もう一つの 昭和・私の記憶

『 昭和・私の記憶 』 の、続編
吾生涯を物語る

究極の暇つぶし

2021年05月21日 | ガハハ・・・1996~2006

いつものところで
いつもの釣り
そして
いつものように
 オオスケ
 
「 大きいのが釣れたわねぇ 」
・・と 散歩中の ご婦人
偶々  釣上げたところに 通り遭わせたのである
「 大きいでしょう 」
「 それ 何という魚 なんですの?」
「 ヘラブナ 言うんですよ 」
「 そう・・・ アッ!」
「 もったいない  逃がすのですか?」
「 ハイ  釣ったら直ぐに 放すんですよ 」
「 釣った魚は 食べるものだと 想っておりました 」
「 そうですか  逃がすのですか・・」
そう言いながら
後ろを 通り抜けて行ったのである

                                                                                         物語はここ・・10番
究極の暇つぶし
「 撒き餌(マキエ) は せーへんのんか?」
・・
と ギャラリーの声
このギャラリー 海釣り  殊に磯釣りをしているのだと謂う
釣り を しているという 親近感から 声を掛けて来たのである
「 しませんよ 」
私は 両ダンゴでの トコ釣りをしていた
「 普通は 上ハ゛リ に バラケ餌をつけて 下ハ゛リの餌(クワセ)で喰わせるんです 」
「 バラケ餌が 撒き餌の代わり になるんです 」
「 フーン 」
「 撒き餌 していると 他の釣り人に ドヤサレますよ 」
撒き餌はルール違反なのである
「 ようけ打込んだ餌に 魚が寄って来るんやな 」
「 そうですよ 」
釣りをしているのであるから  数多く釣りたい・・は 当然のこと
釣り人なら 誰しも そう想っている
それは 海、川 を問わず 全ての釣り人に言えること
唯  海釣りの様に 『 釣った魚を喰う 』 のが目的ではない
『 釣り 』・・そのものが 目的なのである
だから  釣る為に  撒き餌 まではしない 亦 しなくとも 充分 愉しめるのである
目的が違うのである
「 漁師でもないし  釣った魚 喰おう ちゅうもんでも ないんで 」
「 釣り することを 愉しんで居るんですよ 」
「 ふーん 」
・・と ギャラリー
納得はしていないようだ
『 魚は 喰う為に 釣るもの 』
『  喰えんジャコ釣って 何が面白い 』
・・これが
彼の本音であらう
亦 それが 一般の共通認識でもあらう
そして
彼は この事が 言いたかったのであらう
「 ワシは 喰えんジャコ は 釣らん 」
・・と

『 喰えんジャコを釣る 』
偏屈  天邪鬼の私にとっては
そこが こそ
堪らなく
面白いのである

『 ワビ と サビ 』 の世界 とも言へる 『 へらぶな釣り 』
このギャラリー には とうてい 理解できまい
これはもう  やった者しか 分からない
・・のだから

                                                                               人生そのものが暇つぶし・・10番の釣り人
「暇つぶし やな」
・・と ギャラリー
勝手に 話しを締めくくって 去って行った
「 そのとおり 」
「 おっしゃるとおり 」
・・だと
私も そう想う

かっこう を つけて
言うと

人生そのものが
暇つぶし
なのかも知れない・・なあ



次回 ナンヤ自慢しに来たんかいな に 続く
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