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【#東亜日報】北朝鮮「不法侵入者を射殺」、韓国軍「越北を試みた」

2020-09-26 20:19:11 | 新聞記事
大統領府が25日、北朝鮮から受け取った通知文を公開したが、海洋水産部所属の漁業指導船の男性乗組員イさん(47)の殺害経緯に関する北朝鮮側の主張と韓国軍の発表内容が多くの部分で食い違い、論議が起こっている。イさんを助けることができた6時間の「ゴールデンタイム」を放置した軍に対する非難世論が溢れる中、韓国軍の判断に反論し、覆す新たな情況があらわれたのだ。

北朝鮮は通知文で、「我々は貴軍部がどのような証拠に基づき、我々に対して不法侵入者の取締りと取締過程の説明も要求せず、一方的な憶測で蛮行、応分の対価といった失礼かつ対決色の強い言葉を選んで使うのか遺憾を表さざるを得ない」と強く反発した。特に通知文には、北朝鮮軍がイさんの遺体を焼却したとか、北朝鮮側に越北意思を示したという内容は全く含まれていなかった。このため、今後、韓国軍の諜報の出処や入手の経緯をめぐって疑惑が増幅されるとみられる。

まず、北朝鮮は通知文で、イさんの遺体を燃やした事実はないと明らかにした。統一戦線部は通知文で、「射撃後、いかなる動きも音もなく、約10メートルまで接近して確認、捜索したが、正体不明の侵入者は浮遊物の上におらず、大量の血痕が確認された」とし、「わが軍人は不法侵入者が射殺されたと判断し、侵入者が乗っていた浮遊物は国家非常防疫規定により海上現地で焼却した」と明らかにした。軍は24日、防毒マスクと保護服を着た北朝鮮軍が23日午後10時頃、銃撃で死亡したイさんの遺体に近づき、油をかけて燃やしたと説明した。徐旭(ソ・ウク)国防部長官は国会で、「約40分間燃えた」と具体的な時間まで明らかにした。

イさんが22日午後3時30分にトゥンサンゴッ付近の海上で北朝鮮軍に発見されてから射殺されるまでの情況も、南北の主張が食い違う。北朝鮮側は、軍の規定によりイさんを「正体不明の対象」、「不法侵入者」として射殺したと明らかにした。通知文には、「(北朝鮮側)沿岸の浮遊物に乗って不法侵入した者に80メートルまで接近し、身元の確認を求めたが、はじめは1、2回、『大韓民国の誰々』と小さく話し、その後答えなかった」とし、「取締命令に無言で応じなかったため、2発の空砲を撃つと、驚いてうつ伏せになり、逃走するような状況になった」という。

その後、北朝鮮側はイさんがうつ伏せになって何か体にかぶろうとし、取締艇長の決心により、40~50メートルの距離から約10発の銃撃を加えたと主張した。これに先立ち韓国軍は、北朝鮮軍が一定の間隔を維持して、イさんに漂流経緯と越北について尋問した情況を捉えたと明らかにした。軍がイさんが越北を図ったと判断した理由だ。しかし、北朝鮮側の通知文のどこにも越北の意思を表明したという内容はなかった。軍関係者は24日、記者会見で、越北の陳述を捉えた情報の経緯などを問う記者団の質問に、「出処は言えないが、根拠なく話さない」と述べた。

また、誰の指示を受けてイさんを射殺したのかをめぐっても発言が食い違っている。韓国軍は前日、記者会見で、「射撃して燃やしたのは上部の指示による」とし、北朝鮮側の銃撃が意図的であることを強調したが、北朝鮮側は射撃の指示が当時、船に乗船していた取締艇長の決心によると主張した。

南北いずれもイさんが乗ってきたのが「浮遊物」だったと明らかにしている。しかし、北朝鮮側の主張どおりなら、韓国軍が越北の根拠に掲げた浮遊物が、北朝鮮側の海域で漂流していた可能性も排除できない。イさんが漁業指導船から海に落ちた後、漂流して浮遊物を発見した可能性も排除できないのだ。ある軍関係者は、「遺族を中心にイさんが北朝鮮に行く理由がないと主張する状況で、軍は直接このような疑惑を解消する必要がある」と明らかにした。


申圭鎭 newjin@donga.com


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