道端に放置された成人雑誌のグラビアの
豊満なウーマンが雨に濡れ風に晒され、太陽の下で存在を無下にされている
「いっときだよ、繋がりなんて」
彼女のたぶん真紅だったのだろう分厚い唇は
そんな悟りを本物よりも理解している気がした
冷たい空気の中の、焦点を絞った日中の光は
柔肌の上でチリチリと音を立て
俺は高性能のレンジの中で、焼けていく魚みたいな気分になる
ビビッ・バパッ、クラクションの音が
貴重な一分一秒を主張しているが
それほどタメになるようなことは奴らの目的地には多分待っていない
ただ待ちたくないだけ、数分程度の赤信号を
リコーダーの音が聞こえる、小学校が近くにある
俺は回想する、俺のリコーダー、俺の学習机
それはまるで他人の子供のことのようだよ
悔しかったことだけはいまだに心臓を握りこむけれど
あの頃はいろんな挨拶をしてた
「おはようございます」「いただきます」「さようなら」
今使うのはさようならだけ、おざなりなものと心からのもの
そこそこに伝えるためのさようならだけ
あの頃から、きっと
何かが壊れたまんまなんだって気付いたよ
グラビアのウーマン、きみを拾って帰りたいけれど
ごめんよ
繋がりは
きっといっときだけだもの
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