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素材抜粋-10 デイ・トレーダー

2010年05月08日 | 読書
デイ・トレーダー

馬渕 一著 
角川書店 1999年


 デイ・トレーディング(DT)はその名の通り、1日で売買を完結する超短期の投資法だ。1日どころか、実際の売買では買った株を5~10秒後に売ってしまうこともある。ロングLong(買いから入って、保有する株式を売却して決済する通常の取引)だけでなく、私はあまりやらないが、売りから入って買い戻すショートShortもできる。



 こうした超短期売買は、日本でも「日計り」と呼ばれ、以前から行われていた。アメリカでも日本でも、株式投資の王道は長期投資とされており、日計りは典型的なギャンブル投資法でマトモな人間は手を出さないとされてきた。今でもDTをギャンブルの一種だとして、眉をひそめる人たちが、たくさんいる。


 私はこの本で、DTはギャンブルではなく、ハイテクとネットワークの急速な進化の中で新しく生まれた資産運用の有効なツールであるとともに、人生の新たな可能性を開くものであることを伝えたいと考えているが・・・・・・・


 まず、株式売買手数料が違う。・・・・・・・(日本の手数料は)All Techのざっと30倍だ。当然、利益を確保するためのハードルも、30倍高くなる。このようにDTは、売買手数料の劇的なディスカウントによって可能になった。


 DTと「日計り」のもうひとつの違いは、売買システムだ。
 従来の株式投資では、証券会社に電話して売買注文を出すくらいしか、個人投資家の取引方法はなかった。リアルタイムの株価を知るためには、こまめに証券会社に電話するか、証券会社の店頭にある株価ボートにかぶりついているしかなかった。こんな原始的な方法では、プロの機関投資家と対等に渡り合えるはずがない。


 それに対してDTでは、個人投資家がプロのディーラーと比べてもまったく遜色のない、優れたシステムを安価に利用することができる。


 こうした条件を満たすことによって、DTは「日計り」のようなギャンブル的手段から、リスク分散のための優れたトレード方法へと進化を遂げたのだ。


 DTとディスカウント・オンライン・ブローカーを使ったトレーディングの違いは、使用する機材とシステムを見れば一目瞭然だ。ディスカウント・オンライン・ブローカーでは、インターネット・エクスプローラInternet Explorerやネットスケープ・ナビゲータNetscape Navigator などの無料ブラウザを使って株式売買するが、これでは決定的に速度が遅い。また、ディスカウント・オンライン・ブローカーの売買執行の信頼性が低いという問題もある。


 こうした環境に比べると、All Techで使っているPC Quote (ソフトウエア)とATTAIN(システム)は素晴らしいものだ。少なくともこのクラスの機能と応答性がないと、DTで利益を出すのは難しい。


 All Techで使っているPC Quoteは、1日、数日、数ヶ月、数年のチャートを、日足・週足で自由に表示させる性能を持っている。もちろんすべてリアルタイムで、サイズや数の制限もない。マーケットの今という瞬間が、そのまま目の前の画面に表示されるのだ。


 さらに、DTで使う売買システムとディスカウント・オンライン・ブローカーとの決定的な違いは、売買に要する時間だ。・・・・・・・。仮に個人で使える専用線で接続していたとしても、売買高が急激に増えるとオンライン証券会社のサーバーがビジーになったり、最悪の場合にはダウンしたりする恐れもある。肝心な時に売買が執行できないのは、DTにとって致命的だ。


 それに対して、All Techの高速システムでは、サテライト(衛星)回線でNASDAQのメインフレームに直結し、マーケット・メーカーと直接売買することができる。簡単に言えば、ディスカウント・オンライン・ブローカーを使うトレーダーが、渋滞している一般道をのろのろと進んでいるのを横目に、デイ・トレーダは高速ハイウェイを一瞬にして走り抜けていくわけだ。


 逆に言えば、これくらいのソフトやシステムがないと、DTで勝ち抜くことはできないとも言えるだろう。


 DTのシステムやソフトについて文章で説明しても未体験の人には分かりづらいと思うので、実際の売買画面を使って、DTに必要な基本機能を図解しておこう。(以下、カラー写真で、図1:All Tech Investmentで使っているソフトPC Quote 6.0、図3:PC Quoteによるマイクロソフトのレベル2ウインドウ、図5:Ticker Window、図6:Trend Lines、図7:Gann Linesで描いたグラフ、図9:チャート3種 等々が表示・説明されている。詳細は原書にあたってください。)


 要(『The Warren Buffett Portfolio』の言っていること)は、分散投資より厳選した優良銘柄に絞り込んで長期保有をしなさい、ということのようだ。確かにヘタなDTをするんだったら、こういう投資のほうが確実だ。


 DTは基本的に、1日で取引を終了させる。今までの株式投資とは、株式を保有する時間が違う。先にも述べたように、ポジションを持つ(株式を保有する)リスクを軽減するためだ。


 スウィング・トレードSwing Tradeは2~5日ぐらいの取引、ポジション・トレードPosition Tradeは1週間から、さらに長期にわたって保有するトレードのことだ。こうした取引には、「時間のリスク」がある。


 選択する銘柄を間違わなければ、株式を1日以上保有する従来のトレードをDTとミックスすることで、大きな利益を生み出すことができる。成功しているアメリカのデイ・トレーダーたちの多くは、DTとポジション・トレードやスウィング・トレードを組み合わせて、効率的に資産を運用しているのだ。


 考えてみれば、今までの株式取引は、すべてオーバー・ナイトを積み重ねた手法だということができる。


 ところが今では、この「5分間ルール」は廃止され、そのかわりに、株価が下落している途中の空売りが禁止された。要するに、株価が上昇しているときしかショートはできないわけで、これを「アップティック・ルール」という。だから、株価が下落中にショートをしても、システムがこのオーダーを受け付けない。


 たぶんそう遠くない将来に、日本でもDT専用システムを使って、株式市場に投資できる日が来るはずだ。


 米国株ファンドでも1998年の平均の運用成績は14.52%。過去15年間の年率平均運用成績は14.49%。プロのファンド・マネージャーは、デイ・トレーダのように頻繁な売買はしない。それでも、ダウの16%上昇や、S&P500の28%上昇には及ばないという結果が出ている。


 1997年と1998年のヘッジ・ファンドの運用成績などは、マイナス2桁の運用成績という惨憺たる結果だ。


 このような不利な条件を考えれば、日本から短期投資を行う場合、DTではなく、数日で利益を出すスウィング・トレードの方がはるかに安全だ。


 DTを成功させるためには、いくつかの条件がある。
 まず、専用回線に近い通信速度と安定性か必要だ。通常のダイアル・アップ接続では、肝心のときに回線が途切れたり、つながらなかったりしたときには、お手上げである。


 NASDAQの高速なワークステーションでさえ、システム不良が起こることがある。


 こういう状況では、日本側のプロバイダの不具合なのか、それともNASDAQを含むアメリカ側の問題なのかを判断してそれを解決するような悠長なことをやっている時間はない。株価が急に下がり始めて、みんながパニックになっているときなど、秒を争って脱出しなければならないのだから。・・・・・・・。こういう状況で、脱出に失敗して損をしても、どこにも文句を言うことはできない。自己責任の世界だ。


 なぜ長短のトレードを組み合わせると有利かの答えは、このあたりにあるのではないだろうか。長期の株式投資と短期のトレードは、未来が不確定な株式投資においては、お互いが保険のような役割をするのだ。


 どこかのニュースサイトの記事にもあったが、プロトレーダーの運用する投資信託の平均上昇率は、S&P500を6年連続で下回っているという。証券会社のプロトレーダーの方法論自体が、時代の流れに会わなくなってきている。株式市場でのDTの比重が大きくなることで、株価の動きや傾向が変わってきているということもあるだろう。これはDTが始まってからしばらくして起こり始めた現象だ。DTの及ぼす影響は、私たちが想像するよりはるかに大きいのかもしれない。


 ネットを使った個人の株式投資家は、今やNASDAQの売買高の12%を取引するようになり、機関投資家向けのオンライン証券会社ITGの調査によると、インターネット関連株の中でも人気のあるYHOOやアマゾンAMZNの売買高の75%がこれら小口投資家によるコンピューターを使った売買だという。


  ということは、会社の利益の何倍が適正株価に相当するという、PERのような機関投資家の常識やセオリーを知らない投資家が株式市場に数多く参入するわけだから、株価が今までの基準では推し量ることのできない水準まで高騰したとしても、けっして不思議ではないと思う。


 成功も人を選ぶ。というより、成功は意思というあなたのパワーに呼び寄せられて、少しずつ実現していくものなのだ。成功すると強く信じて、全力投球。これは、失敗がいちばん嫌う姿勢だ。


 だから、右肩上がりのチャート銘柄でトレードするというのは、リスクを減らすための基本になる。


 「下降基調ではショート(売り)、買うなら上昇基調で」というのがセオリー。



オルタブックス・ホームページ

http://www.mediaworks.co.jp/alt/

海外投資を楽しむ会ホームページ

http://www.altーinvest.com/

Daytradenetホームページ

http://www.daytradenet.com/

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