のアリアを盗み録りしたテープと、地下組織の秘密の暴露テープを巡って彼はパリの街を逃げ惑うことになる……。

あこがれの女神<ディーバ>の歌声を盗んだことから始まる逃避行
純粋な青年の想いがパリの街を疾走する


ディーバ

ディーバ


■感想
ようやく第2回午前十時の映画祭のレビューへ着手です。
好評につき第2回の開催と、第1回上映作品の再上映が決まった午前十時の映画祭。
第1回の上映作品が本当に素晴らしかったのでその期待は大きいもので楽しみにしていました。
しかし今現在(2011/04)、関東以東の多くの劇場では震災により破損した施設の安全改装や計画停電の影響により上映スケジュールの変更・見合わせが余儀なくされている。
僕も第2回午前十時の映画祭を観れたのは第5週までです。
今の状況だと5回まででレビューは止まってしまうのですが、とりあえず観れたところまででもレビューは書いていこうと思っています。

それでは映画『ディーバ』の感想です。

さすがはフランス映画で、その映像のセンスの良さ、美しさは極めて高かった。
青の色彩を基調としたクールな映像センス、純粋に美しい灯台の夕焼けシーン、ポップ・アートが点在する奇妙で雑多な風景をセンス良く見せる技法、映り込みを利用した景色の見せ方など、要所要所の映像の素晴らしさに感嘆してしまう。
映像を美しく見せる映画は数多くあるのですが、その中でもフランス映画は独特のセンスの良さが光っているように思います。
ディーバの映像はクラシカルな美しさというよりは、ポップで現代的なインパクトがあり、今まで観てきたフランス映画と比べても新鮮な驚きが多くあった。その辺りもとても面白かったと思います。

物語の方は、基本はサスペンス・スリラーでドキドキとさせられ、加えてラブ・ロマンスあり、青春もありのとても贅沢な内容。
演出には過剰さはあまりなく、やや淡々とした落ち着いた印象を受けます。
それがまた不安定な青年期特有の心の揺れを描いた青春群像劇に繊細な印象を与えていて良かったです。
また主人公のジュールが魅了されたディーバ(女神)の神秘的な歌声を堪能できる面も映画の魅力でしょう。

ジュールが刑事に追われ地下鉄をバイクで疾走するシーンや、殺し屋に追われ地下(ゲーム施設?)を逃げ惑うシーンはサスペンスフルで凄くドキドキさせられました。
映像の見せ方(カメラの追い方)もとてもダイナミックで迫力がありました。

ちょっと悪そうながら、誠実で意外と真面目な性格の主人公ジュール(女神の衣装盗んじゃダメでしょうというツッコミはあります)、現代風の性格でキュートな魅力なアルバなど、登場人物の魅力はすこぶる高い。
彼らの感情をあまり表に露わにさせないクールな内面性は現代の若い人たちにも共感し得るところがあるのではと思います。
登場人物の中で一番驚きなのはやはりゴロディシュでしょう。
最初は奇人変人の類かと思ったけれど、後半の彼の振る舞いは只者ではない。
めちゃクール! 何者何だ、アンタ?

映画は芸術性の高さも特筆ですが、物語の面白さも十分にあります。
その両面のバランスがとても良いのでフランス映画の独特のセンスの高さを体験する映画としても打って付けな映画だと思います。
興味が惹かれた方はぜひ一度ご覧になってみてください。

↓貼り残し
⇒img1(アルバとジュール)
⇒img2(殺し屋に掴まれるジュール)
⇒img3(ゴロディシュとアルバ)
⇒img4(シンシア〈女神〉とジュール)

映画データ 
題名 ディーバ 
製作年/製作国 1981年/フランス 
ジャンル ドラマ/ロマンス/サスペンス 
監督 ジャン=ジャック・ベネックス 
出演者 ウィルヘルメニア・フェルナンデス
フレデリック・アンドレイ
リシャール・ボーランジェ
チュイ・アン・リュー
アニー・ロマン、他 
メモ・特記 第2回午前十時の映画祭上映作品

全米批評家協会賞:撮影賞受賞
セザール賞:新人監督作品賞・音楽賞・撮影賞・音響賞受賞 
おすすめ度★★★★
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese)※午前十時の映画祭特設ページです。
+⇒ディーバ - goo 映画

+⇒第2回午前十時の映画祭レビュー記事一覧

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