三脚マンと弱力女の登山日記

登山が趣味の夫婦です。

北岳(6日目)快速下山

2010年03月20日 | 登山
日付 :2010年1月11日(月)
天気 :雪のち曇りのち晴れ
コース:吊尾根の中間地点→ボーコン沢の頭→池山御池小屋→あるき沢橋→奈良田
















1日目
2日目
3日目。
4日目前編
4日目後編。
5日目


















夜明け前、月がポッカリ東の空に浮かんでいた。












今日もまた、間ノ岳が闇の中でぼんやりと佇んでいた。












北岳も眠りから目を覚ます頃だ。
緊張してその時を待った。


今日も北岳の姿自体は変わらなかったが、明らかに昨日までとは違ったもの。
風向きが変わっている。
珍しく、南からの風。
湿った空気が流れ込んでいるのだ。


低気圧は私たちの北側を通過しているのか?
どちらにせよ、天気は崩れる可能性が高い。












東の空がだんだん明るくなってくる。

強い朝の陽ざしを期待する。












富士山の上空には、笠が、できては消えてを繰り返している。
天気が崩れる兆候はここにも出ていた。













雲間から光が差す。












一瞬、強い光が差した。












北岳が少し赤味を帯び出した。












しかし、劇的に赤く輝くことはなし。













差し込む光に、ウニョウニョ動き出す雲海。
まるで生き物。












予想することができなかった南風を、まともに受けているテント。
入口が風上に向かっている。

このまま下手をすると、テントが飛ばされる。












日が陰り、色のないモノトーンの世界がやってきた。












下方からの雲海も、徐々に上がってきている。












急いで撤収に取り掛かるが、予想以上に強い南風に、四苦八苦。
とりあえずザックの中に詰め込んだ。












時間が経つにつれ、さらに強まる南風。

昨日積もった雪が舞いあげられ、視界を奪っていく。












風は強いが、昨日までの切り裂くような冷たさは影をひそめた。












ざわつく雲海。












灰色の世界。

もう、家に帰る!
こことは、おさらばだ!












ボーコン沢の頭を下れば、北岳はもう見えない。
「また、来るぜ!」












間ノ岳も、少しずつ尾根に隠されていく。












稜線上の5日間。
常に見てきた間ノ岳。

「またいつか、来るぜ!」












樹林帯の中は、歩くべき道がどうもはっきりしない。












まさに、この赤印が頼りになる。












樹林帯。
朝方からの風で、雪が舞い上がっていた。












もうすぐ、雲の中だと考えながら標高を下げるが、幸運にも、雲海も少しずつ下がっているようだった。
鳳凰三山も目の前にいつまでも見えていた。












2300メートル近くまで標高を下げ、また少しだけ登る。
右手に樹林帯内を曲がり尾根上を歩いていくと、木々の間から間ノ岳が少し見える。












さらに左手に曲がる。
そこからは、池山御池小屋への急坂が始まる。
下りなので、くたびれたら、尻セードも可能な場所だ。












池山御池小屋。
昼ご飯を食べて、最後の休憩とした。












ここまで標高を下げると、風の影響もなく、トレースはバッチリである。
迷う危険はほぼなくなった。












もうここまで来ると、早く家に帰りたい。
うまいものが食いたい。
風呂にも入りたい。
そんなことばかり考えながら、一気に下る。












あるき沢の登山口。
ここまでくれば、あとは惰性ででも歩くことができる。












ただし、とっても長~い。












吊尾根隧道。
この上には池山御池小屋からの廃道があるはず。
「マークスの山」に登場する登山道だ。
怖いので、あまり考えないようにして、さっさと歩いた。












一つの懸念事項。
林道を歩きながら考えてきたこと。
そう、この柵をどう越えるかだ。

荷物をバラして通してから、空身で越えるか?
それとも、力づくでザックを背負って、越えるか?

面倒なので(苦笑)、力づくを選択。
なんとか越えることができた。












なんとも、難関が最後に待っている。
なんとか通れるようになるといいのだが・・・。












ようやく車に到着。
ザックを投げ出した。

終わってみれば短いが、やはり6日間は長かった。
さすがに人恋しくもなってしまった。

まだまだ、真の山男にはなれないようだと思った(苦笑)











関連登山。

北岳の登山のいろいろはこちら















最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (しょもも)
2010-03-20 21:23:07
あれれ?この連休はお休みですか?
まさか日曜には登らないですよね?

あぁ、素晴らしい雲海と富士山と昇る朝日です。
これをインターバル撮影して動画を作ったらスゴイものが
出来そうですよ。
返信する
こんばんは ()
2010-03-20 23:22:39
無事の帰宅。お疲れ様でした!尻セードとは、お尻で滑る事ですか?尻スキー??やってみたいですo(^^)o
そーゆうの大好きです!灰色の世界は何処か寂しいですね。。三脚マンさんには青空がお似合いですね!ジャンプみたいでーす。
私も夏に広河原~右俣~北岳の往復行けたらいいなっと思っています。
返信する
すばらしい! (RN)
2010-03-21 17:02:11
う~ん 絵葉書のような雲海の富士山だね~
鳳凰三山の前の樹もいいねえ~
返信する
しょももさん (三脚マン)
2010-03-22 08:20:04
コメントありがとうございます。

あ~、今週は家にいます(涙)
日曜日、すごい風でしたね。
下界でも、飛ばされそうになるほどでした。

しょももさんのインターバル撮影。
いいですね~。
私のカメラにはその機能がなく、撮れないんですよ~(涙)
きっと、あの雲海をしょももさんが撮ったら、すごい絵が撮れたと思います。
雲海が日に当たって、ウニョウニョ動いてましたもの。
しょももさんの動画、楽しみにしています。
返信する
都さん (三脚マン)
2010-03-22 08:26:44
コメントありがとうございます。

なんとか無事、帰ることができました。

>尻セード
とは、そうです。
お尻で滑ることです。
ある程度斜度があればできると思いますよ。
ただし、停まるのが難しかったりします(苦笑)
とっても楽しいですよ!

是非、北岳に挑戦してください。
登り応えあり!
感動の絶景あり!・・・です。
返信する
RNさん (三脚マン)
2010-03-22 08:30:28
コメントありがとうございます。

雲海の上の富士山。
とってもきれいでしたよ!

写真ではなかなか伝えることができません。
現物では、雲海が上下に海のように動いていました。

南アルプスからの富士山はでっかくて、迫力があって、何度見てもスゴイですよ。
返信する
さすが日本一 (RN)
2010-03-22 08:41:36
  ふじの山

 ♪あたまを雲の上に出し
  四方の山を見おろして
  かみなりさまを下にきく
  ふじは日本一の山♪

 あたまを雲の上に出してますね~

返信する
お疲れさまでした。。 (スロートレック)
2010-03-23 10:18:56
素晴らしい6日間、下山日まで富士山と北岳に
囲まれて、最高な時間ですよね
しかし、最後の難所?あれはマークスの山の
アイスハーケン思い出すよか、よほど怖いと
思うのですが?
あのオーバーハングをどうやって登頂された
のか、大変気になっております
もしゃザイル出したとかw( ̄ー ̄)
とにかくご無事で何よりです♪
返信する
RNさん (三脚マン)
2010-03-23 23:52:46
コメントありがとうございます。

♪ふじの山

懐かしいですね。
小学校の音楽の時間に、歌いましたよ~。

なんだか、メロディーが頭から離れません(苦笑)
こんど、山の上から富士山を見かけたら、なんんだか、ふじの山が聞こえてきそうです(苦笑)
返信する
スロートレックさん (三脚マン)
2010-03-24 00:02:11
コメントありがとうございます。

いや~、ここは最高の展望地ですよ~。
懲りもせず、また行きたいなんて思っています。

マークスの山は、なんだか心に残ってしまう話でしたね。
なんだかああ言った二重の心理って、誰でも持っているような・・・。
そんなことを考えたような記憶があります。

>オーバーハング
確かにオーバーハングですね(笑)
左側の斜面を遠くから回り込んで、上から標識を伝って、柵に飛び乗りましたよ。
真正面からは完璧なオーバーハング!
無理です。
横から攻めました。

帰りは小さな起点を使って、力づく(笑)
なんとかなるものです(?)
たぶん。

返信する