考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

年金騒動と社会保障番号

2007-06-19 01:21:21 | 徒然なるままに

家に帰って「NEWS23」を見ていると、
年金手帳が2通送られてきたというケースを取り上げていました。
なぜ2通送られてきたのかと言うと・・・
20歳になると市役所から社会保険事務所に通知が届くんですね。その通知を元に年金手帳を作るのだそうです。
その際、20歳になった当該者は女性なんですけど、その市役所からの通知に最初に「男性」として記入されたものが届き、その後、訂正分としてか(?)「女性」として再度届いた。ご丁寧にも社会保険事務所では男女それぞれ1通ずつ、合計2通作成して送付した。
と、こんな話です。

ボクは、市役所も社会保険事務所も杜撰な処理をしているな~という感想なんですけど、
このタイミングに、年金不信のコーナーで取り上げると、一方的に社会保険庁問題に結び付けられるんでしょうね。
でも、実はここが年金問題にとっては、とても重要なポイントなんです。

基本的には、公的年金の実務処理は社会保険庁の仕事です。
しかし実際は社会保険庁だけの仕事ではなく、20歳になったときには資格取得の届出は市役所で行うんです。そうして、市役所から社会保険庁に通知がいく流れです。つまり冒頭に述べたような事例など、市役所が個人データを間違っていたら、最初から宙ぶらりんになる運命の年金データが出来てしまうんですよ。
現在でもこんな状況ですし、平成9年に基礎年金番号で一元管理するまでは企業でも同様の事務を担ってきた経緯もあり、この問題はただ社会保険庁だけが悪いというのは酷ですし、誰かを一方的に叩くだけではどうにもならないだろうとボクは感じています。

そういう意味では、人を把握する最も基本的なデータベースであるだろう住民票データと、国民年金の仕組みがリンクしていない(同期が取れていない)ことがこの巨大な年金システムの最大のネックなんですよね。
このままにしておけば、こうして多くの人と時間とコストをかけて消えた年金を探しても、きっとまた消えますよ。

6月15日の日経新聞の朝刊では「社会保障番号」なんて話も出ていましたけど・・・

社会保障番号を導入しても、結局、本質的には何も変わりません。
なぜなら今でも「基礎年金番号」という本来は国民にひとつずつしか振られていない番号があるんです。でも、年金データはバラバラ。
つまり、生まれたときから番号を持たせていかないことには、どこかで人とデータが別れる可能性は残ります。川下でデータを統合しようと思っても、川上でバラバラになってしまったものは困難です。
断言しておきますけど、社会保障番号を導入する際に、きっと同様のバラバラ事件が起きます。

また、ついでに言っておきますけど、「総合社会保障口座」はナンセンスですね。
年金、医療、介護の給付と負担を一元管理って・・・
給付と負担が一元管理出来るなら、そもそも制度を分ける必要なんてないんですよ。本末転倒です。
そして、「年金カード」なんて話もあるようですけど、これもどうなんでしょう?
非公務員化した社会保険庁を銀行にでもしたいのでしょうか。これだけ民間の銀行があり、ATMがあるんですから、今までどおり銀行振り込み&銀行キャッシュカードで十分ではないかと。

みなさん、ハローです。ホディです。

「社会保障番号」を検討するならば、「国民総背番号制」「国民番号」を検討すべきではないでしょうか?
今回の「社会保障番号」もそうですけど、こういう話が出ると必ず新聞には「個人情報保護の観点から慎重論が根強い」と書かれますけど、本当でしょうか???

個人的には、現在でも(確かにバラバラかもしれませんが)すでに情報は管理されているんですから、そんなに慎重になる必要はないんじゃないか。「裏金」がないのであれば、今でも税務署などはボクらの個人情報をしっかりとつかんでいるわけですから。
それよりも正しい所得を捕捉しやすくなると言う点からすれば、メリットのほうが大きいと思うんですよね。
慎重になっているのは誰なのか???

どうなんでしょう?
「個人情報保護の観点から慎重であるべき」と思われている人がいたら、是非、この無知なボクにご教授ください!

でも、こうして年金データがバラバラの実態を見ると、
きっと「所得データ」もバラバラなんじゃないか?とボクは思います。
税には、税制度の中だけの基礎「税」番号すらないわけですからね。
そう思いませんか?

そして、もう一度、年金について言えば、支払いのほうも多分、バラバラなんでしょうね。
本来は一人一年金が基本ですから、国民年金(老齢基礎年金)と障害基礎年金、あるいは国民年金(老齢基礎年金)と遺族基礎年金などを同時にもらうことはないはずなんですけど・・・
単なる直感ですけど、間違って両方もらっている人もきっといるような気がします。
亡くなっているのに支払い続けている年金もありそうですし。。。きりがないですね。

せっかくなので、最後に書き残しておきますけど、
みんなで年金、年金と騒ぎすぎですよね。
騒いでいるのは今の年金。

「将来の年金、次の世代のために、我々の年金は国の良心に任せた!」

と言ってくれる先輩の出現をボクは期待しています。

いつものスクールウォーズの言葉ですけど、
信じ、待ち、許してやる、
それが今、年金制度を正しく導く最大の方策ではないかと。

あと69日。


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