知っていて御得!常陸の国気象・地震見聞録

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日本海溝と南海トラフとの比較 来るべき南海トラフ巨大地震はこんな感じ?

2016-03-17 00:02:47 | 日記
三陸沖〜福島県沖~茨城県沖にかけての日本海溝でのプレート間巨大地震であった東北地方太平洋沖地震から5年余り経過しましたが、昨今、東海道沖〜紀伊半島沖~四国沖にかけての南海トラフ巨大地震が想定されておりますが、実は、太平洋トラフと南海トラフとは、以下のような明瞭な個性差があることはご存知でしょうか?

引用画像は、日本海溝(マリアナ型)と南海トラフ(チリ型)のと比較画像です。
プレートの様子と地震発生のモデル。世界各地のプレートの様子と地震発生を比較して、大別された。Uyeda and Kanamori (1979), Back-Arc Opening and the Mode of Subduction, J.Geophys.Res., 84, 1049-1061を改変。
京都大学准教授 後藤忠徳先生HP「地底の不思議」より引用。



引用図をご覧のように、三陸沖〜福島県沖~茨城県沖にかけての日本海溝が位置する東北日本地域のプレート断面図(右側)と、南海トラフが位置する西南日本のプレート断面図(左側)とを比較しますと、南海トラフにおける海側のプレートの陸側のプレートの下側に沈み込む際の沈み込み角度は、南海トラフが、日本海溝より浅く、沈み込みが浅いために、陸側のプレートが水平方向に押し込む作用が強く働いて、しわ(山脈)が幾重にもできています。当該、山脈の間から、陸側のプレートに沈み込む、海側のプレート(フイリピン海プレート)の境界に向かって、陸側がせりあがるように形になるように断層が、これまた幾重にも走っている証左でもあります。

このことは南海トラフ周辺の地層が、東北日本の日本海溝の地層よりも新しく、地層自体の強度は軟らかいためであります。

東北日本の日本海溝でのプレート間地震は、海側のプレートが沈み込む際に、陸側のプレートを引きずり込んで跳ね上がる作用が多く働くと思われますが、南海トラフが引き起こすプレート間地震は、海側のプレートが沈み込む際に、陸側のプレートを引きずり込んで跳ね上がる作用もさることながら、前記したように、陸側のプレート内に存在する、陸側のプレートが水平方向に押し込む作用が強く働いて発生した、幾重にも連なる断層も一緒に動く作用も多く働くと思われ、当該、複数の地殻変動で発生する地震というもの、周期が長い地震がが卓越する傾向が強く。南海トラフ巨大地震は、東北地方太平洋沖地震よりも、比較的周期の長い地震が卓越すると思われます。

地震波の周期が比較的長ければ、建造物に大きなダメージを及ぼしやすくなることでもあり、地震の伴う津波におきましても、複数の地殻変動で発生する地震というもの、、より大きな津波を発生させやすい地震ともいえ、この点、改めて、肝に銘じる必要がありそうですね。


茨城県内におきましては、南海トラフ巨大地震発生時には、以上申し上げたように、周期の比較的長い地震波が卓越するため、南部の谷地や、霞ケ浦、北浦、牛久沼沿岸沿い中心に、震度5強程度のはがしい揺れに見舞われる恐れがあります。