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素材抜粋-9 誰も書かなかった日本銀行

2010年05月07日 | 読書
石井 正幸『誰も書かなかった日本銀行-エリ-ト集団の目をおおいたくなる実態』
あっぷる出版社 1996年



聖域でありすぎるから日銀マンは無菌培養になってしまう。同様に民間銀行に対する支配を強めすぎてしまう。あるいは、批判を受け付けなくなってしまう。独断に陥ってしまう。
なぜ聖域になるかというと情報公開が進んでいないからだ。日銀の実態を誰も知らないから、批判のしようもない。


私は、住専問題に関しては、日銀にも大蔵省を上回る大きな責任があると思っている。
日銀の最大の責任はサボタ-ジュの責任である。役割放棄の責任といってもいい。怠慢の責任である。
すなわち、先の大和銀行事件でも、住専への突出した融資についても、日銀はそのすべてを把握していた。間違いなく知っていた。にもかかわらず、なんら手を打たなかった。それが問題を拡大させ、とりかえしのつかないところまで追い込んだのである。


問題を先送りしたといって大蔵省が批判の矢面に立っているが、実際には大蔵省には金の流れはわかっていない。
金の流れがわかっているのは日銀だけなのである。
日銀は日本の金の流れはすべて把握しているのだ。例外は暴力金融だけであるが、それとてもある程度の実態把握はしている。


この日銀貸出が大蔵省の許認可権に匹敵する日銀の武器となっている。
この準備率(準備預金制度の)も日銀の判断に委ねられており、これも公定歩合の上げ下げと同様に、有力な金融政策の手段となっている。


そうした銀行コントロ-ルの最前線が、営業局総務課資金第一係というセクション。
実は私が2年間の松山支店勤めから本店に戻ってきて、2年間営業局の証券課でトレ-ニングしたのち就いた部署がそれだ。
ここは国内の金融機関の指導を一括してみるところで、第一係は国内の都銀、長信銀を担当、第二係は地銀、第二地銀、信金などを見るほか、全国の数字をまちめる業務を行っていたから、ここは結構忙しかった。そして第三係は国内で営業している外国銀行、農林中央金庫、商工中金など、その他の金融機関を担当していた。
その資金第一係の担う最重要業務の「窓口指導」というのが、私の仕事であった。


どういう仕事かというと3ヶ月ごとに銀行が提出する業務計画の中の、四半期別貸付計画を厳しくチェックし、日銀貸出限度額の調整を行うのがひとつ。
そしてそれとつき合わせて、毎日の銀行の資金繰りをチェックして、指導監督するというのが主な業務だった。
まさに、日本の金融政策の実行部隊であり、日銀の中でも、花形セクションだったのである。


そこで『ざぶん』と『どぼん』の出番だ。
T銀行の頭取は本当に真っ青な顔をしている。実は、このときの局長は、前の日銀総裁の三重野さんだった。
「局長さん、なんとか貸出を」
「そうですねぇ。T銀行さん。そういえば、ウチが送った副会長は元気ですか」
天下りOBをこの銀行が冷遇していることを知っての上で、言うわけだ。
副頭取はOBをきちんと扱うことをその場で約束させられる。それ以外になんの方法があろう。

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