二鶴工芸のきままなブログ

京都で呉服に金箔を装飾する金彩工芸の職人です。
仕事のうんちくや商品説明等きままな事を更新していきます。

金泥

2015年08月27日 | 日記

二鶴工芸です。
金泥の摺り込み加工です。
丸刷毛を使って全体に摺っていきます。
この加工は私が独立して家に帰った頃、約20数年程前に一時ブームになり、この加工がよく出回っていました。
同業者もよく加工していました。
箔みたいな光沢はないけれどもまったりとした鈍い光沢が特徴です。
ただ、やたらめったらやればいいのではなく濃い地色には効果のある発色なんですが、薄い地色に加工すると逆に汚く見えますので気を付けないといけません。
なので薄い地色用の色目も作っていました。

色目で例えると真鍮が経年変化で変色した色。
茶筒が経年変化で渋くなったような色目です。
この色目を作るのに各職人が苦労してた訳で。
たまたま私は作れたので、つてを使ってかぎつけた他の業者がやってくれと仕事を持ってきましたが全て断わりました。
あまりにも安易な!!
同業者が金泥の色がなかなか上手く作れない嘆いていましたが、作れなくて当然だと思います。
そもそも加工工程に他とは違う順序があった訳で。
勘の良い職人さんはもうわかります。
ではここまで!
※画像の色目は通常の金色です。