(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX
今回の記事は『ハプニング』(2008年、監督:M・ナイト・シャマラン)です。
屈指のストーリー・テラーであるシャマラン監督が贈る驚愕のミステリー・サスペンス。
ただ今作は話の上手さというよりは衝撃度を前面に出していたように思います。
グロい!!! このグロさはPG-12どころの話じゃない!
■内容紹介 ※goo映画より
私たちは正体が分かっているものには「恐怖」を感じ、
正体が分からないものには「不安」を感じる。
ある日、アメリカ全土からミツバチが姿を消した。
高校教師エリオットはその話題を授業に取り上げ、生徒たちに原因を考えさせていた。
そこへセントラルパークで大事件が起きたとの報せが入る。
学校は即座に以降の授業を休止し生徒たちを帰宅させた。
セントラルパークで起きた事件。
大勢の人々が突然、自らの命を絶ちはじめたのだ。
原因は不明。
何か見えない力が働いている。
専門家は人の自己保存能力が破壊された為と分析し、テロリストによる攻撃の可能性を示唆。
エリオットの同僚のジュリアンは母親の家に一緒に避難しようと彼を誘う。
そこならばテロに狙われる可能性はほとんどないだろう。
エリオットは妻のアルマを連れ、ジュリアンと彼の娘のジェスと共に電車へと乗り込んだ。
しかし人々を襲った《見えない脅威》はアメリカ全土へと急速に拡がり、犠牲者は留まることを知らない。
これは本当にテロによる攻撃なのか? それとも――。
人類は滅びたいのか。
■感想
はじめに言っておくと僕はシャマラン監督の映画は大好きです。
ハリウッドでも屈指のストーリー・テラーであると思っています。
出たがりな所も嫌いじゃありません。
ですが、今作『ハプニング』は脚本が巧みかというと、そうでもなかった。
あっと驚くような仕掛けはないし、面白いと感じるような設定の工夫もない。
ラストも余韻が残るという種のものではなく何かモヤッとする。
(ここまで超辛口)
ところがです。
衝撃度に関しては間違いなく最高レベルの作品でした。
この映画、人がたくさん死にます。
それも殺されるのではなく自ら命を絶つのです。淡々と無感情に。
こんな映画は、どこまでも絶望的で悲しくなりそうなもの。
けど、それよりも不安と恐怖と衝撃が勝ります。
観ていて暗い気持ちになることはたびたびありました。
でもすぐにまた衝撃的な死が起こり、それどころじゃなくなります。
とにかく目が離せないストーリー運びはさすがはシャマラン監督と思わざる得ません。
グロいシーンも多いです。
流石に直接的には映していませんが、想像するとあまりにもグロくて。
草刈り機に自らを轢かせるのは勘弁してほしかった。
ジュリアンのあのシーンも鬱過ぎる……。
人が次々と飛び降りるシーンはあまりに異常で恐怖すら感じましたが、後半に進むにつれ、段々とそんな感覚が麻痺していく自分が怖い。
これ、PG-12どころの話じゃない気がする。
怖いシーンもわんさかありました。
シャマラン監督お得意のドキッとするシーンの数は過去最多。
人の死はそもそも怖いと思う半面、お前ら怖がらすの狙ってるだろ! とも思いました。
特に見えない脅威の最後の犠牲者となるあの人、何であんな怖い死に方するんだよー。直視できなかったじゃないですか。
↓作品レビューにあまり関係ないので反転。時間のある方はどうぞ。
(余談:僕がシャマラン作品で一番怖いと思ったシーンは『サイン』でメル・ギブソンがナイフの刃で室内を探るシーン。心臓止まるかと思いました。これを予感の恐怖と呼んでます。溜め込む分ジワリと来るんですよね。『ハプニング』にはあまりこの手の恐怖はなくて、単純にドキッとさせるのが多かった。)
ラストはシャマラン監督にしてはぼやかせたなぁーという終わり方。
いつもは衝撃的なラストで驚かさせつつも明確な答えを出していたシャマラン監督。
『ハプニング』では明確な答えは出していません。
いくつか答えの候補はほのめかしていつつも、それがどれなのかははっきりとさせていません。
観た人それぞれが答えを想像してくれればいいということなのか、
「自然のことははっきりとは分からない」というのが真理なのか。
↓個人的な意見のため反転。一応ネタバレ!
(一応の有力候補は、植物による人間への報復説。一見すると、これが答えだぞという展開にはなっています。
ただ僕の場合、あまりに不自然で極端な現象の終わり方と、TV番組の専門家の発言に合わせるようなタイミングで起こる次の現象の兆候といい、人為的な力を感じずにはいられない。)
この映画によると、人は自己保存能力を失うと生きてはいられないらしい。人は元来、死にたがる生き物なのか。「そうではない」と思いつつ、「そうなのかも」と思ってしまう節もやはりある。けれど、そんなのは悲しすぎる。死にたいなんて一時の感情に過ぎない。
今回、シャマラン監督は出てないのかなと思っていたのですが、エンドロールにバッチリ出演者として名前出てますね。
ジョーイ役。妻の浮気相手役です。電話とメールでしか確認できない謎の人ですね。
前作の準主役と比べると、だいぶ謙虚な役にしたなぁ。
『ハプニング』は、内容が内容なだけに、全ての人にはオススメはしません。
また、「シャマラン監督=衝撃の結末」を期待している方にもオススメはできません。
悪作ではないですが、一般受けは絶対しない映画です。
映画データ | |
---|---|
題名 | ハプニング |
製作年/製作国 | 2008年/アメリカ |
ジャンル | サスペンス/ミステリー |
監督 | M・ナイト・シャマラン |
出演者 | マーク・ウォールバーグ ズーイー・デシャネル ジョン・レグイザモ アシュリー・サンチェス スペンサー・ブレスリン ベティ・バックリー ヴィクトリア・クラーク フランク・コリソン ロバート・ベイリー・Jr ジェレミー・ストロング アラン・ラック M・ナイト・シャマラン アリソン・フォランド クリステン・コノリー、他 |
メモ・特記 | PG-12指定 |
おすすめ度 | ★★★☆ |
■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒ハプニング - goo 映画
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とにかくグロくて見終わった後、気分が沈みましたね。。。
でも唯一見てないレディ・イン・ザ・ウォーターもみてみようかと思いました。
私は、シャマラン監督作品『シックスセンス』は(怖いから嫌なんですけど)好きな作品です。特にラストのダマされた感が。ハーレイ君も良かったんですけどね。
かなり、グロそうだし、怖そうなので、観に行けそうにないです。
あっと驚くがないんですね今回
でもやっぱり観たいなー
草刈り機シーン
きっと目を覆うだろうけど
個人的には「シックス・センス」好きです
「サイン」で私が怖かったのは
主人公の弟がクローゼットの中?でTVニュースを
観ていた時
TVの映像で宇宙人らしき人影が写ったとき
映画の中の弟とほぼ同時に叫んでました
>Pe.D.Dさん
草刈り機のシーンはそうとう鬱になりますよね。
この映画は確かに観終わった後に気分が落ち込むかもしれないなぁ。
レディ・イン・ザ・ウォーターは賛否分かれているみたいですが、僕は好きです。
>Matthewさん
シックスセンスは名作ですよね。ラストには驚かされて何だか切なくて。
『ハプニング』はグロくて怖いので苦手な場合は見ない方がいいかもしれないですね。
明るい映画では決してないので。
>萩 ますびさん
『ハプニング』はラストにあっと驚く仕掛けはないですね。
草刈り機のシーンも強烈ですが、他にも目を覆いたくなるシーンはたくさんあります。危険な映画。
シャマラン作ではやっぱりシックス・センスが人気なんですね。