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真夏のオリオン(映画)

2009-07-05 00:40:20 | 映画
(C)『真夏のオリオン』パートナーズ

今回の記事は『真夏のオリオン』(2009年、監督:篠原哲雄)です。
監修・脚色は『亡国のイージス』などの原作者である福井晴敏さん。
主演の玉木宏さんの優しくも強い艦長役がとっても凛々しい。
戦争映画としては悲壮感はやや薄め。けどこういう戦争映画があってもいい。

■内容紹介 ※goo映画より
1945年夏、沖縄南東海域。
日本海軍所属潜水艦イ-77は米海軍の侵攻を防ぐべく、倉本艦長の指揮の下、防衛任務に就いていた。
イ-77は倉本の的確な読みによって米軍の輸送艦を撃沈。
しかし同じく防衛任務に当っていたイ-81は米海軍の駆逐艦パーシバルに葬られてしまう。
親友である有沢・イ-81艦長の最後のメッセージを受け取った倉本は、パーシバル、そして敵艦艦長スチュワートとの戦いに臨むが……。

オリオンよ、愛する人を導け

真夏のオリオン

真夏のオリオン


■感想
玉木宏さん主演の戦争映画、『真夏のオリオン』を観てきました。
ここしばらくずっと邦画ばかり観ています。
この『真夏のオリオン』で『ハゲタカ』から続けて3連続目の邦画となりました。
(ちなみに次回レビューは洋画なので、邦画連続記録は一旦はここでストップ)
僕は邦画よりも洋画の方を多く見てるし、おそらく洋画の方が好きなのだと思う。
けれど邦画には邦画の良さがある。
ここ最近はそれを強く再認識させられた。
この『真夏のオリオン』も素晴らしい映画でした。

『真夏のオリオン』の主演は玉木宏さんです。
映画を観て驚くことは、玉木宏さんの痩せっぷり。
もともと線の細いイメージのある玉木さんですが、この映画では更にガリガリで痩《こ》けて見えるほどです。
役づくりのためにここまで身を削るとは。玉木さんの役者魂を感じずにはいられません。
そしてこの映画の玉木さん、ものすごく凛々しいです。
ドラマとかだと優男風の印象が強い玉木さん。
(どこか頼りないけど、実は頼れるみたいな感じ)
この映画で玉木さんが演じる倉本艦長は優しく、さらに強さと責任感を兼ね揃えた頼れる男で、大変に魅力的。
とにかくすっごくかっこいい。
この映画の面白さには、この倉本艦長の魅力のでかさが大きく起因していると思います。

戦争映画だと、戦争の悲惨さや虚しさを描いたり、愛するもののために命を懸ける男の生き様が描かれ、悲壮感が強く漂うことが多々ある。
『真夏のオリオン』にもそんな一面は確かにあります。
けれど他の戦争映画に比べると、この真夏のオリオンの悲壮感はかなり薄めです。
倉本艦長は言う。
「俺たちは生きる為に戦っている」のだと。
映画中には当時の日本の海中戦における最終手段、回天が出てきます。
回天とは人が乗り込む魚雷であり、使えば搭乗員の命と引きかえにほぼ確実に敵艦に命中します。
イ-77艦が追い詰められた時、回天搭乗員が「俺たちを出撃させてください」と倉本艦長に申し出る。
けれど倉本艦長は「使うのはもったいない」と拒む。
その言葉の真意を知った時、胸が震える想いだった。
これこそが本当の強さだと思いました。

そんな倉本艦長が率いる、イ-77艦の男たちの生き様はかっこ良かった。

映画のタイトル、真夏のオリオンに込められた想いは、
「愛する人に帰ってきてほしい」という想い。
それは敵味方のどちらの立場でも共通する願いであり、だからこそみんな生きる為に必死だった。
時を越え、現代に戻ったラストシーンではその言葉の余韻がいつまでも残った。

今回が俳優デビューとなるケミストリーの堂珍さん。
凛々しい顔立ちの彼は役者もやっぱり似合います。
艦の料理長?役のドランクドラゴンの鈴木さんも思いのほかはまり役でした。
キャスティングも良かったな。

映画データ
題名真夏のオリオン
製作年/製作国2009年/日本
ジャンルドラマ/戦争
監督篠原哲雄
出演者玉木宏
北川景子
堂珍嘉邦
平岡祐太
黄川田将也
太賀
松尾光次
古秦むつとし
奥村知史
戸谷公人
三浦悠
山田幸伸
伊藤ふみお
鈴木拓
デヴィッド・ウィニング
ジョー・レヨーム
吉田栄作
鈴木瑞穂
吹越満
益岡徹、他
メモ・特記原作: 『雷撃深度一九・五』(池上司、文春文庫)
監修・脚色:福井晴敏
おすすめ度★★★★★
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒真夏のオリオン - goo 映画

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
映画を観て (遠藤雅夫)
2009-07-05 11:45:46
観る前から少し不安はありました。
予想通り筋は1975年のロバートミッチャム、クルトユルゲンスの米独合作映画「眼下の敵」と全く同じものでした。いろいろな点で眼下の敵に軍配があがります。悪く言えば盗作といわれても仕方がないと思いました。評論をする方は是非これを一覧の上でなさってください。まことに残念です。  評価40点
返信する
はじめまして (とにー)
2009-07-05 15:22:51
最近、私も全く同じ事を感じています
邦画もなかなか面白いよね、と。

元々、洋画が好きですし英語の勉強にもなるのですが、邦画の全体的な質が上がっていると感じます

真夏のオリオンも良かったですよね~

ではでは。
返信する
コメントありがとうございます (ichi-ka)
2009-07-05 22:56:37
>遠藤雅夫さん
全く同じですか。それは大変厳しい意見ですね。
このブログは映画のレビュー中心とはしていますが、僕自身の映画の底が浅いため実は大した感想は書けてません。ほとんど感情論になってます。なので的外れなことを書いてたら、「しょうもないこと書いてるよ」ぐらいに思ってくれていいですよ。

>とにーさん
邦画は邦画で面白いですよね。以前の邦画のイメージは「どこか退屈」という印象がありました。けど最近の邦画はそんなことは感じません。
真夏のオリオンも良かったと思ってます。
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