委員会報告 臨床神経生理学 44(6):513―515,2016513
宇川義一,生駒一憲,魚住武則,鬼頭伸輔,齋藤洋一,谷 俊一,寺尾安生,飛松省三,中村元昭,藤木 稔
日本臨床神経生理学会 脳刺激法に関する委員会
最近,国際臨床神経学会のホームページで,経頭蓋直流電気刺激,経頭蓋交流電気刺激の個人的な使用に関する勧告が出された。そこで,日本臨床神経生理学会では,その日本語訳を以下に示すことにした。最終的結論に,本学会の脳刺激委員会としても賛成である。
背景:経頭蓋電気刺激(transcranial electric stimula-tion (tES)),とりわけ経頭蓋直流電気刺激装置(trans-cranial direct current stimulation (tDCS))は人の脳に影響を与えることのできる研究用ツールとして開発され広く用いられている。この方法は,素人でも簡単に使用できる上,コストも安いので,脳機能を高めたり,病気の治療にさえ用いることのできる,素人でもできる治療法(do-it-yourself (DIY))としても用いられるようになってきた。ここで“自分でできる”(DIY)という意味は,必ずしも既に効果が証明されているプロトコルに則って行うのではない。または確実に効果があると保障されている以外の機器を用いて刺激することがある。自己治療者(DIY-ers)は自分の脳機能を高めたいと思っている健常者のこともあるし,疾患(慢性疼痛,季節性情動障害,全般性不安障害,双極性うつ病,統合失調症など)の治療をしたいと思っている患者のこともある。これらの人達が主として目指しているのは,自分で刺激をして脳機能の改善・疾患の治療を行い,その効果を自分で観察し確かめることにある。
◦自己治療者は,3つのグループに分類される。1)筋金入りのDIYは,自分で“キット”を購入したり,自分で組み立てた刺激機器を自宅で使用する。時には,この自家製の機器をインターネット上で売ったりする人さえもいる。得られた科学的知識を別のインターネットのページに掲載したり,素人でもわかりやすい形で紹介する場合もある(例えば,http://www.reddit.com/r/tDCS, http://www.diytdcs.com; tdcsplacements.comを参照)2)自宅での機器使用者は,機器をインターネットで(あるいは会社から)購入し,自宅で医師の監督外で使用する。3)医師より合法的に“適応外の治療”として刺激機器を処方され,医療従事者の監督下もしくは非監督下で自宅において治療を行う患者達である。tESを用いたときのリスクや障害のメカニズムを科学的に評価すると以下のようになる。
◦脳に影響を与える刺激パラメータを最適化するために科学的なプロトコルが作られており,これによって脳の興奮性を選択的に促進したり抑制したりすることができる。その効果は,多くの場合磁気刺激(transcranial magnetic stimulation (TMS))によって誘発される運動誘発電位(motor evoked poten-tials (MEPs))のような客観的指標で評価されてい
臨床神経生理学 44巻6号514る。このような効果は,興奮性の促進という観点から有益あるいは有害な効果であれ,刺激量や刺激時間に依存している。例えば,あまりに長く陽極刺激を行うと,本来の興奮性を促通する効果が抑制効果に変化してしまうこともある1)。また陰極刺激で刺激強度を2倍に増やすと抑制効果が促通効果に変わることもある2)。一例の統合失調症患者の症例報告を除けば,最も長い刺激を行った研究は60分の刺激を行っている。しかし,DIYのウエブサイトでは,例えば,新しい言語を覚えるために一日数時間の持続の刺激を行ったというような記事もしばしばみられる。何セッションも刺激を行うことによって,上記のように効果が逆になったり,刺激目標でない部位に刺激効果が及ぶことによって,効果が蓄積して意図しない結果が起きることもある。長期に刺激を行えば脳の構造までもが変化してしまう可能性もあるが,これについては,ニューロンの発生,シナプス形成,電気走性,髄鞘形成,その他の可能性などの観点からは,これまで充分に評価されていない。
◦これに関連して,脳の機能を促進するという謳い文句にもかかわらず,市販の脳機能を促進させるための刺激機器が,実際には有害な効果を及ぼした例が報告されている3)。このことは刺激が学習や記憶を却って邪魔する危険があるとする,最近発表されたデータとも合致する。(例えば4),5))。
◦子供におけるリスク(例えば,非常に意欲の高い両親が家庭で刺激機器を子供に使う場合など)は殆ど研究されていない。小児では頭蓋骨の厚さが薄いため刺激の強さは弱く設定したほうが良いと考えられる6)。例えば子供の脳では,2 mAの強さの刺激でさえも,大人では多くのプロトコルで用いられ安全とされてきた刺激の強さより強くなってしまう可能性がある。
◦主観的な効果は,“閾値以上”のプラセボ効果によって引き起こされる可能性があり,刺激の最初に“閾値以下”の副作用を伴うこともある。刺激を長期に繰り返すと望ましくない可塑性が誘発され,このような副作用を強化してしまう可能性もある。このような長期の副作用は,経口薬剤の副作用と必ずしも異なっているわけではない。しかし,例えば,刺激部位に新しい異常な神経結合が形成されるリスク(電気走性)があるため,刺激による有害事象には薬物治療ではこれまで知られていない新しい側面がある可能性がある。
未解決の問題
◦法的な規制や配慮は国によって非常に異なる。医療目的でtDCS装置を用いる際には,医療機器に関する法令に基づいて,CE保証のついた機器のみに購入を限る国もある(ドイツなど)。さらに,MPGにリストされた医療従事者だけがこれらの機器を治療として用いることができる。しかし現在の医療機器に関する法制は,認知機能を向上させる目的でのtDCSなどの機器の使用について規定しておらず,このような使用は今のところ合法的な患者のケアの範囲外にある。例えばドイツでは,会社から刺激機器を購入し“適応外の治療”として法的に処方され家で使用する場合には,これに加えて医療従事者による監督下で行ったり,資格をもった医療スタッフから正しい機械の取り扱い方を教えてもらう必要がある。アメリカのように,規制の範囲がそれほど狭く限定されていない国もあるが(例えば7)参照),それでも家庭における治療は規制されていない。◦しばしば,刺激機器を医療機器,消費者機器,あるいは一般的な福祉機器に分類すべきなのか,あるいはすでに分類されているのかが明らかでないことがある。そのため,家庭で機器を使用する人は,機器の誤作動・故障の可能性から守られていない。機器が医療機器に関する法令や食品医薬品局(FDA)の品質システム(QS)基準に従っていることを証明するCEマークの保障があるときに限り,消費者は会社によって保護される。
◦刺激量や組み入れ・除外基準,その他のプロトコルの問題点などを含む厳格な安全基準の策定:副作用を報告する義務,あるいは副作用を報告する可能性すら正式に規定している決まりがないので,薬物治療に比べて有害事象が見出されるまでにはるかに長い時間がかかる。
推奨
必要条件:このような状況に鑑み,国際臨床神経生
5152016.理学会(ICFN)は医学上の適応のある治療(家庭あるいはクリニックにおける)のためのtESのいかなる使用も,医療機器の基準に達した,あるいはCEマークで保証されている消費者機器を用いて,医療従事者やトレーニングを受けた職員の監督下でなされることを推奨する。アメリカでは,所轄の規制機関により“処方なし“で用いてよいとの認可を受けている機器も,合法的に用いることができる。
必要および十分条件:医療機器の使用については,臨床試験において医学専門家の評価のもと安全で有効と判断されたプロトコルの使用が必要・十分な条件になる。臨床的な評価に基づいて,機器メーカーは取扱説明書の中にこの情報を含めなくてはいけない。非医療機器の場合には,家庭で刺激を行う場合も含めて,効果と安全性は標準化されなければならない。多くの科学的研究は,それぞれ特定の研究において,ある限られた認知機能について肯定的なあるいは否定的な結果の双方を示している。多くの家庭での刺激用のプロトコルがきちんとテストされているわけではないので,またどのパラメータが最も感度が高いかについて注意深い追試がなされているわけではないので,刺激による効果が肯定的から否定的に変わってしまうこともありうる。
従って,IFCNは効果と安全性の両方が示されていない限り,DIY機器およびそのプロトコルの使用は推奨しない。
文献1) Monte-Silva K, Kuo MF, Hessenthaler S, Fresnoza S, Lieb-etanz D, Paulus W, Nitsche MA: Induction of late LTP-like plasticity in the human motor cortex by repeated non-inva-sive brain stimulation. Brain Stim 6: 424−432, 2013.2) Batsikadze G, Moliadze V, Paulus W, Kuo MF, Nitsche MA: Partially non-linear stimulation intensity-dependent effects of direct current stimulation on motor cortex excit-ability in humans. J Physiol 591: 1987−2000, 2013.3) Steenbergen L, Sellaro R, Hommel B, Lindenberger U, Kuhn S, Colzato LS: “Unfocus” on foc.us: commercial tDCS headset impairs working memor y. Exp Brain Res 2015 Aug 18. [Epub ahead of print]4) Ambrus GG, Zimmer M, Kincses ZT, Harza I, Kovacs G, Paulus W, Antal A: The enhancement of cortical excitability over the DLPFC before and during training impairs catego-rization in the prototype distortion task. Neuropsychologia49: 1974−1980, 2011.5) Furuya S, Klaus M, Nitsche MA, Paulus W, Altenmuller E: Ceiling effects prevent further improvement of transcranial stimulation in skilled musicians. J Neurosci 34: 13834−13839, 2014.6) Moliadze V, Schmanke T, Andreas S, L yzhko E, Freitag C M, Siniatchkin M: Stimulation intensities of transcranial direct current stimulation have to be adjusted in children and adolescents. Clin Neurophysiol 126: 1392−1399, 2015. 7) Wexler A: The practices of do-it-yourself brain stimulation: implications for ethical considerations and regulator y pro-posals. J Med Ethics 2015 Aug 31. [Epub ahead of print]
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