先生は,こんな本を読んでいます

読み聞かせを15年間毎日続けているちばちゃん(先生)が
読んできた本の紹介をします

16.リチャード・コリヤー『スペインの貴婦人』清流出版2005年

2006年02月24日 | Weblog
▼ 副題は『スペイン風邪が荒れ狂った120日』というタイトルで
 す。
  このインフルエンザウイルスには、各国で独特の名前がつけられ
 ました。

    ●日本・・・相撲熱
    ●スペイン・・・ナポリの兵隊
    ●ドイツ・・・電撃カタル
    ●ロシア・・・スパニッシュ・レディ(スペインの貴婦人)

  多くの国々では、ロシアのように「スペインの貴婦人」と呼び、
 これがスペイン風邪の由来なのではないかと思います。

▼ このインフルエンザには、世界の人口の半分以上がかかったと言
 われています。
  日本の当時(1918年)の人口は5500万人でした。その半 
 数以上の2300万人がスペイン風邪に罹患しています。死者は何
 と39万人でした。

▼ この疫病の猛威を示した文が載っています。

    ケープ・タウンで、輸送軍団の運転手をしていたチ
    ャールス・ルイスは、休暇で、5キロメートル離れ
    た海岸の両親の家へ行くために電車に乗ったが、そ
    の電車の車掌は、発車の合図をしようとして、プラ
    ットホームに立ったとき、倒れて、そのまま死んで
    しまった。それでも、ルイス自身が発車係を務めて、
    電車は動き出したが、何分も経たないうちに、次々
    と乗客が倒れて死んでいった。そのため電車は、ま
    だ生暖かい死体を市の馬車に渡すために5回も止ま
    らなければならなかった。しかも、海岸までの道の
    りの4分の3まで行ったところで、運転手も前に崩
    れるようにして倒れて死んでしまい、結局、ルイス
    は、まだ生きていることを感謝して、家まで歩いた
    のである。

 というウソのようですが、本当の話のようです。

▼ みなさんは、インフルエンザにかかったことがありますか?
  私は忘れもしない、5年前にかかりました。
  その年は卒業生を受け持っていました。この年はインフルエン
 ザのピークが3月に来てしまったのです。
  卒業式の前日まで、数人の子どもが欠席する状況になりました。
  他の学年は、学級閉鎖になっています。
  卒業式、37度以上が二桁(計80名いました)という状況に
 なり、卒業式が危ぶまれましたが、何とか無事に終わりました。
  その4~5日後、安心からか、私がインフルエンザになってし
 まいました。
  熱がなかなか下がりません。
  離任式に、熱が38度ぐらいある中、全校の前であいさつをし
 たのを覚えています。
  今年は、例年に比べると、罹患率が低いように思えます。

▼ スペイン風邪の罹患率は、こんなものではなかったはずです。
  しかし、どんなウイルスなのか、誰にもはっきりわからないそ
 うです。
  当時、誰も確認することができなかっただけではなく、明らか
 に生き残っていないからだそうです。
  最近、問題になっている鳥インフルエンザの影響で、この本が
発行されたと思いますが、再び、このスペイン風邪のような疫病が
流行る時代が近い将来、来るのでしょうね。
私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
 なって下さい。