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【#NEWS ポストセブン】【関川夏央氏書評】反日に熱狂する隣国を内側から描く

2020-02-04 03:18:12 | 海外の反応
 韓国人と韓国政府は、歴史にのっとって「反日」しているのではない。彼らが語るのは歴史ではなく、信じたい「物語」にすぎない。そうして、まったく「実証」を怠った「物語」に集団的に熱狂するのは、二〇世紀前半の遺物で、現在は強力な戦争要因とみなされる「民族主義」、あるいはそのコリア独特のあらわれ「種族主義(トライバリズム)」に不用意にすがっているためだ。「日韓危機」は韓国側のこの態度から発する──。

 こういう内容の本の日本語版だが、よく韓国で出版できた。著者たちの勇気はなまなかのものではない。朝鮮の「気脈」を断つために日本が打ち込んだ鉄杭(実は地図測量用三角点)を、国策として近年抜いたという記述があるが、「笑い話」ではない。

 韓国では永らく「慰安婦」と「挺身隊」を混同していた。挺身隊は高等女学校以上の女性の工場勤労奉仕隊のことで、私の母親もそうだった。また戦時中の朝鮮人労働者雇用には、時期とともに「募集」「官斡旋」「徴用」と段階があるが、韓国ではこれを一緒くたに「強制連行」ということにした。

「強制連行」も「従軍慰安婦」も一九六〇年代に日本でつくられた言葉で、歴史用語ではない。韓国人の多くがいまだ信じている軍と民間業者による「慰安婦狩り」は、吉田清治という人の「作話」であった。

 当初から彼の「告白」を怪しんだ日本の研究者が現地調査を行い、それが「物語」にすぎないと実証したが、こちらは韓国人が無視した。もっとも、日本に「土下座好き」の「謝罪業者」がいるとは想像しにくかっただろう。

 昨年来、日韓の溝はますます深い。それにしても来日観光客の激減、日本ビールの輸入のゼロ化、先進国の顔立ちに似合わぬ韓国の「集団主義」あるいは「反日種族主義」のありさまに日本人は驚き、またうんざりした。それでもコリアに情緒的に加担したい人は、この本は読まない方がよいかも知れない。

※週刊ポスト2020年2月7日号


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