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マイ・ブラザー(映画)

2010-07-11 19:40:00 | 映画
(C) 2009 Brothers Production, LLC. All Rights Reserved.

今回の記事は『マイ・ブラザー』(2009年、監督:ジム・シェリダン)です。
トビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマン主演で贈るヒューマン・ドラマ。
戦地で心に傷を負い帰還した男と、それを受け止めようと葛藤する家族の姿を描いた感動作。
この映画、何といってもトビー・マグワイアの演技が光る!

■内容紹介 ※goo映画より
海兵隊員のサムは、よき夫でよき父。
厄介者の弟トミーが出所するのと入れ替わりに、妻のグレースと二人の娘を残し、アフガニスタンに出征する。
しばらくしてグレースのもとにサムの訃報が届く。
悲しみに沈むグレースたちを慰めたのはトミーだった。
彼は兄嫁や姪たちを支える中で次第に更生していくが、ある日、死んだはずのサムが別人のようになって生還する……。

世界の果てをみた兄に、まだ声は届くだろうか。

マイ・ブラザー

マイ・ブラザー


■感想
イラクやアフガニスタンが舞台の反戦映画とはどうにも相性が悪いらしい。
この手のテーマの映画を良かったと思ったことは今までなかった。
アカデミー賞を受賞して絶賛された『ハート・ロッカー』ですら、僕は毛嫌いしたほどだから。
ところが、この『マイ・ブラザー』はそんな僕の傾向を見事打ち破ってくれた。
ま、もっとも、『マイ・ブラザー』はアフガニスタンでの悲劇を描いた反戦的な部分もあるにはあるのですが、兵士の苦悩というよりは家族の苦悩を描いたヒューマン・ドラマだったという点が良かったのかもしれない。

スパイダーマンとしての印象が強いトビー・マグワイアですが、この映画では実に巧くひとりの苦悩する人間を演じています。
予告編だと戦場から帰還し、すっかり豹変してしまったという役柄をイメージさせますが、実際の役柄は実はそんなんじゃない。
トビーが演じているサムは、戦場で経験した悲劇と自分がとった行動の嫌悪から、日常の幸せを実感できなくなってしまったという難しい役柄。
神経質になり過剰に苛立ったりするようになってしまったが、彼が持つ元来の優しさは決して消えたわけではない。
トビーのギラッとした狂気を孕んだ目、苦悩と悲しみを滲ませた寂しげな瞳は観るものを惹きつけます。
彼の人が良さそうで優しそうな笑顔はとても素敵だなと思いました。
トビー・マグワイアはとても良い表情ができる演技派な俳優へと成長したなとこの映画を観て強く実感させられました。

ジェイク・ギレンホールの不器用ながら優しい弟と、一度は夫の死という悲しみを突きつけられ、その後豹変して帰ってきた夫に戸惑いを感じながらも受け入れようとする妻・グレースを演じたナタリー・ポートマンもとても良かった。

傷を負って帰ってきたサムには今まで感じたことのない不安定さを感じた。
けれどサムは本心を打ち明けようとはせず苛立ちを顕にする。
そんな彼を何とか受け入れようとする姿は感動的だった。
そこには兄弟の絆、夫婦としての絆。そして家族の絆を感じました。

映画ラストのサムがグレースに自分の悲しみを打ち明けるシーンは屈指のラストシーンと言えると思う。
このシーン、心が締め付けられるような思いで、戦争の残す悲しい傷を強く実感させられました。
決して派手さはないけれど、これぞヒューマン・ドラマだと感じました。

映画データ 
題名 マイ・ブラザー 
製作年/製作国 2009年/アメリカ 
ジャンル ドラマ/戦争 
監督 ジム・シェリダン 
出演者 トビー・マグワイア
ジェイク・ギレンホール
ナタリー・ポートマン
サム・シェパード
クリフトン・コリンズ・Jr
メア・ウィニンガム
テイラー・ギア
ベイリー・マディソン
キャリー・マリガン
パトリック・フリューガー
ジェニー・ウェイド
オミッド・アブタヒ
ナヴィド・ネガーバン
イーサン・サプリー
アーロン・シヴァー
レイ・プルーイット、他 
メモ・特記 『ある愛の風景』(2004年)のハリウッド・リメイク作 
おすすめ度★★★★
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒マイ・ブラザー - goo 映画

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