四日間の奇蹟 （朝倉 卓弥 著）

＜あらすじ＞
ピアノが弾けなくなった音楽家と知的障害を持ってはいるが一度聞いた曲を完璧に演奏できる少女が、慰問コンサートでたまたま訪れた病院。

ヘリコプターの墜落事故をきっかけに音楽家の身の回りに起こる不思議な出来事と4日目の奇跡。

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ファンタジーなのかミステリーなのかSFなのか…私の中ではとかく分類のできない本でした。

私が最近、手に取る本はことごとくこういうのが多いのです。
なんていうのかなあ。ページの半分か2/3は現実をたんたんと述べていて、人との出会いやともすると恋におちたり…そしてそれ以降は、登場人物が死んだり、入れ替わったり…

すごく純粋な恋愛小説かと思えばそうでもなく、現実ではありえないイリュージョンが起きたりする…純恋愛小説を読みたかった私としては結構がっかりなわけですな。

とはいえ、この小説はとても「やさしい」と感じたお話でした。
知的障害をもつ少女は自分の意志を言葉で表すのがとても苦手です。それ故に、自分がどんな風に思っていて、何を負い目に感じているのかを上手に表現できません。
その少女のもつひたむきな優しさ、切なさが最後にとてもよく現れていました。

大げさに言うと「生きることをあきらめない」ということを改めて感じる1冊でした。