飄評踉踉

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進め、銀河の果てまでも

2007-01-06 15:43:31 | 特撮
 今年は2007年。「2007年といえばウルトラセブン放映開始40周年だ(?)」ということで、新年一本目は『ウルトラセブン』について書こうと思います。

 私にとっての『ウルトラセブン』というのはウルトラシリーズの中で未来を美しく描けた最後の作品です。というのも、メカニックは和製サンダーバードと言われるように洗練されているし、舞台となっている40年前の東京は当時の日本人が未来的につくったものだったからです
(第8話「狙われた街」など必ずしも未来的とはいえない面もありますが・・・)。
 『セブン』のように未来を(表面的であっても)美しく描いてみせるのは、一時期の戦後サブカルにおいては常套手段でした。もっとも、「美しい未来」を描けた期間はそれほど長くなかったともいえます。
 『セブン』の放映が開始された1967年には公害対策基本法が制定されました。すなわち、ちょうどこの頃は、科学技術自体に対する不信が社会に広がり始めた時期でした。これに「ノストラダムスの大予言」の終末論が輪をかけたことで、サブカルでは未来は必ずしも明るく描かれなくなります。実際に『セブン』終了から3年後に始まった第2次ウルトラシリーズも、ヘドロ怪獣が第1話で登場する『帰ってきたウルトラマン』(1971~72年)に始まり、ノストラダムスの影響を受けたと思われる『ウルトラマンレオ』(1974~75年)で終わります。ウルトラシリーズ以外でもサブカルはこの時期から終末論を描くことが多くなりました。
 他方、この「美しい未来」を描けた期間というのは昨今の昭和ブームでとりあげられる明るい昭和と重なるともいえます。とすると、昭和ブームが肯定的に描いている時代というのは意外と短いことに気づきます。こう考えると、昭和ブームの本質も見えてきますね。
 「昭和の日」元年で昭和ブームもたけなわの今年、昭和を『セブン』で斬ってみてはいかがでしょうか?


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