ユーラシアの風~2010年・自転車による単独ユーラシア大陸横断記

2010年・自転車による単独ユーラシア大陸横断記

なぜ、行くのか

2010年04月01日 | 出発前
居ながらにして、世界の多くを知ることができるいま、
数多いる旅人が、世界をくまなくレビューする。
それに24時間、365日、好きな場所で触れることができる。
それで分かった気になってしまう。
頭脳と視覚だけで、すべてを知覚できるはずもないのに。
…しかし、そんなことは理由にならない。
そんな気づきに何の価値も意味もない。

この2年間、いろいろゴタクを並べてきたけれど、
結局そいつらを総括すると、至って個人的で、非合理で
自己中心的な発想なんだ。
悔しいほど、「もっと~したい」型の欲望なんだ。

旅の理由って何なんだ?
それじゃ、生きることに理由は?
自分の人生に意義は?
人を愛することはどうして素晴らしいと言い切れるの?
人はまた、なぜ争いをやめることを知らないの?
なぜ壊れ行く地球に子孫を残さなければならないの?
なぜ笑顔は言葉を超えるの?
なぜ、明日は来るの?
なぜ、私はいま存在するの?
なぜ、「なぜ」は「なぜ」なの?

世の中も人間も、明確な理由のないことに満ちているのに、
「何のために」という問いに対し、周囲が満足する答えを
用意できるということにどんな意味があるのだろう。

挑戦することに理由は要るだろうか。
スポーツ選手が、「勝ちたい」というように、
世界を「見たい」、限界を「知りたい」、自分を「試したい」
日本という国をじっくりと見つめたい。
なにかと理由をつけて、諦めることをしたくない。

「人間は、いまこの瞬間しか生きられない」
「豊かな青春、惨めな老後…」

いまも頭に響く、預金残高と常識の不協和音に侵されながら、
いびつな自由を手に入れた。

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