もう一つの 昭和・私の記憶

『 昭和・私の記憶 』 の、続編
吾生涯を物語る

ナンヤ自慢しに来たんかいな

2021年05月26日 | ガハハ・・・1996~2006

ウップルーッ
しばれるねえ
冬は寒いから 釣れないんだよね
ナニッ 釣れたァ?

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ホソ の ホームレス小屋前
此処は何故かしらん、唯一真冬でも釣れる一等地である
但し
コンクリートの斜面に座っての 釣り となる為
北西の風 を 真面(マトモ) に受ける
それは もう  
寒くて寒くて ・・・

真冬の釣りは、対面の葦原に周るのが定番
然し  早いもん勝 がルール の ホソ
『 良い場所取りたい 』
・・という想いは 誰しも同じで
皆が場所取りに 奔走するもんで
中々いい場所に坐れないのである


偶々の幸運
満員の釣り場をやり過ごして
冬場の一等地である コンクリートの斜面に腰を降ろすことにした
当然のことながら
周りには誰も居ない 私一人である
アタリが無かったら トットと帰ろう  長居は無用 と そう 心に決めて 坐った
然し やっぱり  寒い
足下から 冷たい冬虫が 登ってくる
ところが、どっこい
始めると
直ぐにアタリを見たのだ
もう ドキ 胸 胸
竿を持つ手に力が入る
!!
ウキ が一節(ヒトフシ) 入った
顔馴染みのオオスケ が 挨拶に来て呉れたのだ
而も 大勢の仲間を引き連れて
この冬場の厳しい時期に
釣れる 釣れる
←挨拶に来たオオスケ
5枚釣り上げた処で 小休止
防寒着とはいえ ずっと 坐っている
だから 寒さで体が硬くなっている 
足下から登って来た冬虫が 太ももを揺すっている
足が震えだすと もうどうしようもない こうなると 坐って居られないのだ
「 少し 歩こう 」
・・
と 皆の居る下側に向った
其処には 皆と並んで釣りをする親分が居た
「 寒いねぇ・・・どない?」
「 あかん、まだ アタリ 出ーへん 」
「 あんた、何ウロウロしてまんのんや 」
「 震えが来たから チョット歩いてますねん 寒ーて 寒ーて 」
「 あんな寒い所に坐っとるからや  アホちゃうか 」
「 痩せ我慢せんと ハヨー こっちへ来なはれ 」
「 でッ   釣れたんかいな 」
「 うん・・」
・・と 片手を開いて見せた
「 エーツ  5枚も釣ったんかいな 」
ドヤ顔の私に 親分
「 なんやあんた   寒い寒い 云うて 
  自慢しに来たんかいな 
  あほらしい
  あっちゃ行って ハナ垂らして (一人で) 釣っとり 」

 
皆とも
一通りの挨拶を済ませて 再びコンクリートの斜面に坐った
足の震えも おさまった
さあ
仕切り直しである
間があいたものの アタリは続いた
本日はホソで唯一 いい目をしているようだ
こんな日もあらう
だから 面白いのである
そこに
「 あたっとるな 」・・と 津波古さん
彼は 偵察に来たのだ
あがっていると 納得して彼の釣り場へ帰って行った
「 ホラ は 吹かへん 」
・・と 心で 呟いた

エエ想いをした
「 どない?」
「 何枚上がった 」
・・
と 後ろから声がかかった
振り向いて見れば 三人の見知らぬ釣り人
納竿して帰る途中 自転車を停めたのである
「 9枚上がりましたわ 」
「 ヘーッ  この真冬に爆釣やな 」
「 エエ想い したな 」
・・そう云って 帰って行った
本当に
エエ想い させて貰いました
そして
締め括りは
例の決り文句
「 今日は このぐらいに しといたら 」
・・を 吐いて
竿納め したのである


「もう帰るんかいな」
「エエッ 今日は堪能しました」
「おいそれ  ワシの台詞(セリフ)やぞ」
と  親分の声を背中で聴きながら
これ亦 親分の受うり
肩で風を切って帰った
・・私である

次回 大根かえせ に 続く

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