もう一つの 昭和・私の記憶

『 昭和・私の記憶 』 の、続編
吾生涯を物語る

昨日は何枚

2021年04月29日 | ガハハ・・・1996~2006

14番でのこと
いつものように 親分 と並んで釣っていた
釣り始めて もう 3時間
「 アタリ がないなァ 」
「 ちょっと 他の処  見てきますワ 」 
・・と 私は 気分転換も 兼ねて
釣り場を離れ  様子を知るために 隣りの13番に向かった
見ると  13番の釣り人も ノンビリ している
誰も 釣り上げてはいない様子であった
「 今日は どこも食いが悪いのか・・ 」
そう思いつつ  釣り場に戻った
「 13番も あかんみたい・・」
・・そう 親分に報告するより 早く
「 2枚あがったでー 」
・・と 親分
「 エーッ  もう 2枚も あがったんかいな 」
「ジアイ や ジアイ が 来たんや」
親分に
スキを つかれたのである
「 しもたァ (釣り場) 離れんといたら 良かったァ 」
私が 釣り場を離れて  僅か5、6分の間のこと
「 して やられた 」
親分
いつもの如く
ホラ ぶいて いるのである



日曜日 午前10時頃
ホソ・上
いつものように
一人ゴチ 云い以て 親分が釣りをしている

昨日は何枚?
「 今日は ドナイ ? 」
・・と 通りかかった ギャラリーが 親しげに声をかける
「 今 始めたばっかりや (一日は長い) これからや 」
「 昨日 (土曜日) は 良かったでェ 」
「 ほんまかいや  で 何枚釣った ? 」
「 8枚ヤ 」
「 ホウ 8枚も あげたんかい 」
「 おう・・・ヘラが6枚 マブが2枚 後、鯉が3本に ニゴイ 一匹  ワタコ (わたか) が・・・」
「 フーン  そりゃ良かったなァ」
「 38.5 (cm) の オオスケ が 2枚上ったでェ 」
「 あと 36 が 3枚・・テノヒラが・・枚・・」

むこうの方から、そんな会話が聞えてくる
隣に座ると 喧しくて とてもじゃないが ノンビリと釣りは出来ない
然し こうして離れている分には こぼれて来る会話が退屈しのぎになるのである

「 まあ 頑張ってや 」
「おおきに おおきに 」
・・と そう云ってギャラリーは去って行くのである
此れ いつものこと
 ギャラリー・守口の人
人気者の親分
親分の顔を見るとギャラリーは寄って来る、そして 声をかけるのである
さっきのギャラリーが去って1時間程すると
「 おはようさん ドナイ ? 」
通りかかったギャラリーが 声をかける
「 2枚や  さっき始めたばっかりや 」
「 さっき・・て (来るの) 遅いなァ 」
「 (わしは) 夕方のジアイ 狙っとるんや  日のッ暮れまで するからな 」
「 これからや 」
「 昨日は良かったでェ・・・」
「何枚 釣った?」
「 9枚ヤ 」
「 ホウ・・」
「 ヘラが 6・・・7枚  マブが2枚  鯉が・・・」
うっかり・・釣り上げた枚数の勘定が さっきと合わない
(いつものように) ヤツトル やっとる
「 あっちの方で ホラ 吹いとるでエ 」
・・と 皆の声
然し ご当人
其も 承知の上で 『 ホラ吹いて』 楽しんでいるのである

親分の会話
聞くとはなしに 耳を傾ける
此れも亦
愉しいもの・・なのである

次回 傘がない に 続く
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