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誰も知らない厚生年金基金-代行返上前のドキュメント →30

2010年11月26日 | 厚生年金基金

3.「年金カウンセラー」とは

「カウンセリング」とは、一般的に心理学用語であって、一身上の問題を解決するために助言を与えること(広辞苑)のようです。同様に、広辞苑では「カウンセラー」とは、個人が当面する諸問題について(中略)相談に応じ、適切な指導助言を与える専門家。相談員。となっています。

日本の年金相談の現状では、個々人の条件にそった公的年金・企業年金の年金全体について個別の説明・解きほぐしが欠かせず、制度全体の裏表を承知している者による総合的な「年金カウンセリング」が必要になっているということです。

筆者は厚生年金基金業務の経験と社会保険事務所での年金相談で、上記の認識を得て「年金カウンセラー」という造語を作り、Webで使用しています。雑誌に記事掲載(ビジネスガイド2007/8、2008/2)し、新聞・週刊誌の取材(2007/6/2東京新聞・2007/9/23サンデー毎日)にも応じています。


4.取材記事

●東京新聞 2007/6/2朝刊「こちら特報部」取材記事

「1年で照合は選挙対策」
二十数年間にわたって企業の厚生年金基金担当者を務めた経験をもつ年金カウンセラーの高野義博氏(65)も「実務の経験がないから仕方ないが、国会の論戦は問題のフォーカスがずれているのではないか。五千万件ものデータを一年間で照合するというが、そんなことは不可能。十年くらいはかかる」と断言する。
当然の権利を守るための時効撤廃は容認するが、高野氏は「今の制度は国が管理する社会保険方式だが、依存心を生む。これを確定年金のように個人勘定のような方式に変えていかないと、同じようなことが繰り返される」と指摘。議論すべきは、無駄な施設建設などを防ぎ、国民にも自分の資金は自分で守る意識をどう定着させていくのか、なのだと話す。
実務経験を踏まえた上で、「役所によるデータの紛失は論外だが、役所仕事には漏れがあるものと考えておいた方がいい。自分の老後資金なのだから、記録は自分で作って役所からはぎ取るくらいの意識が必要だ」と年金加入者の意識改革を求める。

●週刊「サンデー毎日」2007/9/23 取材記事

「不安拡大! もらい損ね「企業年金」の重大欠陥」
 25年間にわたって企業の厚生年金基金の事務長の職にあった年金カウンセラーの野義博さんも、自身の経験に照らして断言する。
「社会保険庁の人も、社会保険事務所の窓口の人も、基金についてはほとんど知識がありません。ましてや、加入者のほうは自分が厚生年金基金に加入していたかどうかも知らないし、どこに行き、何を問い合わせていいかも分からないのです。それが基金の現実です」
……。本来なら国が担うべき厚生年金の運用を基金が受け持つ「代行」である。今より景気がよかった時代には、厚生年金だけに加入するよりも、社員が有利に年金を受けられるとの理由で、多くの企業が導入していた。野さんの会社も、そうだった。
「会社にすれば、保険料を国が指定した利率(5.5%)より高い利回りで運用できれば、利ザヤを稼げる。私の経験では、13%ぐらい稼いだことがありますね。ところが、バブル崩壊後はそのメリットはなくなり、利回りが5.5%を切ると、逆に会社が穴埋めしなければならない事態になった。つまり、会社にとっては、代行が『お荷物』になってしまったのです」
そこで起きたのが、「代行返上」や基金の「解散ラッシュ」である。野さんが勤めた会社の基金も数年前に解散した。では基金が解散した場合、加入者の資産はどうなるのだろうか。
「全加入者の資産が企業年金連合会に移管されます。さらに連合会には「中脱者」と呼ばれる、短期間で会社を退職して基金を脱退した人の年金資産も移されます。今回明らかになった『もらい忘れ年金』(請求漏れ年金)は、実のところ、こういった「中脱者」に多いのです。(野さん)
……。前出の野さんも、こう打ち明けるのだ。
「私が退職した数年後に基金は解散しました。解散の際には、代行返上する時と同様に、基金の記録と国の記録の突き合せ(照合)をするのですが、その際『標準報酬月額などのミスマッチが多くて苦労した』と後任者から聞かされたのです」
……。前出の野さんは「行政がきちんと年金を管理することは当然」としたうえで、「一人一人も〝武装〟すべき」と訴え、「年金履歴書」の作成を提言する。「役人のやることには限界があります。国民は、それにどう対処するか。現行制度の下では自分の年金履歴書を詳細に作って、社会保険事務所などで確認することをしないかぎり、この問題は解決しません」もはや、会社任せ、国任せにはできない。


5.読書案内

●年金
・右谷亮次『企業年金の歴史』企業年金研究所 1993
・厚生省年金局企業年金課監修『厚生年金基金事務の手引』年金研究所 平成2年
・厚生省年金局企業年金国民年金基金課監修『‘95厚生年金基金Q&A』社会保険研究所 平成7年
・厚生年金基金連合会「企業年金の将来像」-21世紀企業年金研究会報告 平成8年
・社会保険研究所『年金相談の手引』社会保険研究所 平成13年 第29版
・厚生年金基金連合会『企業年金に関する基礎資料』厚生年金基金連合会 平成14年 平成21年
・厚生省年金局監修『年金白書』21世紀の年金を「選択」する 社会保険研究所 平成10年
・Carter & Shipman ”Promises To Keep” REGNERY
・キース・P・アンバクシア、D・ドン・エズラ『エクセレントな年金経営の条件』三木隆二郎訳 金融財政事情研究会 平成10年
・浅野幸弘 金子能宏『企業年金ビッグバン』東洋経済新報社 1999
・河村健吉『企業年金危機』信頼回復と再生に向けて 中公新書 1999
・企業年金研究所『企業年金白書』ライフデザイン研究所 平成12年
・イポリット『企業年金の経済学』みずほ年金研究所監訳 シグマベイスキャピタル㈱ 2000
・中北徹『企業年金の未来』401kと日本経済の変革 ちくま新書 2001
・高原宣昭『図解 どれを選ぶ企業年金』中央経済社 平成13年
・幸田真音『代行返上』小学館 2004
・安岡孝文「企業年金を分かり易く説明する方法の勉強会」フューチャーペンションプロジェクト 2004
・久保知行『わかりやすい企業年金』日経文庫 2004
・神奈川社会保険事務局・社会保険事務所「情報満載 あなたの年金」2006
・企業年金研究所『年金お助けBOOK』2007ー2008年版 2007

●資産運用
・W.SHARPE“Portfolio Theory & Capital Markets ” McGrawーHill The Original Edition
・井出正介『アメリカのポートフォリオ革命』日本経済新聞社 昭和61
・厚生年金基金連合会 受託者責任研究会「わが国における受託者責任の確立に向けて」(第一次報告)平成8年
・山崎元『年金運用の実際知識』東洋経済新報社 1997
・山崎元『ファンドマネジメント』きんざい 平成7年
・P・バーンスタイン『リスク』神々への反逆 青山護訳 日本経済新聞社 1998
・十菱龍 山本誠一郎『年金基金が変える資産運用ビジネス』アメリカ年金運用の潮流 1998
・J.L.グラント『EVA経済付加価値の基礎』マーケットの新しい投資尺度 東洋経済新報社 1998
・樋口範雄『フィデュシャリー〔信認〕の時代』有斐閣 1999
・企業年金連合会『受託者責任ハンドブック』(理事編)1998(運用機関編)2000
・刈屋武昭『金融工学とは何か』-「リスク」から考える 岩波新書 2000
・P.アードマン『無法投機』森英明訳 新潮文庫 平成11年
・北川哲雄『アナリストのための企業分析と資本市場』東洋経済新報社 2000
・榊原英資『市場原理主義の終焉』PHP研究所 1999
・村上龍JMM VOL.3『通貨を語る』美しき為替市場の魔力 NHK出版 2000
・沢井智裕『トリプルA資産運用法』誰も教えてくれなかった優良海外ファンドのしくみ オーエス出版社 1998
・三ツ谷誠『実践IR』自社株マーケティング戦略 NTT出版 200  0
・B.マルキール『ウォール街のランダム・ウォーカー』株式投資の不滅の真理 井出正介訳 2001
・手塚集『ウォール街を動かすソフトウェア』岩波書店 2002
・相田洋『マネー革命』1~3 NHKライブラリ 2007
・浅野幸弘 格付投資情報センター年金事業部『アクティブ運用とマネージャー評価』 日本経済新聞社 2007
・本山美彦『金融権力』岩波新書 2008
・企業年金連合会『企業型確定拠出年金制度運営ハンドブック』平成21年

●経済
・笠信太郎『“花見酒“の経済』朝日新聞社 昭和37年
・岩井克人『不均衡動学の理論』岩波書店 1987
・加護野忠男『企業のパラダイム変革』講談社現代新書 昭和63年
・生田忠秀『ニッポン官僚よどこへ行く』日本放送出版協会 1992
・野口悠紀雄『1940年体制』さらば「戦時経済」東洋経済新報社 1995
・田坂広志『複雑系の経営』「複雑系の知」から経営者への七つのメッセージ 東洋経済新報社 1997
・西山賢一『複雑系としての経済』NHKブックス 1997
・J.S.ミル『自由論』塩尻公明 木村健康訳 岩波文庫 1998
・奥島孝康 中村金夫監修『ストック・オプションのマネジメント』ダイヤモンド社 1998
・山本昌弘『国際会計の教室』IASがビジネスを変える 2001
・A.シュレイファー『金融バブルの経済学』行動ファイナンス入門 兼弘崇明訳 2001    
・岩井克人『会社はこれからどうなるのか』平凡社 2003
・広井良典『日本の社会保障』岩波新書 2003
・A.コント=スポンヴィル『資本主義に徳はあるか』小須田健 C.カンタン訳 紀伊国屋書店 2006

●米国入手401(k) 本
・THE 401(k) MILLIONAIRE
・401(k) Take Charge of Your Future
・How to Build Wealth with your 401(k)
・CREATING RETIREMENT INCOME
・TAKING YOUR MONEY OUT
・Investing in Mutual Funds
・THE MILLIONAIRE KIT
・CHARLES SCHWAB’S GUIDE TO FINANCIAL INDEPENDENCE
・JOHSON & JOHSON RETIREMENT INCOME BENEFITS
・Scudder University Curriculum for Employees
・SONY Rewards & Recognition
・Fidelity Retirement Services Overview June 9,1999
・APL Limited SMART Plan (フィデリティ作成)
・APL BENEFITS HANDBOOK 2 1994


6.インターネット

・「年金カウンセラー」で検索
・年金カウンセラーのSKYDrive「厚生年金基金アーカイブ」
 http://cid-02b2f63519bf4866.skydrive.live.com/home.aspx?sa=776250713
・ブログ「人様のお金 Other People's Money 企業年金」 http://blog.goo.ne.jp/hitosamano/


著作・評論等

・哲学書『情緒の力業』(400字詰め原稿用紙553枚)近代文藝社 平成7年
・調査記録「米国401(k)調査記録」(A4×51枚) 脱稿 平成11年 Web公開
・経済書「人様のお金-厚生年金基金は何になるのか」(A4×426枚) 脱稿 平成12年 Web公開 
・経済書「厚生年金基金事務長奮闘記」(A4×134枚)脱稿 平成12年 Web公開 
・冊子記事「資産運用機関の勝手格付け」 (A4×3枚) 単独連合厚生年金基金連絡協議会「たん・れん」掲載 
平成12年 「パブリック・コメント?」(A4×2枚) 単独連合厚生年金基金連絡協議会「たん・れん」掲載 平成12年
・実用書「Q&A年金の行方(基金解散と代行返上)」(A4×36枚)脱稿 平成15年 Web公開 
・実用書「年金生活への第一歩」(A4×82枚)脱稿・発刊 平成16年 Web公開 
・実用書「事例で学ぶ年金」(A4×163枚)脱稿 平成18年 Web公開
・雑誌記事「年金履歴書の作成による請求もれ年金発見の仕方」(B5×13枚)日本法令ビジネスガイド掲載 平成19年 「企業年金の記録漏れ問題・不払い問題 具体的解決策は何か?」(B5×5枚)日本法令ビジネスガイド掲載 平成20年




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誰も知らない厚生年金基金-代行返上前のドキュメント
平成22年10月10日発行
年金カウンセラー
野 義博
メール:hitosamano@gmail.com
(A4・155頁)
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*本書の全部または一部の複写・複製・転訳載および磁気または光記録媒体への入力等は、出所明示で許諾します。




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野 義博(たかの よしひろ)
●1941年千葉市生まれ。1967年東洋大学哲学科卒業。ABC厚生年金基金に25年勤務。続いて社会保険事務所で年金相談員を5年。2001年OPM研究会設立。
●1990年欧州7ヶ国企業年金調査。1998年企業年金連合会の受託者責任研究会WGに参加。1999年米国401(k)調査。
●主な著作・評論に、1995年『情緒の力業』近代文藝社。2000年「人様のお金」Web公開。2000年「資産運用機関の勝手格付け」単独連合厚生年金基金連絡協議会冊子「たん・れん」掲載。2004年「年金生活への第一歩」Web公開。2007年「年金履歴書の作成による請求もれ年金発見の仕方」日本法令ビジネスガイドなどがある。
●ホームページ「@年金」25万ヒットで閉鎖
●Webサイト・ナレッジサーブ「年金カウンセラー検定」で優秀賞受賞
●年金カウンセラーとして2007/6/2東京新聞朝刊「こちら特報部」「1年で照合は選挙対策」、2007/9/23週刊「サンデー毎日」「不安拡大! もらい損ね「企業年金」の重大欠陥」等の取材を受ける。
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