HUNGRY FOR ROCK(METAL)!

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VANDENBERG「2020」

2020-05-26 | 2020年アルバム、曲感想
エイドリアン•ヴァンデンバーグ(g、ex.WHITESNAKE)率いるVANDENBERGの、35年ぶりの復活アルバム。

VANDENBERGといえば、80年代前半当時のヨーロッパを代表するハードロックバンドであり、叙情性あふれるメロディ、エイドリアンのドラマチックなソロなど、評価は高かったバンドである。
しかしその後エイドリアンが加入した、ないしは結成したバンド、WHITESNAKE、MANIC EDEN、VANDENBERG'S MOONKINGSなどで彼の才能が十分発揮されたかというと、そうは言い難い。
そんな中ここにきてあのVANDENBERGの名前で復活する、そうなると80年代の彼の黄金時代の音楽性が復活するのかと否が応でも期待は高まるが…

音作りの面で1st~3rdを出した80年代前半と比べると、やはり現代らしく迫力のある音作りになっていている。
#6"Shout"など名曲"Wait"を彷彿させ、かつての良さを引き継いでいる面もある。
#8"Light up the sky"はアップテンポで迫力もあり、「白蛇の紋章」時代のWHITESNAKEを思わせる。
しかし"This is war"や"Waiting for the night"のような劇的展開の曲はないし、そして何よりも…

"Burning heart"のセルフカバーが収録されているが、これが期待外れである。
ヴォーカルに最近引っ張りだこのロニー•ロメロが起用されているが、ヘヴィメタルらしいバンド•曲の中では、そこに埋没しない、存在感のある声を聴かせるも、この"Burning Heart"を始め、アルバム全体を通して一本調子で、繊細な感情表現が出来ていない部分がどうも気になってしまう。
ロニーは個人的には好みでない(ティム•リッパー•オーウェンスと同じでメタルらしい激しい曲の中では生きるが、抑揚のつけ方が上手くなく〈強弱の「弱」の表現が下手〉、バラードなど歌うには向かないタイプのように思える)せいもあるが…

まあ、悪くはないのだが…ヴォーカルを変えて、エイドリアンにもっと弾きまくってほしい、というのが正直なところである。

これが問題のVandenberg - Burning Heart 2020