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レガシー・エンジニア(hsato)の日記です

思いやりと論理思考

2009-06-04 07:53:24 | ビジネスハック
仕事を効率的に進めるためには、論理的思考が不可欠である。相手の立場に立ち、彼らの判断ポイントを把握する。これにはコミュニケーション能力が不可欠である。

そして、解決方法を示す場合には、相手を納得させるためのストーリーが必要である。より良いと思われる手(案)をいくつか探し出し、その中で最善の手であることを評価する。

説明は、判断ポイント、その根拠、結論、その理由、という風に簡潔に説明すべきである。

ITmedia エンタープライズ:SEの論理思考とビジネスの論理思考 (3/5)

「一度劣等生のラベルを張られてしまうと、よほどのことがないと挽回は難しい。」とは全くその通りだ。一度張られた人間は、結果でそれを挽回するしかない。それはさておき。

さて、論理思考を取り上げたのは、自分としてできていないと強く感じるからである。

時間の効率を考えなければ、論理思考は不要である。場当たり的に何個かを試してみれば、より良い結果にたどりつくのは当たり前である。チームで仕事をしている上では、メンバーが不安になる。無駄な作業も増えるため、モチベーションが下がる。

直感だけで行動すれば、より良い結果にたどりつく場合も多い。「直観の○%は正しい」という文章を見たこともあるだろう。しかしこれは、チームで仕事をしている上では納得感に欠ける。故にチームではフラストレーションがたまる。最終的にアウトプットを受け取る方も不安になる。

効率性を考えれば、論理思考に基づく仕事の進め方しか無いのである。

ただ、考えていてもダメなのである。考えるためのポイントを押さえねばならない。手法を理解するのは当然のことである。



しかし、手法の理解よりも大切なのは、真の「目的」を探し出す能力だ。

問題解決という仕事をしていると、「手法」に囚われてしまう人が大変多い。彼らが言うのは、例えば、「結局、この装置のある機能で解決するのだから、その中から探すのが早いのだ。」と言う。これは全くの間違いである。

課題解決を依頼された場合、その依頼主が何に困っているのかについて、その依頼主本人が気がついていないことを含めて、探し出さねばならない。それが探し出されてはじめて、「目的」となるのである。

勝間和代さんが、「子供サッカー」なる言葉を言う。プロのサッカーは、組織だって、それぞれのプレイヤーが持ち場をもち、体系的に戦う。一方、サッカーを始めたばかりの子供は、ボールに群がってしまう。

「目的」を明確にできていない仕事は、ゴールの無い運動場で、延々とボールを転がしているだけの行為に過ぎない。それでは無駄以外の何物でもない。ゴールにボールを入れてこそ、プロの仕事なのだから。

相手に対する思いやりを持ちながら、論理思考をすることは、プロにとっての義務なのである。

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