知っていて御得!常陸の国気象・地震見聞録

茨城県の気象・地震に関する記事を紹介!
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn,ne,jpへお願いいたします。

13日、北部と沿岸部で降水まとまる。上空3000㍍までの風向に注目!

2017-05-15 08:29:07 | 日記
①5月13日24時までの24時間降水量日最大値画像 気象庁HPより引用


②5月13日15時の天気図 気象庁HPより引用



③5月13日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用



④5月13日12時~18時までの水戸のウインドプロファイラー時間高度断面図 気象庁HPより引用


引用図①②より、5月13日 低気圧が本州南岸を東進したため、本州各地では、あいにくの雨天となりました。

茨城県内の降水量分布図を見てみると、北部山間部と沿岸部で雨量がまとまっていて、特に北部山間部の一部では、24時間に100㍉以上と大雨となった個所もあります。
一方、つくばや、坂東、下妻といった県内内陸部では、24時間降水量は概ね40㍉未満、北部と沿岸部、内陸部とでは、コントラストの大きな降水量分布となっていますし、沿岸部で降水量が多くなったことも特筆する点ですね。


このカラクリは?ですが。

まず、引用図③を見てみると、県内水戸を含めた、東日本の上空では、上空1000㍍〜3000㍍にかけて、南〜南東風となって、各高度で、風向がほぼ同一方向となっております。
これは、引用図②より、茨城県を含めた東日本各地、オホーツク海に中心を持つ勢力の強い高気圧の外縁部にあたっていることがわかり、この勢力の強い高気圧の外縁を廻るようにして、茨城県付近には、南〜南東風となった暖湿流が流れきんできていることが推測されます。

よって北部山間部では、この南〜南東風となって流れ込んできた暖湿流が、県内北部の東〜南側に開いた山の斜面にあたっているということで雨量がまとまったわけですが一方、引用図④より、水戸では、13日12時~18時にかけて、上空1000㍍より上側では、南〜南東風ですが、地表付近では、海上からの東〜北東風が入り、鉛直シアーが大きな状態となっております。

こういった鉛直シアーが大きな気流の分布状態、雨雲の発達を促進させる作用の一つでもあり、県内沿岸部のまとまった降水も、この、鉛直シアーが大きな気流の分布状態であるといえますね。