HUNGRY FOR ROCK(METAL)!

HM/HR系の音楽について語る!

VAN HALEN「5150」

2010-03-04 | 80、90、00年代の名盤
アメリカンハードロックの礎を築いたバンドの一つと言える、ギター奏法の革命児エディ・ヴァン・ヘイレン率いるVAN HALENの7thアルバム(86年発表)。
前作「1984」の”Jump”が大当たり、アルバムも超特大ヒットとなったわけだが、なんとそんな絶頂期に、正に看板と言える稀代のパフォーマーであるボーカリスト、デイブ・リー・ロスが脱退、代わりにMONTROSEやソロで活躍していた大物ボーカリスト、サミー・ヘイガーが加入するという激動の時期に制作されたアルバムである。
しかし個人的にはHM/HRを聴き始めの頃にこのアルバムに出会ったため、デイブ時代のアルバムは未聴の状態、先入観を抱くことなく今回のアルバムを体験することとなった(ちなみにデイブ時代のアルバムは未だに持っておらず<ベスト盤はあるので代表曲くらいは記憶にあるが>・・・)。
全体的には、いかにも「アメリカンな」明るくて勢いのあるHRと、サミーの伸びやかな声や「1984」から導入したキーボードサウンドを生かしたポップナンバーの2種類の楽曲で構成されている。
前者の中でも特にエネルギッシュでエディのギターテクニックを満喫できる#1”Good Enough”や#3”Get Up”も気に入ったが、後者にあたる#2”Why Can't This Be Love”、#4”Dreams”、#7”Love Walks In”がやはり強力である。エディの個性的なギターサウンドは残しながら、サミーの「どこまで伸びるんだ!」と驚嘆せざるを得ないハイトーンボイスを生かした歌唱、そして印象的なキーボードサウンド・・・それらをバランスよく取り込んで練り上げた完成度の高い楽曲に仕上がっている。その他の楽曲も彼らの個性にあふれていてなかなか良いが、#9”Inside”だけは実験的というかよくわからない曲である。
デイブ時代になかったメロディアスな楽曲を導入することによって、このアルバムは前作「1984」で獲得することができなかった全米チャート1位の座に登りつめることとなった(「1984」で1位になれなかったのは、マイケル・ジャクソンの「Thriller」が1位に君臨していた影響が大きいのだが)。とにもかくにもバンドとしては、前作で大成功しながら、ボーカリストチェンジ、それに合わせて音楽性も変化(逆かもしれないが・・・)という博打に出た結果、見事にさらなる成功を収めるというHM/HR史上でも稀な快挙を成し遂げたのである。
自分にとってもHM/HRを聴き始めの頃に体験、こういった音楽に興味をもつきっかけになった貴重な1枚である。未だに時々取り出して聴くが、飽きを感じない。本当に良いアルバムである。



VAN HALEN”Dreams” 
これが一番気に入っている。カラオケで歌ったことがあるが、サビで全くついていけず・・・(笑)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿