「日本の敵」速報(海外の反応特化)+新型コロナウイルス関連海外の反応等

「日本の敵」&「新型コロナウイルス」に関する情報をまとめていきます

【#朝鮮日報】【寄稿】コロナ・ファシズム

2020-09-06 18:12:20 | 新聞記事
二つの顔を持つコロナ…疾病と政治、二つの側面を区別すべき
コロナ防疫の状況を活用した統治術…失政と民主主義破壊を隠蔽(いんぺい)
医療界のストを招いたファシズム…国民の生命より権力強化を優先

 コロナ問題は二つの顔を持つ。疾病としてのCOVID-19と、政治現象としてのコロナに区別しなければならない。COVID-19は深刻な感染症だ。「風邪にすぎない病気」を資本と権力が重大疾病に膨らませた-というのは典型的な陰謀論だ。COVID-19が高齢者や慢性疾患の患者にとって大きな危険になるという事実は、全世界で科学的に立証された。韓国でも60歳以上の確定患者や重症患者が増え、重症者用の病床が足りなくなった。COVID-19は韓国国民の生命を実際に脅かしている。K防疫の先鋒(せんぽう)将である、鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理本部長が「信頼される人物」に挙げられる理由はここにある。

 コロナ問題は、疾病を超えて「コロナ政治学」へと拡大している。伝染病は政治権力の正当性を揺さぶり、その伝染病を扱う「生体権力(Bio-power)」がコロナ政治を触発した。古い統治権力は、臣民を「殺す」力で君臨し、現代の権力は、臣民を「生かす」力で登場する。生体権力は人を生かすことを優先し、われわれの体を権力の「観察、判断、検査」に従属させる。規律的生体権力のパノプティコン(Panopticon. 全方位的監視網)の下で、われわれは体制へ自発的に飼い慣らされていく。身体と精神が飼い慣らされるとき、人間の自由は皮を残すのみとなる。ソフトな顔つきのビッグブラザー、生体権力がコロナ・ファシズムの門をさっと開ける。

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権はコロナ防疫を利用した生体権力で韓国国民を治めている。K防疫には光と影が混在する。政権が便乗したコロナ防疫は、韓国の医療システムの先進性と医療関係者の献身、市民意識の合作による産物だ。これはCOVID-19から韓国国民の生命を守る前向きな効果だ。一方、K防疫を装った政権の生体権力は、韓国国民が自発的に政治権力へ服属するよう仕向けた。コロナ危機が悪化するたび、政権支持は上昇した。これは文政権の失政と民主主義破壊を隠す否定的な効果だ。

 韓国の医療問題は、文政権のコロナ・ファシズムが作動している最前線だ。ファシズムは左右のイデオロギーの境界を超え、反自由民主主義的な一党独裁で法治主義と三権分立を毀損(きそん)する。指導者を崇拝する群衆をけしかけ、反対者を「国の敵」とののしる。民族と共同体の感性に訴え、合理主義と個人的自由を弾圧する。結局のところファシズムは、大衆の支持を得た大衆独裁として表出する。文政権による長期政権企画から出てきた「4大医療政策」は、コロナ・ファシズムを証明した。行政・立法・司法のハードな権力と御用メディア・市民団体のソフトな権力による合作で、医療界の反発を抑え付けている。

 医療問題において、文政権は二重包囲戦術を駆使している。行政権力で医療界を強く圧迫すると同時に、医師らの集団利己主義を非難する世論戦を展開している。所得主導成長・脱原発・検察改革で愛用した戦術だ。抵抗する相手を絶えずたたき、「積弊勢力」として追い込む。文在寅大統領は医師と国民を組分けし、医師を既得権集団とけなし、今では医師と看護師まで分断した。改革にかこつけた分断は、自己陣営だけのための超法規的な「特権の城」を築くためのものだ。特定地域や御用団体の支持でヘゲモニーを固め、長期政権を実現することが文政権の究極の目標だ。

 だが、コロナ・ファシズムで韓国医療界を掌握しようとした文政権にブレーキがかかった。政権の最大の業績であるK防疫の主体は医療界で、その医療界を狙った威力の誇示に限界があることは避けられない。医師のストが長引けばK防疫は崩壊する。医師らの「職場での縄張り争い」だとレッテルを貼る世論戦に、文政権が力を注ぐ理由はここにある。しかし「職場での縄張り争い」自体は悪いものではない。人間にとって最も重要なものの一つが「公正な職場」だからだ。真に重要なのは、「縄張り」に対する要求が妥当性を持っているか、時宜にかなっているか検証することだ。故に、民生と直結する医療政策は、民主的熟議と調整のプロセスを必ず経なければならない。責任ある政権ならば、医師ではなくコロナと戦うのが当然だ。韓国政府は直ちに4大医療政策を撤回し、医師は直ちに現場へ復帰しなければならない。

 韓国国民の生命より権力を重視するコロナ・ファシズムこそ、医療問題の主犯だ。文政権は現代文明の拠り所である市民社会の独立性をじゅうりんし、その最後のとりでである医療界を脅迫している。医療専門家らを権力に従属させようとするファシズムに対する民間の抵抗が、韓国の医療問題の本質だ。医療界が崩れたら、大学や公論の場も崩れる。文政権は「正義は強者の利益」という絶対権力の詭弁(きべん)で韓国国民を脅している。コロナ・ファシズムは「隷従への道」であって「自由はただではない」。市民の自由に対する国家介入の正当な限界はどこにあるのか。コロナ政治学が、韓国人に凄絶な問いを投げ掛けている。

尹平重(ユン・ピョンジュン)韓神大学教授(政治哲学)


コメントを投稿