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今回の記事は『チェ 28歳の革命』(2008年、監督:スティーヴン・ソダーバーグ)です。
革命のアイコン(象徴)と呼ばれた伝説的な革命家、エルネスト・チェ・ゲバラの人物像とその半生を描いた2部作の前編。
力強くも丁寧に描かれた重厚な歴史ドラマです。
■内容紹介 ※goo映画より
1955年、貧しい人々を助けようと志す若き医師のエルネスト(チェ)・ゲバラは、放浪中のメキシコでフィデル・カストロと運命的な出会いを果たす。
キューバの革命を画策するカストロに共感を覚えたチェは、わずか82人で海を渡り、キューバ政府軍と戦うというカストロの作戦に同意し、すぐにゲリラ戦の指揮を執るようになる。
チェという愛称で呼ばれ、軍医としてゲリラ戦に参加したチェ・ゲバラは、女性と子供には愛情を持って接するのだった……。
愛の無い真の革命家を想像することは、不可能だ。
■感想
この手の映画は実は感想を書くのが難しい。
理由は至って簡単で、僕の知識レベルが低いからです。
僕はエルネスト・チェ・ゲバラ、その人を知らない。
さらに言うと、キューバ革命についてもあまりよくは知らない。
学生の時に歴史を真面目に勉強していなかったことがしっかり現れているような気がする。
今は歴史は面白いと思うけれど、昔はそうでもなかったんだよな。
今現在、歴史を教えている先生へ。
どうか歴史のドラマの面白さを生徒へ教えてあげてほしい。
と、いきなりレビューから大きく脱線してしまいましたが、そろそろ感想を。
この『チェ:パート1』は歴史的事実をもとにした映画です。
はっきり言って、エンタメ性はそうとう低い。
けれど力強く、とても丁寧なつくりの歴史ドラマとして仕上がっています。
伝説的な人物であるチェを英雄として大々的に演出するということはしていない。
誤解を覚悟で言うと、比較的淡々とした目線でチェを描いています。
革命の戦士として躍進するチェを、キューバ革命後のチェの映像を交えつつ、描いている作りはとても丁寧です。
革命に身を捧げるチェの切実な想いが、静かに、だけれども、力強く伝わってくる。
このような人が実際にいたのだな。
けれど、後半に進むにつれ、革命にのめり込んでいくチェにやや危うさを感じた。
これはきっと第二部へと繋がっていくのだろう。
↓ネタバレでは無いですが、主観なので反転しました。
(苦しむ人々を助ける為には武力行使はやむを得ない。
この考えを良しとするか悪しとするかは人によって違うのだろう。
「どんな理由があったとしても武力は使うべきではない」
これは現実を知らない人の戯言なのかもしれない。
平和的交渉ではどうしても時間が掛かってしまう。下手をしたら解決すらしない。
悲しいけれどこれが現実なのだ。
それでも、僕はチェの考えを受け入れることは難しい。
今の世の中でもし武力による革命が達成したのならば、それは悲しいことだと思う。)
映画データ | |
---|---|
題名 | チェ 28歳の革命 |
製作年/製作国 | 2008年/アメリカ=フランス=スペイン |
ジャンル | ドラマ/伝記 |
監督 | スティーヴン・ソダーバーグ |
出演者 | ベニチオ・デル・トロ デミアン・ビチル サンティアゴ・カブレラ エルビラ・ミンゲス ジュリア・オーモンド カタリーナ・サンディノ・モレノ ロドリゴ・サントロ ウラジミール・クルス ウナクス・ウガルデ ユル・ヴァスケス ホルヘ・ペルゴリア エドガー・ラミレス、他 |
メモ・特記 | 二部作の前編 後編は『チェ 39歳 別れの手紙』 ↓受賞 2008年 カンヌ国際映画祭 男優賞 (ベニチオ・デル・トロ) |
おすすめ度 | ★★★★ |
■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒チェ 28歳の革命 - goo 映画
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ゲバラに激似で驚いたのが
まず感想です(感想じゃないか)
私は
正直、今のゲバラ人気に
ちょっと危険さを感じます
ichi-kaさんの
反転感想にも共感します
安易に革命家をお祭り騒ぎするのは
疑問が残ります
血のない革命は
まず少ないということです
信念のためなら
血が流れてもいい、という考えには
私は同感できないですね
革命家たちには、それぞれに理想があり、信念があり、それこそ、最初から武力に訴える気などなかったと思います(と思いたい)
一部の熱狂的な、狂信者に後押しされ、力ずくで、革命を起こし、成功させた(?)のだとして、ほかの民衆は、幸せなのか、疑問ですね。
ichi-kaさんの、意見に私も同様に感じます。
ベニチオ・デル・トロは確かにゲバラに激似ですね。彼の徹底した役づくりを思うとカンヌでの男優賞も納得です。
安易に革命家を良しとするのは確かに危険なことだと思います。
>Matthewさんへ
なかなか難しいところの判断ですよね。僕もこんな記事を書きましたが、もし自分が当時の弱い立場の人だったら、力ずくで独裁政権を倒してくれた革命家たちに感謝するかもしれません。