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【#ハンギョレ】海洋警察、軍の情報と潮流分析の結果「越北」と判断…遺族「責任を問う」と反発

2020-09-30 23:19:16 | 新聞記事
失足や自殺を図ったの可能性は事実上ないと結論 
「オンライン・ギャンブルの借金など債務3億3千万ウォン」 
「金銭問題だけで越北と断定するのは難しい」 
行方不明者の実兄「推定だけで結論」、法的対応予告

 海洋警察が北朝鮮の銃撃で死亡した海洋水産部漁業指導船の船員A氏(47)を越北と判断した根拠は、国防部が確保した「機密情報」と「潮汐・潮流分析結果」だった。海洋警察捜査官が国防部を訪れ確認した内容によると、A氏が北朝鮮側で見つかった当時、救命胴衣を着用しており、浮遊物に頼ったまま脱力状態だった。浮遊物は長さ約1メートルで、腰かけることができ、横になって足で漕ぐことができる形と推定される。A氏は行方不明になる前、操舵室では救命胴衣を着用していなかった。

 海警はまた、北朝鮮側がA氏の名前や年齢、故郷、身長など個人情報を詳しく把握していた点も確認した。特に、A氏が「越北の意思」を表現した情況も確保した。ただし、機密情報を入手した経緯などは明らかにしていない。海洋警察関係者は「国防部から捜査に関する資料や証拠確保のために限られた範囲内で協力してもらった。閲覧資料に関しては確認できない」と述べた。

 海洋警察はまた、単なる過ちや自殺を図った可能性は事実上ないと見ている。国立海洋調査院や国立海洋科学技術院、船舶海洋プラント研究所など国内4機関に依頼し、失踪当時の潮汐・潮流を分析した結果、単純漂流すれば小延坪島を中心に反時計回りに回って南西に漂流したはずだという。漂流予測で分析機関別に距離の違いはあったものの、漂流方向はすべて一致した。ところが、A氏は漂流予測地点から約33.3キロメートル離れた北朝鮮登山岬付近の海上で銃撃された。被弾推定場所は、韓国軍が北朝鮮を監視する過程で「火花」を観測した場所だ。人為的な努力なしには、実際の発見位置まで辿り着ける可能性はほとんどないというのが、海洋警察の説明だ。

 海洋警察はA氏の債務関係にも注目した。調べによると、A氏は約3億3000万ウォン(約3千万円)の借金があることが分かった。このうち、2億6800万ウォン(約2400万円)がオンライン・ギャンブルによるものだという。ただ、金銭問題だけで越北を断定することは難しいと海洋警察は説明した。海洋警察は、A氏が勤務していたムグンファ10号の故障した監視カメラ(CCTV)から、行方不明の前日である今月20日午前8時2分まで録画された731本の映像を分析したが、行方不明に関する手がかりは見つからなかった。海洋警察庁は現在、精密鑑識のため、監視カメラのハードディスクの原本を国立科学捜査研究院に送り、分析結果を待っている。

 A氏の家族は、海洋警察が「越北」と判断した捜査結果の発表に反発し、法的対応を予告した。A氏の実兄はハンギョレの電話インタビューで「海洋警察は、軍が北朝鮮通信信号を傍受した機密情報など正確でもない根拠で弟が越北したと断定した」とし、「弁護士の助力を受けて死者名誉毀損罪などで必ず責任を問う」と話した。さらに「36時間漂流して敵国に発見され、威嚇を受ける状況で身元情報などを問われれば答えるしかないのではないか」とし、「捜査機関が現場で実際漂流する過程を再現することもなく、情況と推定だけで結果を導き出した」と批判した。

イ・ジョンハ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/area/capital/964060.html


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