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日本版401k誕生秘話!

2010年12月24日 | 厚生年金基金

日本版401k誕生秘話!

 

「誰も知らない厚生年金基金-代行返上前のドキュメント」です。

 

 

 

はじめに 

 

社会保険事務所で相談しても、社会保険労務士に聞いても、Webサイトで調べても、……誰も知らない厚生年金基金! いったい、どうなっているの? というのが、厚生年金基金です。こんな疑問が巷にあふれています。 

 

この本は、厚生年金基金事務所の25年に及ぶ実務経験(事務所の人的物的体制構築・規約規定の整備・基金業務の機械化・加入員の年金計算年金振込み・基金財政の検証・基金の予算決算・ライフプランセミナー開催・OB会運営・年金給付改善・資産運用体制構築・年金調査研究等)と、社会保険事務所の年金相談員5年経験(ほぼ30,000人と面談)の年金カウンセラーが、「厚生年金基金」という堅い話をなんとか柔らかく皆さんにお伝えしようと試みます。

つまり、学者先生が書けないインサイダーによるドメスティックな本になります。ハウトウものや解説本や教科書ではありません。その類の本は筆者の任にあらずです。

そのため、論文調の退屈さ・窮屈さを避けるため、既にWebサイトでたくさんのヒットをいただき好評のコンテンツ(年金カウンセラーのSKYDrive「厚生年金基金アーカイブ」)等から、「基金って何?」、「囲い記事の引用文」、「講演録」、「事例集」、「Q&A」、「401(k)調査」等による話としました。

要するに、いろいろな語り口を通じて、皆さんにお楽しみいただきながら、自然に、「厚生年金基金」のイメージが定まるようにします。

 

さて、平成15年<2003年>10月、確定給付企業年金(DB Defined Benefit)である厚生年金基金の将来分代行返上が法律で認められ、一気に660基金の「代行返上」が始まりました。そのほかに平成13年<2001年>に始まった確定拠出企業年金(DC Defined Contribution)に移行した基金(30基金)や「基金解散」も急拡大し、全国にそれまで1800余基金あったのが、1000基金になり、平成22年<2010年>2月1日現在では609基金になっています。

このように、いまやあたかも「厚生年金基金」は時代の要請を果たし終わり、次にバトンタッチをしているかのような状況にあります。それは、まるで米国の後追いをしているかのような景色でもあります。

 

図表1 年金主体の移り変わり


出所:米国フィディリティィ社 プレゼンテーション資料 1999年訪問 

 

と言いますのも、日本でも、老後の生活保全については、昭和40年以前はFamily家族でした。昭和40年~平成15年頃はGovernment/Company政府/企業でしたが、平成15年頃以降(米国に20数年遅れてIndividual個人の責任へとシフトしつつあるようです。

 

平成22年の現在、このような立ち位置の「厚生年金基金」は確かにタイムリーな話題ではありません。

しかし、「厚生年金基金」には関係者のマドリング・スルーな必死の切磋琢磨によって蓄積されたインフラ・ノウハウ(例えば、退職金の年金化・外部保全化、資産運用の方法、官僚まかせの他者依存意識からの覚醒、受給権保護の方法、受託者責任、個人勘定の革命性等々)には膨大なものがあります。そこに、厚生年金基金の歴史的意義が凝縮されています。 

つまり、この本はそれらの一端に言及している代行返上前のドキュメント、更にはプレ確定拠出年金のドキュメントとしてお読みいただけたら幸いです。要するに、「日本版401k誕生秘話!」です。 

 

若い人たちにとっても、新たに始まった確定拠出年金(個人勘定故の自分年金)の成功のために、この「厚生年金基金」のインフラ・ノウハウを承知しておくことは必要不可欠なことです。 

と言いますのも、日本の退職一時金制度が年金化した経緯を「厚生年金基金」を経路にして承知出来ますし、更に、その「厚生年金基金」代行方式)の限界(受給権保護が不充分)と打開策(確定拠出年金=自分年金)に触れることが出来ます。そこから、若い人たちが将来何をすべきかの方向が見えてくるからです。

 

それでは、皆さん、いろいろな語り口をお楽しみください!

 

 

 

平成22年10月

年金カウンセラー 高野 義博

 

 

 

 


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