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厚生年金基金事務長奮闘記-21

2010年08月29日 | 厚生年金基金
(22)平成10年:複合ベンチマーク対比評価方式導入
資産運用状況を把握・管理するためにどのようにしたら良いのか、長いこと試行錯誤していましたが、資産運用基本方針が定まり、評価方法が定まり、戦略アセット・ミックスがスタートしたことに伴い、この問題は自然に落着してきました。

戦略アセット・ミックスによる資産運用が始まって、最初の管理項目は各運用機関の時価残高構成比が基金の指示した戦略アセット・ミックス通りになっているかどうかをウォッチするため各資産クラス毎に「乖離」を計測、リバランスを業者に指図。次ぎに、現行では、時間加重利回りは業者によってマチマチで使用出来ないので、「修正総合利回り」を計測、各資産クラス毎のベンチマークと対比して超過収益率を求め各運用機関・各資産クラスの対比を行います。

更に、最も重要なことは修正総合利回りの「複合ベンチマーク」との対比です。各資産クラス毎のベンチマークを各資産クラス毎の期中平残にウェイト付けして、その和を期中平残計で除して複合ベンチマークとします。これと先の修正総合利回りの計の数値を比較して当該運用機関の、更には基金全体の運用成果はどうでありましたかを判定することになります。なお、この作業は今のところ四半期ベースで良いのではないでしょうかと考えています。


(23)平成10年:第6回財政再計算で16億円の積立不足金発生
平成6年度以降、利差損の先送りをしてきたため、時価移行の平成9年度決算において14億円積立不足金発生、時価評価で資産を評価すると16億円の積立不足金となり、第6回財政再計算において7年償却の財政再建計画が必要となりました。

この原因について、いろいろ考えられますが第一に制度の歪み、つまり日本経済の三種の神器(終身雇用・年功序列・企業組合)の終焉、劣悪な本邦市場等、外部要因と、内部的には利差損の先送り処分、非「適用除外申請」による平成8、9年度の低利回り、前回再計算での7.5億円の別途積立金取り崩し等が挙げられましょう。


(24)平成10年:第7回資産運用改善
4月に戦略アセット・ミックスがスタートしたばかりで、6ケ月後に又変更するについては異論もありましたが、緊急を要する事態、逼迫しましたスピードを求められる事態という委員会認識で第7回目の資産運用改善(基準日平成10年10月1日)を実施することになりました。

過去5年間をベースにしました総合評価で、格付けC(解約検討)であった4社の運用機関について委員会で解約を協議。結果、あおば生命(解約控除率13%適用)・D投資顧問解約・外資独立系投資顧問採用、投資顧問の年金特金契約を一部外資系信託銀行に変更。生保の一般勘定(全体資産の7%)については基金全体の資産運用配分の中ではリスク低減効果があるということで残すことになりました。

各運用機関への新規の掛金拠出シェアで生保への配分を廃止、給付シェアではフルインベストメントの観点から投資顧問の給付シェアは0として、信託銀行に集約しました。


(25)平成10年:戦略アセット・ミックス構築ツール採用
企業年金研究所が開発(「ファンドマネジメント」「年金運用の実際知識」の著者ファンドマネジャー山崎元氏とケンウッド基金の原見純氏との共同開発)発売しました「アセットアロケーション簡易システム」ツールを採用、エクセルにインストール。

①運用機関のアセットアロケーションの検証、②運用機関の比較分析、③アセットアロケーションの統合分析、④最適なアセットアロケーションの構築等が、計算に必要な複雑な関数がエクセル内に統合されており、数式音痴でも使いこなせるようになっています。これで、アセット・ミックスのシュミレーションとモニタリングが簡便に出来るようになり、金融ド素人の基金の資産運用手法に大きな力を発揮するものと期待されます。





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