考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

新卒3年ライン

2010-10-15 23:56:21 | 徒然なるままに

「新卒」という文字がニュースに紛れ込む割合が増えているのではないか?
そう感じるのはボクだけでしょうか?

文部科学省では、経団連などに大卒3年以内を新卒扱いにするよう要請したのだとか。
早速、ニュースには、行政の意を汲んだ(報道側が?企業側が?それとも両方?笑)記事がありました。

卒業3年以内は「新卒」 ラーメンの幸楽苑、採用枠拡大

ラーメンチェーンの「幸楽苑」(福島県郡山市、東証1部上場)は14日、大学や短大、専門学校を卒業して3年以内の人は、新卒者として採用する、と発表した。就職難を受け、政府が新卒扱いの範囲拡大を求めていたことに応じた形だ。



この記事でビックリしたのは、幸楽苑のような会社でも「新卒」と「中途」の区別をしているということ。
ボクのイメージでは、本当に勝手な想像なんですが、基本的には採用の窓口が広く開かれている(?)、
アルバイト・パートタイマーからの登用なども行っている(?)、という感じ。
要するに、様々なキャリア・経歴、幸楽苑歴の人を広く集めていて、4月入社の人数が多いなどの特徴はあっても、
「新卒」と「中途」問わずに、入社後にはいろいろなポジションや役職、それに応じた給与設定があるんじゃないか、
と思っていたんですよね。
そういう意味では、ちょっと残念なほうに意外なニュースでした。

それにしても、卒業3年以内を新卒者とする、なんて妙な案が出てきたのはどこからなんでしょうね?

事の本質は、新卒信仰の多くの日本企業が、学校を卒業した直後の4月入社者(これが新卒)の採用にこだわって、採用数のコントロールを、その人数を中心に行おうとしたため、景気の波を極端にその新卒に向けてしまう結果(日本社会の雇用数の調整弁)となっていることだとボクは考えています。
それによって、採用の窓口が新卒以外には狭くなり、中途採用が活性化しない、仕事のミスマッチなどで会社を辞めざるを得なくなった人の受け皿が少なくなるなど、新卒以外の雇用の自由度も制限することになってしまっているんですよね。

この「新卒」の枠を、「その年だけ」から「その年から3年前まで」なんて広げてみても、そういう風に年代で一定のラインをひこうとする限り、極端な採用の片寄りは修正されないことは自明じゃないでしょうか。(幅が1年が3年になっただけで、制約自体は変わらないので。)
逆に「新卒」なんて定義を、それこそ法的に定着させかねない懸念を感じています。ボクもこのブログで、こうして何度も「新卒」って使っているので同罪かもしれませんが、この単語を当たり前に使うことのデメリットのほうが大きい気がします。

3年以内を新卒にしますなんて、訳の分からない日本語を使うのはやめる方向、つまり「新卒」や「中途」の区分なんてやめました。学歴・年齢・経験不問、給与はキャリア・経験・当社アルバイト年数で応相談くらいのやり方に変えていく必要があると考えています。
新卒にラインを引くなんて無駄なことはやめて、まずは、年齢や新卒か否かを採用基準にすることを制限するような施策を考えたほうが良いんじゃないでしょうか。


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